『大吉百福』2012/01/01 21:03

『大吉百福』
あけましておめでとうございます。
以前、このブログで触れたことがあるのですが、いせ辰の江戸千代紙『大吉百福』です。
クリックすると、拡大できます。

さて。折鶴を折っているお多福さんはどこにいるでしょうか?

鼻毛2012/01/02 12:56

鼻毛
世田谷区の某所で壮大な鼻毛を発見した。
バカボンのパパの鼻の下のスジはヒゲであるということらしいが、これは、みごとな鼻毛である。

『麒麟の翼』の折鶴 など2012/01/04 19:55

一昨日映画館で観た『麒麟の翼』(東野圭吾原作 土井裕泰監督)の予告編に、血染めの折鶴がでてきて、おっと思い、原作を未読だったので、買って帰り、読んだ。

原作に血染めの折鶴はでてこなかったが、千羽鶴が重要な小道具として使われていた。また、作中に店名の記述はないが、三越から小伝馬町方面に行ったところにある和紙の店・小津和紙が描かれていた。検索してみると、小津和紙さんのブログでも、この件がとりあげられていた。(原作発売直後と、映画ロケ後
この作品は、いわば、日本橋のご当地ミステリなので、高島屋の近くにある和紙の老舗「はいばら」(現在、地域再開発中で仮店舗での営業らしい)は、ちょっとくやしかったかもしれない、などと思った。

銀座・日本橋近辺に行ったさいは、小津和紙、はいばら、鳩居堂、伊東屋、丸善をハシゴする(すくなくともその数軒には行く)が定番だったのだが、思えば、小津和紙さんには(はいばらさんにも)何年も行っていない。(先日、妻に買い物を頼んだけれど) 今度また行ってみよう。

なお、『麒麟の翼』での折鶴の使われかたは自然だった。紙のサイズという折り紙者がニヤリのトリヴィアもある。映画にもでてくるだろう。

映像作品にでてくる折鶴と言えば、TVドラマの『南極大陸』での千羽鶴の描かれかたは、ちらちらと観ただけなのに、違和感がとても強いものだった。1950年代の千羽鶴なら、使う紙は、煙草の包み紙や包装紙等の再利用にすればよいのに、15cmの「いろがみ」で折っていた。また、仕上げが羽根を閉じたかたちになっていたが、わたしの記憶にある千羽鶴(1960年代)は、羽根を広げているもので、羽根を閉じて(さらには頭の中割りをせず)ぎっしりと詰めるのは、案外、最近の習慣である。折鶴の他にも折り紙モデルが映っていたが、1970年代以降の創作であるロバート・ニールさん(ロバート・ハービンさんという誤記を修正)の「ふきごま」がでてきたのは、完全にバツだった。ドラマなので、それらしいリアリティーでよいのだが、このドラマは演出全般(といっても全体の10%ぐらいしか観ていないのだが)にどこかずれた感じがあり、それが折り紙という小道具にも顕れている印象を持った。

卍と北斗七星2012/01/05 22:34

イタリアにいったさい、パルマ考古学博物館(MUSEO ARCHEOLOGICO NAZIONALE DI PARMA)で、卍模様のタイルを見た。ナチス登場前のマイナスイメージのない時代の卍である。本ブログの記事から交流ができた卍紋様の研究者・植村卍さんに写真を送ったところ、イタリアは詳細を調べていない地域で、氏もこれは未見ということだった。

パルマ考古学博物館の卍

パルマ考古学博物館は、エジプトやギリシアの資料もある博物館で、駆け足の見学でもあり、説明もイタリア語ばかりだったので、詳細不明なのだが、たぶん、地元(エトルリア)のものと思われる。

その後、メールのやり取りの中で、植村さんから質問を受けた。植村さんの著書にある、氏の説に関して、同書に載せた図に間違いがないか、ということであった。 その説というのは、日光東照宮などに見られる妙見信仰(北極星、北斗七星を神とする信仰)において、卍がシンボルとして使われることがあるのは、四季の北斗七星が、天に卍を描くからではないか、というものだ。 図に間違いはなく、この説も、ありそうだなと思う。

関連して、北斗七星の位置を、より正確に確認してみたところ、ちょっと面白いことがわかった。

◎地表座標
 日光近辺(北緯36度45分 東経139度30分)
◎年月日
 1630年(東照宮ができた頃)
 日付:春分、夏至、秋分、冬至
 時刻:北中(太陽が子午線上に来る時刻:真夜中)

