折り紙作品(固定記事:最新記事はこの下)2038/01/18 18:51

自分で折った作品の写真数点を、冒頭に載せておくことにしました。

Devil&Pyramid
Devil & Pyramid
悪魔(設計:1978 正方形)、ピラミッド(設計:1993 正方形)

Peacock
Peacock
孔雀(設計:1993 正方形)

Beetle
カブトムシ(設計:1994 正方形)

Turkey
七面鳥(設計:2005 正方形)

Sections of the Cubes
立方体の断面(設計:2000 特殊用紙形)

「生きている折り紙」など2017/05/19 22:16

◆「生きている折り紙」
以下のイベントの案内が届いていた。
第94回サイエンス・カフェ札幌「生きている折り紙」 by 繁富(栗林)香織さん
@ 紀伊國屋書店札幌本店、5/27(土)。事前申し込み不要。
詳細:costep.open-ed.hokudai.ac.jp
細胞膜を使った、文字通り「生きている」折り紙の話。栗林さんは、先日も折り紙応用技術的なニュースの解説でTVに出ていたらしい。
この日、わたしは九州。主催のCoSTEP(北海道大学の科学技術コミュニケーションに関する社会人大学的なもの)では、わたしも来年の1月に講師をする予定。

最近、折り紙周辺のニュースがちょこちょこと。

◆テントウムシ
数日前、東京大学の斉藤一哉さんのテントウムシの後ろ翅の折り畳みの研究がニュースになっていて、なんで今なのだろうと思ったら、論文が公けになったということだった。ニュースでは、バイオミミクリ(生物をまねた応用)が強調されがちだが、研究自体に、誰にも伝わる面白さがある。テントウムシは、メタルの巻尺みたいな構造があって、後ろ翅を広げるのが得意で、しまうのは「手繰り寄せ」なのでやや時間がかかる(よって「シミチョロ」をよく見かける)とか、カブトムシは収納するのが得意だけれど、広げるには大きく羽ばたいて遠心力を使うとか。

◆『正解するカド』
『誤解するカド 』というSFアンソロジーがでていて、折り紙的、幾何学的な響きがある題名だなあと思っていたら、この題名の元になった『正解するカド』というアニメーションの中に、球体折り紙が出てきて、筑波大学の三谷純さんが監修していた。

『Pasta by Design』など2017/04/28 23:50

◎『Pasta by Design』
まず、前の書き込みの補足である。パスタの幾何学的形状については、いずれ本格的に考えたいと思っていた。フッジリについて考えたのもそれゆえである。

ただし、これには先行研究がある。最近、数学雑誌の編集者さんから教えてもらったもので、『Pasta by Design』(George L. Legendre)という本である。まだ入手していないのだけれど。

著者のルジャンドルさんという名前もインパクトがある。建築が専門のイギリス人のようだけれど、ルジャンドル変換などで有名な18世紀フランスの大数学者の子孫だったりするのだろうか。

さらに、『The Geometry of Pasta』(Caz Hildebrand、Jacob Kenedy)という本もある。ただし、こちらは、書名ほど幾何学ではないみたいだ。

『Pasta by Design』の表紙になっているファルファレ(蝶)は、可展面からの変形としてたしかに面白いが、コンキリ(貝)や、フッジリ(銃身)、カヴァタッピ(栓抜き、図)などのほうが、わたしは好きだ。食感ではなく、かたち自体がである。ジリというのもあって、百合の花ということらしいが、キクラゲみたいな「The・負曲率曲面」に見える。これらは、たぶん、型抜きでできているのではなく、製造工程によって「自然に」かたちづくられている。それらに比べると、ルオーテ(車輪)などは、すこし面白みが減る。
カヴァタッピ

フッジリは、旋盤の削り屑や、ネコザメの卵(あまりよい写真ではないけれど、10数年前に下田海中水族館で撮影。検索するともっと鮮明な写真がいろいろある)にも似ている。ネコザメの卵も、あらためて見ると、常螺旋面というより、類似螺旋面に近い。ただし中央部は円柱ではなく紡錘形である。
ネコザメの卵

