アトランタ・街で拾った「かたち」ネタ ― 2010/03/25 12:43

左上:センテニアルオリンピック公園の噴水の底の模様。螺旋状の「四脚ヒトデ」による敷き詰めで、他でも見たことがある気はするが、珍しい。
右上:ファイブポイント駅近くにある、単位立方体7個からなる車止め(?)である。他では見たことがない…と、思ったけれど、消波ブロックに、このかたちのものもあったような気がしないでもない。
左下:正方形に内接する円に内接する正方形に内接する正方形、という壁面デザインのあるビル。企業のマークだろうか。どこかで見たことがあるような。
右下:昼休み、公園で巨大チェスをするひとたち。「かたち」ネタではないけれど、こんなのは、初めて見た。
成田空港の菱形天井 ― 2010/03/24 16:48

成田空港南北ウィングというのは、台形が基本の構造で、60度の角度に配置されているのである。
ピタゴラスカレンダー ― 2010/03/20 15:05

二番目のピタゴラス数が(5,12,13)であり、それに関係する図を描くと、72も現れて、12、13、7という数が揃うことから思いついた。
13は、1年が13週+(1日or2日)(訂正3/22:13週×4+(1日or2日))であるために、カレンダーにぴったりなのである。(カレンダーというよりも、1年間の週の進みを示す時計として、プログラムを組んでみればよりよいと思うが、その暇はなかった。)
週の進みをみるピンクの正方形(四隅は三角形に分割してあり、図はそれが点灯している)は、太陽黄経(天空での太陽の位置)にほぼ対応させることができるので、太陽黄経を示す二十四節気の関係を見るのによい。
なお、72を思いついたきっかけの次の関係は、ちょっときれいだ。
平方数Sがあった場合、それを開いた数√Sを、√S=a+bとふたつの数の和に分解し、もとの平方数から、分解した数の積を4倍したものを引くと、その値も平方数となる。
式で書けば、(a+b)2-4ab=a2+b2-2ab=(a-b)2なので、当たり前といえば、当たり前なのだけれど。
「9ピースキューブ」木工品と、四穴立方体 ― 2010/03/14 18:18

写真右上にあるように、接続部分を除いた稜線を面取りし、接続部分は、穴を開けて細い丸材でつなぐ方法にした。上記のように、ミリ以下の精度が必要という、指物師的な細工になるが、きっちりできる。
また、八つの頂点のうち、四つを切り落とした立方体を折り紙でつくった。左下が白銀長方形用紙、中下が正方形用紙で、どちらも六枚組である。内側も含めて、すっきりとできたのが、気持ちよい。
そして、15cm正方形でつくったものが、2cm3立方体からつくった上記パズルを格納するのにぴったりであることが判明した(写真右下)。
稲荷の狐の意外な使いかた ― 2010/03/13 19:53

別のところで紹介したことがあるが、陶器の狐と言えば、出雲で見た平田一式飾の力士が忘れ難いので、ここでも紹介しておこう。既存の陶器だけを使ってつくった、土俵入りをする力士と太刀持ちなのだが、目をこらして見ていただきたい。「さがり」というか化粧廻しの末端が、ひっくり返した狐の置物なのである。脚が亀の置物であるのもよいが、この狐の使いかたはすばらしい。神様の眷属を象った像にこの扱いは…とも思わなくもないが、まあ、お狐さんも、これなら笑うだろう。
稲荷と言えば、上の記事を書いたあとに読んだ、『イエズス会宣教師が見た日本の神々』(ゲオルク・シュールハンマー著 安田一郎訳)という本も面白かった。たとえば、以下のようなことが書いてある。
彼らは太陽、月、星に祈ります。彼らは、木、石、蛇、狐、亀、そして最後に、多くの他のものに祈ります。(1565年と1571年のガスパル・ヴィレラの書簡から)
彼らはまたばかばかしい崇拝の対象をたくさん持っています。悪魔がそれを持ってきたかぎりでは、それらを崇拝します。狐を崇拝する人もいますし、蛇、雄牛、鹿、石を崇拝する人もいるからです。これよりもひどい盲目は疑いなくありえません。
西欧中心主義による偏見と言ってしまえばそれまでだが、日本列島に住むひとたちの、ある意味、底が抜けたような自然信仰に対する、唖然とする感じ、畏れのようなものも垣間見えなくもない。「石を崇拝する人」というのも、「丸石神研究家」(?)としてはいいなあ。まあ、西欧にも、キリスト教以前の、巨石信仰はあるんだけれどね。
なお、わたしが、大航海時代の宣教師の記録に注目しているのは、折り紙に関する記述かないかどうかという関心にもよる。それらしきものは見つけてていないけれど、それらを読むうち、カルロ・スピノラと、日本の数学史・天文学史との関わりなども気になってきて、例によって、好奇心は拡散するいっぽうなのであった。
都道府県のマークベスト3 ― 2010/03/11 22:58

東京の自宅の近所に、武蔵野の森公園という公園があり、そこに、「ふるさとの丘」という、全国の道府県の石がその道府県のマークとともに展示されている屋外施設がある。
地域ゆかりの石というのも興味深いが、ここでは、各道府県のシンボルマークに着目し、その、個人的なベスト3を発表したい。
なお、全都道府県のマークは、都道府県市区町村というページでも見ることができる。
1位:北海道
理由:七角形を基本にしているのが珍しい。
「開拓使が使用した北辰旗と、当時着想されていた七稜星のイメージを現代的に表現したもの」(栗谷川健一氏デザイン 1967年制定)ということで、描きかたも公開されている。正七角形は、定規とコンパスでは作図できないので、その描きかたにも、「大円の円周を点Aを起点として7等分した点をそれぞれB、C、D、E、F、Gとする」とのみある。分度器を使えということだろう。それも、51.428...度と割り切れないけれど。
北辰旗、すなわち北極星を表す旗は、もとは五芒星で、いまでもサッポロビールや雪印に引き継がれている。また、「当時着想されていた七稜星」というのは、明治の初め、開拓使次官であった黒田清隆の案によるものとのことである。その、採用されなかった七芒星(七稜星)が、1967年によみがえったのは、道旗を制定するさいに、赤い五芒星が、ソヴィエト戦闘機のマークなど、共産圏を彷彿とさせたからではないかと想像する。黒田清隆がなぜ、七芒星を主張したのかはわからない。北斗七星からの連想だろうか。
2位:茨城
理由:らせんが美しい。この写真の石細工では、図と地の太さが異なるが、「正しいマーク」のらせん部分は、ほぼ、蚊取り線香のように、自己補対になっている。
「ばらを基本モチーフに、開き始めたばらのつぼみをダイナミックに象徴化」(永井一正氏デザイン 1991制定)したものとのこと。
3位:福岡
理由:ひとつの輪が、宝結び的に図形を描いているさまは、国際あやとり協会(International String Figure Association)の会員(最近復帰した)としてはずせない。聖ヨハネの腕、聖ハンス十字の五角形版とも言える。
「県の花"うめ”を形どり、県の発展と県民の融和を表しています」(1966年制定)とのこと。左周りと右周りが考えられる。どっちが右か左かは定義にもよるが、このマークは、五カ所を「左に」ねじったと見るのが自然だ。道真は右大臣なのに。
次点:青森と静岡 地図を抽象化した2県。
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