六角数と「充填六角数」2009/11/04 23:23

六角数と「充填六角数
 電波望遠鏡の受信機監視モニタ(図・上)の設計をはじめた。この受信機は、素子の真ん中が抜けている。
「なんで真ん中が抜けているのですか」と訊いたところ、
「グループにしたものを組み合わせているからです」との答えがあり、
 図・中段左のようになっているのだろう、と理解した。つまり、これは、「三角形のグリッドに乗った点からなる正三角形」を6つ組み合わせて、各点がまた三角形のグリッドに乗るような六角形をつくるにはどうするか、というパズルのようなものなのである。
 それは、図・中段左のように真ん中が抜けるか、図・中段右のように対称性が崩れるかたちになる。

 なお、一般的なデジタルカメラのCCDの配置は直交グリッドになっている。富士写真フイルムに「スーパーCCDハニカム」というものがあるが、これも六角形や三角形のグリッドではなく、八角形を1列ごとにずらした直交グリッドのバリエーションである。
 また、モアレ的なノイズを排除するために、素子を非周期的・準周期的な配置にするのも面白いとも思ったが、それは難しいらしい。

 さて。以上は前置きで、ここでの「本題」は、以下のようなことである。
 上の例で真ん中に穴が開くことからもわかるように、正六角形状に点を配置した場合、その点の数は必ず奇数になる。これがちょっと面白いなあと思ったのだ。家紋の「七曜」がこれにあたる。「七曜」は、七つの同じ大きさの円を並べたかたちだが、全体のかたちは六角形である。
 三角数、四角数(平方数)があるように、六角形に並ぶ点の数1、7、19、37、61、...を、六角数と呼んではどうだろうかとも思った。しかし、六角数というのはすでにあって、前の六角数を含む、ひと周り大きい六角形になる最小の点の数のことなのであった(図・下段左)。
 わたしが六角数なのではないかと思った数は、点がぎっしり詰まっているので、「充填六角数」などと呼んだらどうだろう。(図・下段右) 1、7、19、37、61、...。三角数×6+1という値である。そして、こう並べて、一瞬、これは素数列かと思ったのだが、61の次は91で、これは7×13なのであった。