紡錘形と言えば、そのかたちのパスタもあって、長粒種のコメみたいなかたちで、リゾーニという。これは、まさにコメの意味だ。小麦粉で米をつくるというのは、倒錯的だ。

◎「おりがみパヅル」と「入れ子風車」
折紙探偵団九州コンベンションが近づいてきた。まだ申し込んでいないが、今年も参加の予定である。

昨年の九州コンベンションで、面白いパズルの話を聞いたことを思い出した。名づけて、「おりがみパヅル」。折鶴のパズルなので、パヅルなのである。探したところ、問題を書いたコピーはとってあったのだが、出題者の名前をメモし忘れていた。

問題:1枚の正方形の紙に切り込みを入れて連鶴をつくる。11羽のものはいかに?
ただし、以下の条件とする。
(1)紙を余らせない。
(2)鶴の翼は、左右どちらも別の鶴の翼に接続する。

解くのに1時間以上かかった。
ネットを検索したら、出題者のブログに記述があったが、わたしが偉いひとみたいに書いてあって、汗顔である。

解答はどうだったかなと思い出す過程から、「千羽鶴」のバリエーションを思いついた。『千羽鶴折形』の「風車」を無限化(写真では3段階まで)したものである。上の問題の解答とはまったく違うもので、羽での連結もやめているが、繰り返しパターンがわかりやすくてよい。1か所ではなく、向かい合う部分を分岐させるなどのバリエーションも考えられる。シンプルな発想なので、だれかがやっていそうではある。
入れ子風車

◎蔵書
桑原武夫さんの遺族から京都市に寄贈された桑原さんの蔵書が、古紙回収に出されて処分されてしまったというニュースを聞いた。詳細を把握していないので、この件そのものへのコメントはひかえるが、ひとつ連想したことがある。

神保町の古書店の店頭で、趣味嗜好が明確な一群の本が並んでいるのを見ることがある。買い取って整理される以前のものだ。ある日見たのは、パズルと和算と数学の啓蒙書の取り合わせであった。「わたしに関心の近いひとが亡くなったのか」と思った。うちの蔵書の行く末を考えると、すこししんみりした。

マグニチュード など2017/04/20 22:26

◆マグニチュード
昨年の熊本・大分の地震における4月14日と同16日のマグニチュード(M6.5とM7.3)の比較で、「エネルギーが16倍」という話があった。マグニチュードは常用対数(1増えると10倍)だったような記憶があったので、0.8の差で10倍以上なのはなぜだろう、と疑問に思って確認してみると以下だった。
地震の規模とエネルギーとの関係
(Gutenberg-Richter)
log E = 4.8 + 1.5M
ただし、E:地震波として放出されたエネルギー(単位はJ)
『理科年表』 2017)

エネルギーとの換算式で、Mに係数1.5がかかるのである。であれば、たしかに、0.8違うと約16倍である(10(1.5*0.8)≒16)。ここ数年間、ずっと地震の話を聞いてきたのに、ぼんやりした知識だった。
なお、101.5=31.6...だが、指数を1.505...とすると、101.505...=32=25で、(2進法が日常的なプログラマとしては)きりがよい。104.8のほうも、4.816...であれば、104.816...=65536=216できりがよい。上の式の4.8と1.5が2進法を起源とするのかは調べきれていないが、ありそうな話ではある。

『理科年表』を見ると、観測データからのマグニチュードの計算式には、すくなくとも7つの種類がある。しかし、物理的な意味としては、「約32を底とする(1増えると約32倍、2増えると1000倍になる)対数表示の、地震波として放出されたエネルギーの単位」ということで間違いない。さまざまな計算式は、要するにエネルギーの見積もりかたが異なるということである。

エネルギーなので、カロリーにも換算できる。1calは4.184Jという定義(もとは1gの水を1標準気圧で1度あげる熱量)なので、M1=10(4.8+1.5)≒2000kJ≒500kcalである。そして、爆弾のエネルギーである「TNT換算トン」もカロリーで定義(1TNT換算グラム=1000カロリー)されている。広島の原子爆弾は15キロトンと言われ、約6.3*1013Jである。これはM6の値(10(4.8+1.5*6)≒6.3*1013)にほぼ等しい。

M1は、ラーメン1杯の代謝熱量にほぼ等しい程度だが、M6になると、広島の原子爆弾に並ぶということである。

◆比喩表現としての折り紙
日本の折り紙のように華奢な夢の架け橋が崩れ落ちそうになり、そして目が覚めるとアラペードはベッドの中にいた。
『麗しのオルタンス』ジャック・ルーボー著 高橋啓訳)