以上で計算すると、北斗七星が低くなる秋分の日、破軍星(北斗七星の柄の先:大熊座η星)が、ちょうど地平線上ぴったりの位置にあったのだ。2012年でもほぼ同じ位置だが、歳差運動(地軸の首振り)などのため、地平線の下になる。また、土地が異なっても、地平線下になる。京都などではまったくだめで、江戸でもだめだ。実際は山があるので、見えないだろうけれど、これはみごとだ。日光という土地は、陰陽道などでいろいろ計算されて選ばれた土地ということを聞くが、これもそのひとつだろうか。

日光から見た北斗七星の四季

まあしかし、それも偶然かもしれない。偶然は珍しくない。じっさい、今回も、北斗七星に関して、シンクロニシティーじみた話があったのだ。イタリアで最後の夜に泊まったホテルが、かなりモダンなホテルだったのだが、天井の照明がLEDによる北斗七星になっていたのである。

Hotel Mediolanum

北斗七星つながりの話はまだある。近く、神宮前のワタリウム美術館で開催中の『重森三玲 北斗七星の庭_展』を観に行くつもりなのである。「北斗七星の庭」というのは、石で北斗を描く、東福寺の方丈の東庭のことである。

『変格折り紙』2012/01/08 11:03

正十二面体モデル
変格:変格活用の略。
変格:本来の格式・規則からはずれていること。(大辞林)
変格:本格に対する語。戦前、「本格探偵小説論争」において、推理の要素が少ないが「探偵趣味を多分に含んでいる小説」を、甲賀三郎氏が、そう呼んだという。

最近、正方形でない用紙のモデルばかり考えている。年末にできた2011年最後のモデルも、それであった。「不切正方形一枚折り」的には、「変格」なのだが、幾何学的には「純粋(genuine)」なものを目指している。

まずは、正六角形を対称面にして、表裏同等の正十二面体をつくってみたものだ。なんでいままで試していなかったのか。六角形の面が見えるように透明素材でつくったが、こうした素材でつくると、影も面白い。

そして、内接する立方体を「見せる」正十二面体である。透明素材でなくても内接する様子が見えることをアイデアの中心にした。6枚組である。同じものを正方形用紙からも折りだすことも試みて、一応できたけれど、どうしても無理矢理な感じになってしまった。

Macの瞳 と 浮かぶ杯2012/01/09 00:54

Macintoshのマークのリンゴの葉っぱが、瞳に見えることがある。

Macの瞳

突然だが、「浮かぶ杯」というトリック写真ならば、簡単にできるだろうと思いたち、試してみたのだが、そんなに簡単ではなかった。そう見えないこともない、というものができたところで、用事ができたので、これ以上はやめた。

浮かぶ杯

「石子順造的世界」と「重森三玲 北斗七星の庭_展」2012/01/09 23:43

昨日今日と、連日で展覧会に行ってきた。
府中市美術館の石子順造的世界展と、ワタリウム美術館の重森三玲 北斗七星の庭_展である。

石子順造的世界

石子順造的世界-キッチュ-

「石子順造的世界」は、つげ義春ファン、丸石神好きとして、外せない展覧会だ。評論家・石子順造氏の足跡に沿って、美術、マンガ、キッチュという三分野の展示があり、マンガコーナーの展示に『ねじ式』(つげ義春著)の原画、キッチュコーナーの展示に丸石神の写真とくるのだ(写真)。それはそれでうれしかったのだが、言ってみれば、「あるとわかっているものを確認しにいく」かたちだった。が、美術コーナーにちょっとしたふいうちがあった。石子さんらが作家選考をした1968年の「トリックス・アンド・ヴィジョン」展の一部が再現されていたのだが、そこに…

「まさか こんな所に 堀内正和が いるとは 思わなかった」

ということで、わたしが最も好きな彫刻家・堀内正和さんの作品があったのだ。
(野暮を承知で付言すると、上は、『ねじ式』の冒頭「まさか こんな所に メメクラゲが いるとは 思わなかった」のパロディである)

石子さんは、評論を読むと、わたしとはかなり違う思索をするひとなのだが、堀内正和、つげ義春、丸石神など、どこか嗜好が似ている、と再認識した。というより、わたしが石子さんから影響を受けたということなのだろう。

