五角形の日々 ― 2012/05/07 21:55




消波ブロックのことなど ― 2012/04/26 12:48
ところで、テトラポッドというのは、不動テトラという会社の商品名で、一般名称は消波ブロックである。そして、消波ブロックには、さまざまなかたちのバリエーションがある。以前、舘知宏さんから教えてもらった日本消波根固協会(にほんしょうはねがためきょうかい)(なんか、すごい名前だ)のサイトにあるブロック立体図一覧(抜粋)(PDF)が、面白い。
今回の折り紙モデルのような、四角錐状の「四方錐ブロック」のほかにも、多数の面白いブロックがある。わたしが実物を見た記憶があるのは、「中空三角ブロック」や、「六脚ブロック(A形)」だが、ほかにもいろいろだ。
▲突起が5個の「ペンタコン」。ゴンではなくコンである(コンクリートのコンだろう)。四角錐台三つと、三角錐台がふたつという構造だ。
▲三本の角柱がXYZに配置された「三柱」は、ペンローズの三角形みたいにも見える。
▲「ガンマエル」は、座標で示すと(0, 0, 0) (1, 0, 0) (1, 1, 0) (1, 1, 1)という構造で、 名前の由来はギリシア文字のガンマ(Γ)と英字のLだろう。
▲「三基ブロック(C型)」は、四角柱に三角柱が4つくっついたものだが、向かい合った三角柱の向きが異なるところに味がある。
▲「アクモン」「ドロス」「シーロック」は、プロパジエン(CH2=C=CH2)などのアレンの分子構造になっている。アクモンとかドロスの命名の由来は見当がつかない。
そして、どんな世界にもマニアはいるもので、「消波ブロックマニアのサイトです」という沿岸防衛体研究所なるサイトもあった。日本消波根固協会の「ブロック立体図一覧(抜粋)」には掲載されていなくて、このサイトに載っていた「グラスプ Pタイプ」もいい。これはエタン( CH3−CH3)の分子構造だ。
テトラポッドのポッドはiPodのpod(さや)とは違って、gastropod(腹足類)のような、脚を意味するpodであろう。トライポッドというと「三脚」のことになる。しかし、SF好きが「トライポッド」で思い浮かべるのは、H.G. ウェルズの『宇宙戦争』(ふたつの世界の戦争)にでてくる火星人の兵器だ。さらに、SFの古典で三本脚と言えば、ジョン・ウィンダムの『トリフィド時代』の肉食歩行植物「トリフィド」がある。これは、トリポッドではなくトリフィドだ。
というふうに連想が広がって思い出したことがある。『トリフィド時代』が、世紀の天体ショーである大流星群を見たひとたちが盲目になるということから話が始まっていたことである。5月21日には金環日食がある。肉眼や、サングラスだけで太陽を見るのはたいへん危険なので気をつけましょう。
セパタクローのボールとテトラポッド ― 2012/04/15 23:33


刺繍の話 ― 2012/04/12 01:18
一時期、不動産業に手を出していたA・A・エイブラムスの配下が、家賃未払いの部屋に踏み込んで発見したのは、多くの銀線、銅線、ペンチに半田ごて、鋏に針に糸、毛糸の山、銀粘土に糊に折り紙といった雑多な細工道具の山々と、それに負けじと聳え立つ原稿の山であったという。『道化師の蝶』(円城塔 著)
引用のように、謎の多言語作家・友幸友幸(トモユキトモユキ)氏の暮らしの痕跡に折り紙がでてくる。なにに使ったかはわからず、また、作中では、折り紙よりも刺繍のほうが重要なモチーフになっている。
たしかに、刺繍のほうが、からみあった世界-網-という、作品世界の描像にふさわしい。折り紙も幾何学的だが、刺繍も幾何学的だ。