比喩表現としての折り紙のひとつの典型の、脆いものとしての折り紙である。原著は1985年、フランスでは英語圏ほど「オリガミ」という言葉が使われていないので、原文は、プリエ・ド・パピエとか、プリアージュ・ド・パピエだろうかとも思うのだが、どうなのだろう。「日本の」とあるから、やはりorigamiなのかな。

いろいろと深読みが可能な小説で、重要な数字がなぜ53なのかなどが気になったのだが、「クノー数」というものがあるらしい。

府中市で折り紙教室など2017/04/16 09:16

◆府中市で折り紙教室
4/23(日)13:00-15:00、府中郷土の森ふるさと体験館で、折り紙教室を担当します。府中郷土の森博物館は入場料が必要ですが、教室自体は無料です。

◆春まだ浅き
4/14NRO
(4/14の写真)
み山には松の雪だにきえなくに宮こはのべのわかなつみけり
(深山には松の雪だに消えなくに都は野辺の若菜摘みけり)
『古今和歌集』よみびと知らず

◆『数学セミナー』
『数学セミナー』5月号に、三谷純さんが、拙著『折る幾何学』の書評を寄せている。「近代折り紙の、新しく自由な世界が本書の中に凝縮されている」などと書いてあって、恐縮した。

『数学セミナー』5月号では、数学オリンピック金メダリストの中島さち子さんが、数学オリンピックを舞台にした青春映画『僕と世界の方程式』について、円城塔さんが『僧正殺人事件』などについて書いていた。今期からの『数セミ』は、こういう数学周辺情報を積極的に載せるようになっている。

『僕と世界の方程式』は、わたしも観た。主人公のネイサンより、脇役ルークの「僕には数学しかないのに」と思いつめた姿が胸につまされた。人間ドラマ中心で、数学の魅力や数学をからめたジョークなどはそんなに描かれていないけれど、以下の会話などはにやにやした。(うろ覚えで書いている)

マーティン(教師)「14の特徴は?」
ネイサン(少年)「自然数。ポジティブ・インテジャー(正の整数)」
マーティン「そう、ポジティブに、自然にってことさ」

ほぼどんな数字でも使えるけれどね。

いっぽう、『僧正殺人事件』である。少年の頃に読んで最も面白かったミステリは、ヴァン・ダインの『グリーン家殺人事件』と『僧正殺人事件』だった。評判の高い◯◯◯◯・◯◯◯◯の『◯の◯◯』を、『グリーン家殺人事件』の直後に読んで、「なんだ。グリーン家のまねじゃん」と思ったことを鮮明に覚えている。その後、大学2年のとき、「(化学科、物理科の)新入生にひとこと」といった企画で、次のように書いた記憶もある。
「入学おめでとう。君もこれで、青酸カリウムや放射性物質で遊べるぞ。僧正」
科学者が主要人物として登場する『僧正殺人事件』をネタに、ブラック・ジョークを気取ったもので、わかるひとにはわかるだろうという、お年頃らしい「ひけらかし」である。しかし、数十人の新入生の中に、ミステリ好きがいた可能性はきわめて低いので、ひとり相撲である。ちなみに、大学での危険物の管理は厳格であり、明確にジョークとして通用していた。念のため。それにしても、わたしはなんで大学で、ミステリ研(的なもの)にもSF研にもはいらなかったのだろう。心情が思い出せない。

『僧正殺人事件』をネタにということでは、10年ぐらい前に、山田正紀さんの『僧正の積み木唄』というミステリがあった。面白い趣向で、一気に読んだが、いくら疑似科学と断っても本職の物理学者があの数式はないだろう、あのミスディレクションは『僧正』の肝なのに...などとも思った。ただ、本作は『僧正殺人事件』へのオマージュというより、金田一探偵オマージュで、金田一ものを改めて読んでみたくなり、何冊か読んだ記憶もある。読者にそう思わせるのは、作者にとって「金田一もの」がただのネタではないということだ。

円城さんがほかに紹介していた、ジョルジュ・ペレックと、ジャック・ルーボーは読んでいない。面白そうなので、昨日、ジャック・ルーボーの邦訳を3冊買ってきた。
読みたい本がたまって困る。

