折鶴四面体2011/12/05 22:08

折鶴四面体
第11回折り紙の科学・数学・教育研究集会で、世話人をつとめた。示し合わせたわけではないのに、「移動する折り目」の話が何件かあった。面が剛体(歪まない板)で、折り目が蝶番の場合などに、身動き取れなくなってしまう折り目は多い。折り目を徐々に移動することで、それを回避するのである。

それぞれの発表も興味深かったが、「移動する折り目」のひとつである『多面体を提灯風に折りたたむ』という発表をされた奈良知惠さんが、発表のマクラに使った話が、個人的にもうれしかった。

日本折紙学会のページの背景に、折鶴の敷き詰め模様が使われているが、これは、わたしのデザインである。奈良さんは、このデザインのようなp2対称の模様が四面体化できることを使って、じっさいにこの折鶴模様を四面体化したものを持ってこられたのである。

これは、鳴川肇さんによる、画期的な世界地図・オーサグラフの原理と同じものだ。なお、四面体を切り開いたかたちが平面充填形になることは「秋山の四面体タイル化定理」と呼ばれるようだ。伏見康治・満枝著『折り紙の幾何学』の冒頭にも、同様の話 - 四面体スタンプを転がすと繰り返し模様ができる- がある。

…ということを書いて、いままさにアップロードしようとしたとき、同会に参加していた三谷純さんからも、これに関する記事を書きましたというメールがあった。彼のものは鶴が二羽のパターンになっている。なるほど。

イタリア折り紙協会コンベンション2011/12/14 21:53

C.D.O.(イタリア折り紙協会)のコンベンションに参加してきた。ヴェトナム出身のアメリカ人・Gian Dinhさん、フランスのPaul Hassenforder さんとともに、ゲスト作家として招待されたのである。

金曜夜にあった紙の衣装のファッションショーは、この分野の第一人者のひとり・Hassenforderさんや、メキシコで折り紙衣装をつくっているLeticia Cruz Santosさんの参加もあって、見応えがあった。宴会芸的なものもあるけれど、ほとんどが本気のもので、ファッションの町として有名なミラノに近い会場での会に相応しかった。モデルは、みんな普通(?)の折り紙愛好家だけれど、スタイルがいい。

CDOファッションショー

土曜夜は、なんと早朝4時まで続いたゲームがあった。わたしは途中で脱落した。イタリア語がわからないと冗談もわからないし…。ネタのひとつに、「折り紙のペンギンの中に尼僧が混ざっていて、これを区別する」みたいな話があった。写真はそれに関連する展示である。拡大部分のように、さまざまな作家のペンギンの中に尼僧がいる。写真の人物は、失言の多い政治家(ベルルスコーニではない)とのこと。
ペンギンと尼僧

最後の写真は、会の最後の日の朝、ふと思いついてできた、イタリアの三色旗でつくった薔薇である。用紙は、プリンタでプリントしたものである。

イタリアの薔薇

コンテストもあり、テーマは「OrigA4mi」つまり、A4用紙からの作品だった。『本格折り紙√2』という本を出版している者として、思いついて不思議はないのに思いつかなかった作品もあって、刺激をうけた。

ほかにも盛りだくさんの会で、報告は『折紙探偵団マガジン』にも書く予定である。

イタリアで見つけたものなど2011/12/20 12:56

12月11日、折り紙コンベンション終了後の夜、会場から近いパルマの町を歩いた。クリスマスイルミネーションがきらめき、多くの露店が並ぶ中、しとしとと雨も降っていたのに、楽しそうな老若男女で賑わっていて、経済状態最悪の国という雰囲気を感じ取ることは、まったくできなかった。広場には、直径20mほどの仮設のフラードームがあった。金属の骨組みの上にシートをのせたもので、中では、クリスマスの飾りや来年のカレンダーなどが売られていた。
Parma

パルマの雑貨屋さんで、折り紙をかたどった陶器を発見した(同様のものはアメリカのSakamotoさんが見つけてきたものを持っている)。また、ミラノの本屋さんでは、折り紙をあしらった栞や封筒をもとめた。これらの物や、コンベンションの雰囲気からも、折り紙が、エキゾチックな日本の文化というようなものではなく、彼の地にしっかりと根付いた文化としてあるということを、あらためて感じた。

