円い対馬とホムンクルス2009/11/15 18:54

『なぜ対馬は円く描かれたのか』
  『なぜ対馬は円く描かれたのか-国境と聖域の日本史』(黒田智著)の表紙に目がとまった。その島のかたちはまさに円く、五島列島の久賀島(折紙という地名のあることで、個人的に縁のできた島である)にしか見えないかたちなのであった。
 この円い対馬は、14世紀朝鮮でつくられた『海東諸国記』という書物にあるもので、詳しいことは同書(『なぜ対馬は円く描かれたのか』)を読んでもらうとして、つまりは、浅茅湾の部分が強調されたかたちである。

 地図が物理的な距離を反映させずに、情報の多寡や心理的な距離を反映させるものとなっているのはよくあることだが、この種の古地図の「歪み」を見ると、わたしはいつも、体性感覚を脳皮質の面積に対応させて表現した、くちびるや手が巨大になっている人形、いわゆる「ペンフィールドのホムンクルス」を思い浮かべる。

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