◆「その官僚は、はじめから終わりまで一言も何も言っていないのと同じであった」
前にも書いたけれど、国会の「官僚的」な答弁を聞くと、太宰治の『家庭の幸福』を思い出す。この小説は、ちょっとした『教育勅語』のパロディー的な文章もあって、妙に同時代的である。70年も前の小説なのに。

◆4価のゴールドバーグ多面体
ニュースを見落としていたけれど、昨年の『Nature』12月22日号に載った論文で、フラーレンとは違うタイプの多面体構造の分子の発見が報じられていた。プレス発表はここにある。この多面体は、四角形と三角形から構成され、頂点に集まる辺の数が4である。なお、それらの多くは、四角形が平面図形ではなく、「ねじれ四角形」になる。

笠原邦彦さんのブログなど2017/04/09 20:36

◆笠原邦彦さんのブログ
笠原邦彦さんがブログを始められた。まだ一週間ぐらいなのに、充実した内容で、更新も早いので、感嘆しながら読んでいる。「クニ オリガミ プラス」

◆『オリガミの魔女と博士の四角い時間』再放送
4/29に、『オリガミの魔女と博士の四角い時間』第1回の再放送がある。夏ごろまで、あと2回ずつくらい再放送する予定とのことである。

◆双苞水芭蕉(ソウホウミズバショウ)
双苞水芭蕉
先週の日曜日、山梨県笛吹市の藤垈(ふじぬた)に寄って、水芭蕉を見てきた。水芭蕉の苞(ほう:花びらみたいに見えるもの)は、通常ひとつなのだが、これがふたつになっている変異体があった。おっと思ったが、そんなに珍しい変異ではないらしい。長野県の白馬村落倉に多いので、オチクラミズバショウともいうのだそうだ。変異の確率は四つ葉のクローバーと同じぐらいのような気がするので、見つけたひとは幸運になるという話を広めてはどうだろうか。ちなみに、四つ葉のクローバーは1万分の1ぐらいの確率という。いっぽう、藤垈のこれは、約3000株の一例(しかも、つぶさに見たわけではない)なので、確率はなんとも言えないのだが。

◆新潟旅行
先週の土曜日、新潟に行って、いくつか建築などを見てきた。

・新発田カトリック教会(新潟県新発田市、アントニン・レイモンド設計)
新発田カトリック教会
折板構造建築の傑作・群馬音楽センターなどで知られる、アントニン・レイモンド(1888-1976)設計の教会である。木と煉瓦による構造もさることながら、切り紙の和紙を貼った「ステンドグラス」がなんともチャーミングだ。これは、アントニンの妻ノエミ・ペルネッサンのデザインらしい。

・蕗谷虹児記念館(新潟県新発田市、内井昭蔵設計)
蕗谷虹児記念館
同じく新発田市にある蕗谷虹児記念館のタイルもすばらしかった。縮小しながら中心に向かう正方形の列! 同館では「乙女たちの夢とあこがれ 蕗谷虹児・中原淳一・松本かつぢ展」が開催中(6/15まで)で、折り紙の絵もあるかも、とちょっと期待したのだが、蕗谷虹児の「てるてるぼうず」の画面の片隅に折り紙とハサミがあったぐらいだった。なお、松本かつぢの絵は、高野文子さんの『おともだち』など画風の元祖だった。

・新潟ふるさと村(新潟市西区)
新潟ふるさと村
多面体のドームとか、オクテットトラスとか、1970年の万国博覧会を思い出した。万国博覧会、行ってないけれど。

・信濃川大橋近くの電波塔(新潟市西区)
信濃川大橋近くの電波塔
アンテナ塔から変なものがたくさん突き出していた。鳥除けだろうなと思いながらも確信は持てなかったのだが、その後、アンテナの専門家に写真を見せて、鳥除けで間違いないね、という見解を得た。

◆恵贈にあずかった本
穂高明さんから『むすびや』、綾辻行人さんから『人間じゃない 綾辻行人未収録作品集 』をいただいた。読む前からわかっていたけれど、作風が違いすぎて、これをほぼ続けて読んでいるひとはわたしぐらいなんじゃないか、などと。

◆詰将棋
文庫で再刊された、詰将棋が題材の竹本健治さんの『将棋殺人事件』を読んでいて、以前、詰将棋の話を書いたことを思いだした。1994年、『折紙探偵団新聞』に書いたエッセイで、以下は、その冒頭部分の引用である。