パルマのショウウィンドウ

封筒など(ミラノの書店)

会場のホテルは旧い建物だったが、照明の多くがLEDか蛍光電球に変えられていた。原子力発電所を拒否した国ならではということだろう。

ホテルと、パルマ市中心の宮殿で、丸石を発見した。(丸い石というだけだけれど)

イタリアの丸石

丸とくれば、三角で、ミラノ中央駅の正面には、巨大な正四面体があった。
ミラノ中央駅

丸、三角とくれば、すこし前にこのブログにも書いた仙厓義梵の「○△□」が思い浮かぶが、コンベンションでのGian Dinhさんのプレゼンテーションに、禅の話にからめて、まさにその話があり、シンクロニシティー(偶然の一致)みたいなものを感じた。なお、パルマの町は、ピアチェンツァという町に住んでいる姪夫婦に案内してもらったのだが、彼等がすこし前から会場に近い町に住んでいたのも偶然で、わたしは偶然に恵まれている。

帰国後の土曜日、有楽町と銀座に出かけたのだが、ミラノやパルマ以上のたいへんな人出で、ここも、どこが不景気なのかわからなかった。まあ、そもそもわたしには、町の様子で経済状態を感じ取るような眼はない。それよりも、都会に住んでいると、細菌やウィルスにさらされて免疫力が強くなるんだろうな、なんてことのほうを強く思った風邪気味のわたしである。

ブロッコロ・ロマネスコ2011/12/21 23:20

ブロッコロ・ロマネスコ
神あまたやどれる細部のかたまりのブロッコリーを塩ゆでにする
『鈴を産むひばり』(光森裕樹著)より

フラクタル図形の見本のような野菜、ブロッコロ・ロマネスコを食べた。何度か見たことはあったが、食べたのは初めてだ。
ロマネスコ(ローマ風)という名前のようにイタリア原産らしいのだが、イタリアで食べたのではなく、先日、銀座熊本館で見つけた熊本産である。

折鶴による球面2011/12/24 19:53

折鶴タイル
奈良知惠さんによる、エッシャー式の折鶴タイルを使った四面体のことを書いたが、関連した「作品」を紹介したい。以前『をる』に載せてもらったことがあるけれど、もともとは、誰に見せるという目的もないまま、20歳ごろのわたしがつくったものだ。

折鶴による球面である。左下はピンポン球に着色したものだが、右下は、木を削り出してレリーフ状にしてある。日本折紙学会の壁紙の元になったパターン(左上)や、このブログのタイトルとは、また違ったパターン(右上)が基本になっていて、図の青い格子を使って正八面体化して球面に投影したものが左下の球、赤い格子を使ったものが右下の球である。

ティーバッグのトナカイ2011/12/24 19:56

ティーバックのトナカイ
賃貸不動産会社・レジデントファーストのサイトで、「ティーバッグのトナカイ」の図が公開されています。

阪急三番街の「二隻一双の龍」2011/12/29 09:18

阪急三番街の「二隻一双の龍」
29日から関西地方でオンエアされる阪急三番街の冬のバーゲンTV-CMに、わたしの「二隻一双の龍」という作品が使われている。

二隻一双(ワンペア)の金屏風が折り畳まれ、龍になって天に昇るというCGで、細部もじっさいの折り紙作品に即して製作されている。ポスターなどにも使われているので、関西のかたは目にする機会があると思う。

上記ページには図も掲載されている(ちょっと解像度が粗いけれど)

『奇面館の殺人』2011/12/31 09:46

『奇面館の殺人』
発売(1月6日)よりすこし前なのだが、綾辻行人さんから、『奇面館の殺人』をご恵贈いただいた。読みかけの本を中断し、年末の一日、「探偵小説」の雰囲気に浸った。

夏に、同書を執筆中の綾辻さんから、折り紙に関する質問があり、それが生かされていた。