白山と神保町の休日2010/01/31 12:30

トイレットペーパー折紙と光弘式趣味のオリガミ
 昨日は、貴重本撮影作業で、白山の日本折紙学会の事務局に顔をだした。アメリカの若手創作家・ジェイソン・クーさんが来日中だったこともあって、「折り紙新世代」の面々も来ていたが、東京大学駒場キャンパスの折り紙サークル・Oristのメンバーが、彼らのアイデアを商品化した、「トイレットペーパー折紙」を持ってきていた。ハートの折りかたが印刷されたトイレットペーパーである。Oristは、大学折り紙サークルの中で最も活発な活動をしている団体だが、商品化というのはすごいぞ。

 また、会の機関誌で西川誠司さんの記事にもなっていたが、最近、会に寄贈された、内山光弘さんの『光弘式 趣味のオリガミ』という、70年前(たぶん)の「折り線付き折り紙」を見て、感激した。「ヲリガミ」ではなく、「オリガミ」とあるが、表記は右から左だし、値段が十銭なので、戦前のものだ。大丸百貨店のものと思われる値札もついたままになっていて、「¥0.10」とあるのが面白い。中には、折り線のついた紙と、折り方の図、作例がはいっている。作品には鋏も使うし、シンプルなつくりだが、印刷もきれいだ。

 そして、日本折紙学会の事務局に行った場合のわたしの定番、神保町の書店・古書店巡りをして、帰宅した。またまた本を買い込んでしまったが、掘り出しものかなというのは、寿岳文章・しづさんの『紙漉村旅日記』『数学名言集』(H.A.ヴィルチェンコ著 松野武、山崎昇訳) 。どちらも、まだ版のきれてない本だが、古書店で美本を見つけるとうれしい。『数学名言集』は、原著がソヴィエト時代のウクライナでの出版なので、エンゲルスの言が多かったりするが、西側のひとたちの名言もちゃんととりあげられている。帰路の電車内でぱらぱらと読んだ中では、以下の言がツボだった。
私は数学の専門家ではなく一人の崇拝者にすぎない。学問のなかでの最たるこの美女にほれこんだ失意の男だ。 ヴァレリ
なにも、自らをあのポール・ヴァレリーに比そうというのではないが、実感あふれるなあ。
数学者になることはできない。数学者として生まれるのでなければならない。 ポアンカレ
なんてのも。数学者の定義のハードル高すぎだが、わたしもそう思う。
外界の謎をなんとか理解しようとつとめ、自分自身の観察を熟慮検討するうちに、私がとうとう行きついた先は数学の王国であった。私は精密科学の研究とか知識の点ではまったく無知なのだが、多くの点で私には仲間の絵かきたちよりも、数学者と共通するところがある。
これは、わたしのヒーローのひとり、モーリッツ・コーネリス・エッシャー。
幾何学は世界の美しさの見本である。 ケプラー
「見本」はドイツ語ではProbeだろうかMusterだろうか。Musterがいいな。パターンとか鏡という意味もあるみたいなので。
「幾何学は世界の美しさの鏡である」