丸石神その24 - 21年後の増刷2009/11/15 18:49

『石にやどるもの』
 21年経って増刷された『石にやどるもの 甲斐の石神と石仏』(中沢厚著)を購入した。復刻版・新装版と思っていたが、ごく普通に増刷というところに、逆に感動した。「1988年12月12日初版第一刷 2009年10月30日 初版第二刷」という奥付がすばらしい。
 知らなかったが、この本には、先日甲府の古書市で見つけた『山梨県の道祖神』がまるまる一冊再録されていた。惜しいと思っているのではない。『山梨県の道祖神』オリジナルには、巻末の出版紹介で、『甲斐の落葉』とするところを『甲斐の葉落』とするなど、見所も多いのである(なんだそれ)。
 しかし、この21年ぶりというのは、丸石神はやっぱり「きている」のか?
丸石は台石上に置かれていても野草にうずもれていても、ただそれだけの丸石だけに尊く美しいと見る。葉もれ日をうつすときも雨にうたれてあやしく光るときも、この神々しさ、この美しさに勝るものが他にあろうかとさえ思います。その造形の平凡さのもつ奇態の美しさを何と表現していいのか私は知りません。
『丸石神の謎』(中沢厚)から

 というわけで、中沢さんの丸石神への惚れ込みかたは尋常じゃない。そして、研究者として、息子の中沢新一さんとも義理の兄弟の網野善彦さんとも、立ち位置が異なっているひとで、文体も含めて、なんとなく宮本常一さんを彷彿とさせるところがあった。

 なお、同書には、丸石神の写真もさまざま載っているのだが、「丸石神の謎」という章の冒頭に、長沢集落の丸石神が取り上げられているのが、友人を紹介されたようでうれしかった。
 また、信濃の丸石で触れた生坂村のものに関しても、「今成隆良氏から、(略)生坂村に三カ所の丸石道祖神があると御教示いただいた」との記述があった。

コメント

_ grauke ― 2009/11/19 00:18

 こんにちは

 丸石神は表面も磨きあげられているのでしょうか。
実際に拝見したいです。お月様みたいですね。

 先日、タイ旅行の記念に海のきれいな石を選んでいたら、現地の
ガイドさんに「石にはやどるものがあるから、そうそう拾って帰るもの
ではないわよ」と言われました。でも、子どもの時に川で拾った石に
絵を描いた楽しさも忘れられないのです。

_ 亀子 ― 2010/10/04 19:48

はじめまして。鎌倉市のキリシタン遺物を探している亀子です。
いま、丸と三角について、資料を集めております。
この丸石は四角い台に乗っていますが、四角とセットでいつもあるのでしょうか。こちらのサイトの写真で、十字模様のある台座に載っている丸石を見ると、気になります。
鎌倉市や横浜市には力石という大石が町内ごとにあったりします。
神社や辻におかれていて、まんまるではありませんが、陸亀のような大石で、成年たちの通過儀礼のように、持ち上げるもののようです。

_ maekawa ― 2010/10/04 23:30

丸石神は、かならずしも四角い「台」の上に乗っているものではありませんが、そうした形式のものが多いです。天円地方の象徴性(天を円とし、地を四角とする)の影響も推測していますが、○と◇は、かたちとしての普遍性がありますから、そういうかたちになるのは、もっともなことかな、とも。人工丸石は、五輪の塔をつくっている石工がつくるので、五輪の塔から、下部の水輪(球)と地輪(直方体)を抜き出したものになる、ということもありそうです。

力石は、丸石神と関係があるかもしれません。
(参照:http://origami.asablo.jp/blog/2008/01/28/2583867
上記は、以前、鶴見川流域に点在する杉山神社を探索(?)したさいに見つけたものです。(力石は、他の杉山神社にもありました) 相模、武蔵に多いのかもしれない、とも思いました。

_ 亀子 ― 2010/10/10 12:58

ありがとうございました。杉山神社の力石と三重の丸石道祖神もみて来ました。力石って、とても中世の農村風で好きです。横浜市栄区の普通の道路沿いにあって、なんだか。同じ地面に立っている現在と過去を思います。

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