 「手順の構成美」「配置の簡潔美・自然美・象形美」「パズル性を含んだ難解巧妙な作品」「趣向の持つ叙情や浪曼性」「数学的才能と芸術的才能」「誰もが手を出してみたくなる」「クラシック作品」「無駄を省く、不純を省く、簡素化する」「好ましい意外性と驚き」「すでに完成された作品に関する知識」… 
 以上は、コンピュータ雑誌「bit 」92年10月号に載った「詰将棋・詰チェスにみる知的作品の美」(井尻雄士氏)からの引用である。コンピュータ雑誌に載った以上、システム設計やプログラム作成に関連づけた話なのだが、ご覧のように「我々」にもけっして無縁の話ではない。本格ミステリ作家、ゲームデザイナー等々、この文章に首肯する向きは多々あろうが、「我々」以上にピッタリくるのは「詰将棋・詰チェス」を除けば、たぶん「詰碁」ぐらいなものだろう、と詰まらない冗談が言いたくなるほど、ここで述べられているのは「我々」のことだ。
(『折紙博物誌』(第一部)より)

◆伝統と言うけれど
折り紙や和算が、日本の伝統と文化のなんとかというネタにされても、うれしくないというか、警戒するというか、煩わしく感じる。なんてことを考えたのは、最近、「伝統」の記号として引っ張り出された和菓子屋さんの心中を忖度したためである。(「忖度」の正しい用例) 

知性の自律的な活動なしには、新しい伝統となるべき文化の創造はもとより、旧い伝統が文化として存在するということも考えられないであろう。
(『哲学ノート』1941、三木清)
三木清は、1945年6月、政治犯を匿ったとして治安維持法で拘留され、終戦後の9月26日、劣悪な衛生環境の刑務所で46歳で獄死したひとである。

オリヅルランの花など2017/03/26 21:51

◆オリヅルランの花
オリヅルラン
自宅のオリヅルランが花をつけている。「折鶴蘭」の命名の由来は、ランナーの先の子株を、糸に下げた折鶴に見立てた、ということらしいが、命名に関する一次文献は見つけることができていない。明治時代に園芸種として渡来したようなので、園芸商の命名ではないかと思っている。なお、糸でつなぐタイプの「千羽鶴」や、折鶴を糸で下げて飾ることもそんなに古いことではないと考えられる。『智恵子の紙絵』(高村光太郎)の記述や、祖母から昔聞いた話などから、大正-昭和初めにはあったことは間違いないが、明治初期にあったどうかはわからない。木綿糸が安価に手にはいるようになってからのことではないだろうか。

◆ドット絵
ドット絵
近くで見ると何だコレ(写真左)だが、遠くからはちゃんと見える(写真右)。ただ、これをそのまま看板に使ったのはあんまりだと思う。

『オリガミの魔女と博士の四角い時間』など2017/03/08 21:50

NHK Eテレで、3/11 24:00から4週に渡って放送される『オリガミの魔女と博士の四角い時間』という番組に、いろいろと協力した。わたしの作品やわたし自身も登場し、盛りだくさんな内容である。

◆重版出来!
先日、昨年秋刊行の『折る幾何学』の増刷のしらせがあった。変わった本を買ってくれた奇特な読者に感謝である。

◆確定申告
確定申告の書類の作成中、以下の疑問が浮かんだ。
 私小説作家は、どこまでが必要経費になるだろうか。
逆に、交際費が必要経費になるのというのも、前から疑問なのだけれど。

◆瑠璃唐草
瑠璃唐草
八ヶ岳山麓はまだ春という感じはしないが、東京(郊外)を散歩すると、道端にオオイヌノフグリの花をよく見かける。可憐なこの野の花の、あんまりな名前は、牧野富太郎の命名に基づく。彼が、近縁種に、実のかたちからイヌノフグリ(犬の陰嚢)と名づけた。その後、イヌノフグリ自体は希少種となってしまったが、明治以降の帰化植物であるやや大ぶり(と言っても、ちいさい花)のこの野草がその名となったのである。別名がいくつかあって、そのひとつは瑠璃唐草というらしいが、検索してみると、ネモフィラという花も同じ名前で呼ばれるのでややこしい。