なお、展覧会の図録は、驚くほどコストパフォーマンスが高い文献になっている。300ページ余・2000円、カラー多数、『ねじ式』原画写真収録である。

そして、重森三玲展は、偶然出会った東福寺方丈の庭に魅せられ、北庭の写真をずっとコンピュータの壁紙にしている者として、やはり外せない展覧会だ。

デスクトップ-東福寺方丈北庭-

東福寺方丈北庭(小市松の庭)は、世人の認める氏の代表作なのだろう。喫茶室には「小市松ケーキ」なるものもあり、おいしくいただいた。

重森三玲展-小市松ケーキ-


13日の金曜日2012/01/11 20:18

明後日は、13日の金曜日だ。ある日が何曜日なのかは、長い年月でみれば、ほぼランダムになるので、13日が金曜日である確率は、だいたい1/7になる。平均して7ヶ月に1回はあるということだ。ただ、じっさいにはランダムではなく、パターンが繰り返される。グレゴリオ暦がそのまま続くとして、細かく計算してみると、0.1433..と、1/7≒0.1428よりやや高い。月別で見ると、「1、3、4、5、7、11月」が高く(0.1450)、「2、6、9、12月」(0.1425)、「8、10月」(0.1400)の順になる。今年は、1月、4月、7月の三回ある。

なお、アポロ13号の事故を、4月13日金曜日とする記述を見たことがあるが、1970年4月13日は月曜日である。

天文学論文のオリガミ など2012/01/17 21:34

『オリガミ:相空間の折り畳みを用いてハローを説明する』(Bridget L. Falck他)という論文のドラフトがでたことを、職場のOさんから教えてもらった。
六次元の相空間における平坦折りを用いて、宇宙の物質分布の大規模構造 - とくに、銀河周囲のハロー - を説明する、というような論文である。と書いてみても、なんのこっちゃという感じだけれど。
参考文献に、トム・ハルさんやロバート・ラングさんの論文、第三回折り紙の科学国際会議の議事録などがあがっていた。折り畳み対称性が、じっさいにどういう物理プロセスに対応しているのかは、わからない。

関係ないけれど、ついでに、最近見つけた、サイエンス出版物の中の折り紙っぽいヴィジュアルも、ふたつ紹介しておく。

『nature』12月22日号 の表紙が、テープを折り畳んで「10」という数字を表すものだった。Carl Detorresさんというデザイナーによるものだ。10という数字は、2011年に話題になった人物10人を示すもので、そのなかのひとりに、衆議院厚生労働委員会で、参考人として政府の除染対策の遅れを厳しく批判した医学・生物学者・児玉龍彦さんが登場していた。

『日経サイエンス』2月号の『数理モデル妄信は禁物 - 金融危機はなぜ予測できないのか』という記事(元の記事は『Scientific American』2011年11月号)のヴィジュアルが、ドルでできたロケットが墜落するというもので、折り紙的なデザインだった。こういう仕事をたくさんしているジェセフ・ウーさんによるものかと思ったのだが、カイル・ビーンさんというひとの仕事だった。ビーンさんのサイトにある、卵の殻でできたニワトリ、携帯電話のマトリョーシカ、マッチ棒でつくった昆虫など、どれも面白い。えーと、金融工学の記事の中身はまったく読んでません。

円城塔さんと「意外なところに折り紙が!」論文2012/01/18 23:02

昨日、「意外なところに折り紙が!」という論文について触れたが、またもちょこっとシンクロニシティーというか、昨日芥川賞に選ばれた円城塔さんが、何年か前のインタビューの中で、 Michel Mendès Franceという数学者による『折り紙統計力学』(1984)という変な論文があると話していたことを思い出した。へぇーと思っただけで、入手もしていないけれど、なんか読みたくなってきたような… (なお、円城さんは「折り紙統計力学」としていたが、原題には、Statistical MechanicsではなくThermodynamics - 熱力学とある)
01/26追記:論文の著者名が間違っていたので訂正

円城塔さんの芥川賞受賞作『道化師の蝶』は、飛行機の中で読むのに向いた本ということが作品のひとつのモチーフになっているらしいが、先月わたしは、円城さんの『これはペンです』を飛行機の中で読んだ。あれも、飛行機内に向いた小説だったような気がしないでもない。