思えば、小学生の頃、家庭科では刺繍が一番好きだった。クロスステッチで絵を描くのは、いまで言えばアイコンのドット絵みたいなものだったし、一番好きだったフェザーステッチは、あやとりにも似ていた。直接刺繍に関係ないことでは、「ブランケットステッチの歌」も思い出される(わたし自身がつくったのか、友だちがつくったのか記憶がない)。これは、ふたり向かい合って、校庭の雲梯にぶらさがって、「ぶらーん。ぶらーん。ブランケットステッチ」と歌いながらにらめっこをして、笑って落ちたほうが負けという、意味不明なゲームのための歌である。しかし、こうして書いてみると、ほんとうに意味不明である。11-12歳の男子は、みなアホだ。
「更新されていないね」「じゃあ、日記でも」 ― 2012/03/29 23:50
折紙探偵団関西コンベンションに参加するため、深夜バスで大阪に移動した。前日まで、京都で天文学会が開催されていて、聞いておきたい発表もあったけれど、そちらには参加しなかった。深夜バスは初めてで、どんなものだろうと、すこしだけわくわくしていたのだが、席の位置がよくないこともあって、かなり疲れた。あれは若いひとの乗り物だなあ、というのが素直な感想だ。
2年ぶりぐらいの関西。きょろきょろと街を見回した。
阪急電車の中にあった四谷学院という予備校の宣伝コピーが「なんで、わたしが京大に!?」というものだった。東京では「なんで、わたしが東大に!?」である。地域に合わせて全部違っていたら面白いとも思ったが、下手をすると不平を言っているみたいになる。宣伝コピー文というのは、違和感をひっかかりにするものなのだろうけれど、そもそもが変な文ではある。
24日
コンベンション二日目に、ジェイソン・クーさんの「折り紙設計」に関する講演があった。講演後にも話をして、折り紙設計法をグラフ理論と結びつけることには、ちょっとした研究の鉱脈があるのではないかと考えた。枝の二次元での配置(順序)を区別する木構造の定義は、グラフ理論ではどう扱うのだろう。
ひとの作品講習は覗くだけで受講せず、ずっとティーバッグの包み紙によるモデルを試していた。マグカップが会心作である。(写真)
懇親会を途中で退出して、新神戸から最終の新幹線で帰京した。車中で読んだのは、一年以上積ん読になっていたミステリ・『殺す手紙』(ポール・アルテ著 平岡敦訳)で、ちょうど品川駅ぐらいで読み終えた。いままでに訳されてきたアルテ氏のクラシカルな探偵小説とは違うタイプのサスペンスだが、「ひねりにひねりました!」というプロットである。「ツイスト博士(アルテ氏のシリーズキャラクター)はでてこないけれど、ツイストのある作品」といえる( なんて、誰かが既に言っていそうな評だけれど)。そういえば、アルテ作品を年一作訳出する予定(平岡氏)という話もあったけれど、2011年は出なかった。
25日
親戚に子供が生まれたので、お祝いに行った。この子は、わたしの知らない未来を生きるのだなあ、としみじみ思った。夜、山梨に着くと、うっすらと雪が積もっていた。格言や言い習わしには、ただし書きが必要なものも多い。
暑さ寒さも彼岸まで- ただし、平地では。
26日
昼休みに、職場の観測所内で折り紙に関する取材を受けた。「設計する折り紙に先鞭をつけたことに関しては自負しています」なんてことを言ったけれど、ひとに言われれば素直にうれしいけれど、自分で言うものじゃないなあ、とも。
この日は、金星、月、木星がきれいに並ぶ日だったのだが、珍しく(!)プログラミングに熱中していて、そういえばと気がついたときには、沈んでいた。先日の金星と木星の「最接近」のときは写真を撮ったのに。
27日
放射線測定器に関して、キャリブレーションの意味で「校正」を使っているツイートを読んだ。内容はきちんとしていたが、表記に違和感があった。「校正」は、文章の直しのときに使う語で、機器のキャリブレーションは「較正」ではないのか。しかし、ちょっと調べてみると、計量法の条文にも「標準器による校正」なるものがあったり、区別はないようだった。「較正」や「キャリブ」のほうが一般的だと思うのだが、わたしが知っている業界だけのことなのだろうか?
