円城塔さんと「意外なところに折り紙が!」論文2012/01/18 23:02

昨日、「意外なところに折り紙が!」という論文について触れたが、またもちょこっとシンクロニシティーというか、昨日芥川賞に選ばれた円城塔さんが、何年か前のインタビューの中で、 Michel Mendès Franceという数学者による『折り紙統計力学』(1984)という変な論文があると話していたことを思い出した。へぇーと思っただけで、入手もしていないけれど、なんか読みたくなってきたような… (なお、円城さんは「折り紙統計力学」としていたが、原題には、Statistical MechanicsではなくThermodynamics - 熱力学とある)
01/26追記:論文の著者名が間違っていたので訂正

円城塔さんの芥川賞受賞作『道化師の蝶』は、飛行機の中で読むのに向いた本ということが作品のひとつのモチーフになっているらしいが、先月わたしは、円城さんの『これはペンです』を飛行機の中で読んだ。あれも、飛行機内に向いた小説だったような気がしないでもない。

水晶の錐面2012/01/18 23:09

水晶
イタリアで、フランス折り紙協会(MFPP)のViviane Bertyさん、Alain Georgeotさんらから、水晶をプレゼントされた。前川は幾何的な造形が好きだから、ということらしい。思えば、水晶(石英の自形結晶)を、まじまじと見るのは初めてだ。磨いたところもあるみたいだが、ほぼ自然のままのようだ。

角錐状の部分は、おおざっぱに言って四角錐になっているように見えた。つまり、六角柱の鉛筆を削って四角錐にしたようなかたち(図左)である。

しかし、三方晶系のα石英の界面は、錐面の部分も三回回転対称の格子にしたがうはずである。いろいろと考えて、これは、図中央のような典型的な水晶の三回回転対称構造の三つの三角形の面のうち、ひとつが大きくふたつが小さい(図右)ために、図左のようにも見えるのであろう、と納得した。結晶の六角柱部分が正六角形になっていないこともあって、かたちの見立てが狂ったのだ。