花のかたちを見ると、3弁がほぼ同じまるいかたちで、1弁だけやや細長く、全体として左右対称になっている。そう言えば、と思い出したのは、そのむかし、パーソナルコンピュータに初めて触れたときに、数式を使って花弁を描いたことである。なつかしくなって、「瑠璃唐草」もそれっぽく描いてみた。ただ、きれいな式にすることはできなかった。
パラメットリック曲線

◆『La La Land』(デミアン・チャゼル監督)
『La La Land』のLAは、なるほど、Los AngelesのLAでもあったのかと、先日、LA観光案内でもある同映画を観て腑に落ちたのだが、この言葉が辞書にも載っていることを見つけて驚いた。

la-la land:ロサンジェルス、またはハリウッド。特に、その住人や関係者のライフスタイルや振る舞いに関すること。空想的な状態、または夢の国。(The New Oxford American Dictionaryから)

LA観光映画なので、グリフィス天文台もでてくる。『理由なき反抗』や『ターミネーター』にもでてきたあれだ。LAと星空といえば、思い浮かぶ話がある。阪神淡路大震災のちょうど1年前、ノースリッジ地震で大停電が発生したとき、市民から「空に変なものが見える」という通報が相次いだという都市伝説である。変なものの正体は、普段は街の灯りで見えない天の川である、というのがこの話のオチだ。(たとえば、「ここ」参照) じっさいに数件は通報があったのかもしれない(しかも911ではなく、それこそグリフィス天文台に)。アシモフの『夜来たる』を連想させる話だ。『夜来たる』は、太陽が沈まない六重太陽系の惑星に、2000年に一度の夜が来る...古文書によるとこの星の文明は2000年ごとに滅亡するのだが...というSFである。

◆錯視ピラミッド、別組みの3枚組み立方体、そして、ロングテイル・リザード
錯視ピラミッドほか
一昨日の蛇腹タイルのひろげかたをすこし変えて、うまい具合の角度で撮ると、ピラミッドに見えるということに気づいた。また、3枚組立方体の組みかたをすこし変えると、面に継ぎ目のない立方体になるのであった。そして、蛇腹タイルをいじっていたら、尾の長いトカゲになった。じっさいにこんな感じの尾のトカゲがいることが、「long tail lizard」で検索すると出てくる。

◆ゴジラ雲
ゴジラ雲
今日帰宅時に、「雲がゴジラになっている!」と、急いで写真を撮ったのだが、見る間にかたちが変わってしまった。もっとゴジラぽかったのだが、どちらかというと、リスになっている。なお、山の灯りは、清里のスキー場である。

蛇腹で60度他2017/03/06 23:09

◆蛇腹で60度
蛇腹で60度
図のように、直行するシンプルな蛇腹の折り目をつけて、うまく広げると、頂点の角度が、60度、90度、90度、120度の凧型になる。これをタイルのように並べて、正三角形や正六角形を描くと、単純だがとてもきれいだ。金属等の板をこのように加工すれば、敷板になりそうだ。ただ、滑り止めにはよいけれど、ゴミがたまりそうではある。
これの折り目を4個連結したものは、ユニット折り紙になって、6個組み合わせて正四面体状のもの(右下)ができる。同様のものは、1:2の長方形6枚組でもできる。

◆3枚、4枚、8枚組立方体
3,4,8枚組み立方体
立方体の3枚、4枚、8枚組を考えてみた。前例はありそう(同じかどうかわからないが、田中まさしさんがやっていた記憶がある)だが、3枚組が面白い。図は、折り目と外に出る面を示したものである。外に出る面は、右下図のように、テープを巻くようなかたちになる。

2回折ってひろげた紙など2017/02/22 22:09

◆『折って楽しむ折り紙セミナー』最終回
2月12日発売の『数学セミナー』3月号で、『折って楽しむ折り紙セミナー』の連載が終了した。当初1年の予定の連載だったが、4年になった。月刊の連載というのは簡単ではなかったが、たのしかった。読者のイメージを数人思い描いていたが、そのひとりは、高校生ぐらいのわたし自身だった。

◆2回折ってひろげた紙
2回折ってひろげた紙
折り目のついているポスターを見ていて、2回折って広げた紙の折り目のかたちが気になった。これは4つの錐面の連結である。2回で折るのではなく、4本の折り目を同時に動かしたときの錐面の変移を、すこし考えた。