「24時間、震度3以上なしか」と言った数分後に、千葉で震度3、その数十分後に岩手で震度5弱が起きたが、ふーんと思っている自分がいた。震度5弱って、並じゃないのに。
28日
『天文月報』(2012.4)に『わたしが見た日本』(P. W. Rybka)というポーランド人の学生さんの手記が載っていて、
「友達の少女が紹介してくれた折り紙に、私はたいへん興味をもち、紙の芸術の世界にのめりこみました」
と書いてあった。どこかで会う機会があるかもしれない。日本文化との出会いは「マンガ・アニメ、折り紙、俳句」ということであった。
連想して、わたしとポーランドとの出会いは、と考え、「ポーランド人の有名人は誰か」という、ひとり雑学テストをした。ショパン、キュリー、スタニスワフ・レム、アンジェイ・ワイダ、ロマン・ポランスキー..。 ウェブを検索して「答え合わせ」をすると、コペルニクスがそうであったことを忘れていた。ここで、ひらめいた。ポーランド人は、エスニックジョークでひどい扱いを受けることが多い。たとえば、電球ジョークというものがある。電球を交換するのに、電球を持ったひとが乗っている台をまわすのがポーランド人、というものだ。なんでポーランド人なのかわからなかった。しかし、もしかしたらこれは、地動説と関係しているネタではないのか。
バナッハ=タルスキの定理(パラドックス)で有名な数学者のバナッハとタルスキもポーランド人であることを知った。これをつかって、とんでもない話が実は論理的だったのである、という隠れたメッセージを込めたジョークがつくれないだろうか、なんて考えた。
十二艘舟など ― 2012/03/18 15:18
まずは、図左端の正方形基本形(風船の基本形の反転)6個組である。前例を見たか、前例があると指摘された記憶があるのだが、誰のものなか、見つけることができていない。誰かわかるひといませんか?
次は、1:2の長方形の6枚組みで、きれいに組めるのだが、最後のひとつをいれるのが難しい。
次は、2枚組みである。これも既にありそうな気がする。しかし、かなりいいモデルだと思われるのに普及していないので、コロンブスの卵かもしれない。ユニット折り紙は、大量のパーツの作成や色合わせが面倒になることが多いが、ふたつだと、色合わせも楽だ。
次は、伝承の二艘舟を6個組み合わせたもので「十二艘舟」と名付けた。星型多面体とXYZ座標を組み合わせたかたちになる。これもまた、既にありそうな気がするのだが、組むのが案外難しいので、見落とされていた可能性も高い。
右端は、2枚組みのものをすこし変形したものだ。
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先週は、深夜0時ぐらいまで仕事で、帰宅後早朝まで、折り紙を考えるという日が何日かあった。
やるべきことが多いほど、急ぎではないことに時間を費やしてしまう心理は、精神分析の防衛機制の概念でいえば、「逃避」よりも「補償」とみるべきだろう。しかし、心理的にはともかく、案件が溜まっているという実態はなにも補償されず、睡眠時間が短くなるだけなのであった。
また、〆切のはっきりしない案件が、そのことだけであと回しになってしまっていることを思うと、〆切って重要だなあ、とあらためて思うのであった。
「亜鈴(あれい)立体」など ― 2012/03/10 18:35



『なずな』:伊都川市内折り紙コンクール ― 2012/03/10 18:29
運動不足解消もかねてベビーカーでの散歩は続け、記事を書き、校正をし、本を読み、取材先に疑問点を電話で確認したりして、仕事はそれなりに進めていた。なかで印象に残ったのは、佐竹さんが冷静沈着に報告してくれている第三回市内折り紙コンクールの模様 - 大賞は、新富町の印刷会社経営・新井悟さん(32歳)による「エスプレッソマシン」- 、そして、梅さん自身による三本樫保養所再利用計画に関する小文だった。前者は特大の紙を使った精緻な模型のような出来映えで、圧倒的な指示を得ての大賞だったという。見出しは「アロマの漂う折り紙」。『なずな』(堀江敏幸著)
生まれたばかりの弟夫婦の子をあずかることになった四十男の視点による小説『なずな』の一節である。彼が地方紙の記者をする架空の町・伊都川市には、上記の引用のように、市内折り紙コンクールがある。(折り紙コンクールに関する記述は、上記引用部分だけである) 伊都川は、人口五万人ぐらいと思われる大きくはない市だ。全国規模にして初めてコンテストが成立する現実の折り紙コミュニティーを実感している身としては、この設定はファンタジーである。奇妙な、しかし魅力的なパラレルワールド。
『なずな』は、すこしずつ、ときどき思い出したように読んでいたので、読み終わるまで半年ぐらいかかってしまった。そういえば、同じ堀江さんの『河岸忘日抄』も、そんな読みかたをした。読むものに困ったときにキープしてある本というのとはちょっと違っていて、ゆっくりと文章を読みたい気分のときのための本だった。
影を見つめるひと ― 2012/03/10 18:28
閑そうにしか見えない日々 ― 2012/02/29 00:49










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