O'REILLY動物本2010/01/30 00:51

O'REILLY動物本
 昨年の暮れ、神田の大型書店でオライリー社のフェアというのをやっていて、同社の本を買ったら、ノートをくれた。表紙の絵はメガネザルで、中のページにも、カメやキリン、フェネックなど、動物の絵が書いてあった。ちょうどノートがいっぱいになったので、これを仕事用ノートに使い始めた。

 プログラミングを業務にしているひとなら、O'REILLYの本は、必ず何冊か持っていると思う。このノートのように、線描の動物の絵が表紙になっている本である。初期(オライリージャパンがなくて、アスキーやソフトバンクなどが翻訳本を出していた20年ぐらい前)は、ライオンや牛など、動物も「普通」のものだったが、シリーズが増えるにつれ、昆虫や腔腸動物など、バラエティーが豊富になってきた。豊富すぎて、蛇が表紙の『Python チュートリアル』『Pythonクィックリファレンス』なんてのもあって、世に多い蛇嫌いは、どうするんだとも思う。ただ、Python(コンピュータ言語のひとつ)を表すキャラクターが蛇なのは無理もない。一般名詞のpythonはニシキヘビのことなのだ。蛇嫌いプログラマは、そのように命名した開発者(『空飛ぶモンティパイソン』からとったらしい)を恨むべきかもしれない。他にも、『Web master』がWeb(蜘蛛の巣)にふさわしく、蜘蛛の表紙になっていたので、蜘蛛嫌いエンジニアは困っただろう。

 なお、Perlという言語が真珠貝でなくてラクダであるなど、直接的な関係がないもののほうが多い。『Ant』(Java言語のためのツール)が蟻じゃないのもよくわからない。
 しかし、後付けもあるのだろうが、表紙と内容が妙に合っている気もしてくるのである。プログラマは、ラクダを見れば、Perlを思い、つがいのノロマザル(ロリス)を見れば、sed&awkを思い浮かべるだろう。『lint』(C言語チェッカー:今やあんまり使わないと思うけれど。なお、一般単語lintは綿くず、綿ぼこりである)がキウイだったのも、なんだかぴったりだった。またJava言語関係はトラが多いようだ。たしかにJava島にはトラがいる。ただ、糞からコーヒー豆を採取するというジャコウネコのほうが、Javaに相応しいようにも思う。Javaというのは、コーヒー好きの開発スタッフによって命名されたらしいから。

 まあ、そもそもコンピュータ関係の用語というのが、モンティパイソンだったり、コーヒーの産地だったりと、変なのである。そしてその変さ、御しにくさに、ちょっと時代がかった感じの動物の線描画は、妙に合っているのだ。

 と思っていたら、このデザインを担当しているEdie Freedmanさんというひとが、まさにそうした話を打ち明けているのを見つけた。曰く、
 「わたしは、vi、sed&awk、uucp、lex、yacc、cursesなど、UNIXオペレーションシステムの用語が、『ダンジョン&ドラゴン』(ロールプレイングゲーム)から飛び出た言葉のような気がしました。そして、古い木版画のすこし奇妙な動物の絵が、変な響きのこれらの用語にぴったりだと思ったのです」

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