「√5系」折り紙2010/03/21 19:22

「√5系」折り紙
 1対2の長方形の対角線にあたる折り目は、ある角度の何等分といったものにはならないので、折り紙作品ではあまり使われていないが、けっこう面白いなあ、というのが、昨日から今日にかけて収穫である。

 手元に資料がないので、既存の造形かどうかは確認できていないが、けっこう完成度が高いぞ、というものが、写真のモデルである。写真左上は、既存ではないとして(ありそうなんだけれど)、「バンデージ・キューブ」と名付けた。包帯を巻いたようだからである。日本語では、立方体ならぬ、「立・包帯」である。そして、写真右上は、名付けて、「六面ピンサイコロ」。写真左下はそのパーツで、差し込んだひだにもスリットがあって、別のひだが差し込まれるという、ちょっと面白い組みかたになる。
 このふたつのモデルの正方形の面積は、用紙の1/5になる。つまり、長さは1/√5になる。なぜそうなるかというのを示したものが、右下の図だ。

コメント

_ おなが ― 2010/03/24 09:36


「六面ピンサイコロ」はパーツは違うけどルイスサイモンさんの「くす玉鉛筆立て」(折り紙、永岡書店)とそっくりですね。パーツが違ので創作と思いますが。

_ maekawa ― 2010/03/24 16:59

パーツの構造に意外性があるので、案外だれもやっていないだろう、というものはあるのですが、純粋に幾何的な作品は、「既存かどうか」は気になりますねえ。
似ているのは、根にある幾何学が普遍的だからということでしょうね。

_ katou ― 2010/03/26 21:01

左上の立方体のパーツは1/5にたたむと両面に平行四辺形が表れる(裏表反転)折り方だと思いますが、表面の幾何学模様は変形バージョンが考えられますね。笠原先生のキューブをまねして折ってみた事があります。

_ katou ― 2010/03/27 13:09

今日届いた「おりがみ」417号にレインボーユニットとして芳賀先生が掲載されたいました。(右上と写真左下のパーツ) 昨日このブログで、そして今日とほとんど同時なことにビックリ!

_ maekawa ― 2010/03/29 13:39

 ほとんど同時でまったく同じとは、びっくりですね。わたしが思いついたのは、ほんの2週間前なので、芳賀さんのほうにプライオリティーありということだなあ。

_ tanaka ― 2010/03/29 21:02

そのパーツ自分もつい最近試してました。
(インサイドアウト面が隠れるように使ってましたが…)

_ Jun ― 2012/02/26 03:53

この「レインボーユニット」、芳賀和夫(作)として1978年5月1日発行の「アイデアいっぱいおりがみシリーズ ユニットの世界」(笠原邦彦編集 株式会社サンリオ発行)に掲載されています。34年前ですね。いくつか派生系も紹介されています。今日この本を久し振りに手にとって、検索したらこちらにたどり着きました。

_ maekawa ― 2012/02/27 12:55

そんなに前に先例があったとは。しかも、同書は見ているはずです。再発見ですらなく、忘れていたものを思い出したということだとしたら、記憶力に不安がでてきます。

ユニット折り紙は、構造や発想が明快なほど、先例があるのじゃないかと気になります。できるかぎり確認はしますが、『折り紙探偵団』に描いたものも、先例があっても不思議がない気がしてきました。

曖昧な記憶と言えば、震災に関連してふと思い出したのですが、どこにあったのか確認できない文章があります。たしか安部公房さんが、次のようなことを書いていたのです。先日、書庫をあたったのですが、見つけることができませんでした。

「ひとはしばしば、ある種のスペクタクルとして、テレビの前で、災害の観客になる。しかし、そうはいかないときもある。目の前のテレビも壊れる災害のときである」

災害ではなくて、戦争と全面核戦争のことだったかもしれません。

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