「石子順造的世界」は、つげ義春ファン、丸石神好きとして、外せない展覧会だ。評論家・石子順造氏の足跡に沿って、美術、マンガ、キッチュという三分野の展示があり、マンガコーナーの展示に『ねじ式』(つげ義春著)の原画、キッチュコーナーの展示に丸石神の写真とくるのだ(写真)。それはそれでうれしかったのだが、言ってみれば、「あるとわかっているものを確認しにいく」かたちだった。が、美術コーナーにちょっとしたふいうちがあった。石子さんらが作家選考をした1968年の「トリックス・アンド・ヴィジョン」展の一部が再現されていたのだが、そこに…
「まさか こんな所に 堀内正和が いるとは 思わなかった」
ということで、わたしが最も好きな彫刻家・堀内正和さんの作品があったのだ。
(野暮を承知で付言すると、上は、『ねじ式』の冒頭「まさか こんな所に メメクラゲが いるとは 思わなかった」のパロディである)
石子さんは、評論を読むと、わたしとはかなり違う思索をするひとなのだが、堀内正和、つげ義春、丸石神など、どこか嗜好が似ている、と再認識した。というより、わたしが石子さんから影響を受けたということなのだろう。
なお、
展覧会の図録は、驚くほどコストパフォーマンスが高い文献になっている。300ページ余・2000円、カラー多数、『ねじ式』原画写真収録である。
そして、重森三玲展は、偶然出会った東福寺方丈の庭に魅せられ、北庭の写真をずっとコンピュータの壁紙にしている者として、やはり外せない展覧会だ。
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