『千代紙 折紙』2011/02/06 22:22

 ひとつ前の記事に書いたように、『数(日本の名随筆89)』の一編を再読したのだが、『日本の名随筆』というのは、『日本の名随筆』(本巻)『日本の名随筆・別巻』の各百巻からなるアンソロジーシリーズである。1980年代から1990年代に編まれたもので、本巻は『花』『鳥』など一文字、別巻は『映画』『骨董』など二文字のタイトルがつく。
 このシリーズで、既に持っていたものは、『紙』『数』『石』『野球』であった。『石』は最近買ったものだ。われながら、たいへんわかりやすいラインナップだと、笑ってしまった。
 昨日、本巻の『宙』『藝』、別巻『星座』を入手した。『藝』をもとめたのは、ウェブのリストを見ていて、『千代紙 折紙』(芝木好子著)という一編があることを知ったためである。芝木さんが河合豊彰さんを訪ねた話が記されていた。
なにごとにせよ、初めに創り出すことが大変であり、意義があるのは言うまでもない。模倣は少しも苦労ではない。河合氏は今の具象から次第に抽象へゆきたいと考えているそうである。しかし、どの道一枚の四角い色紙のなかからあらゆる可能性を引出して、一つの造形のゆきつくのだから、新しく生まれたものを手にする時の思いは格別だろう。
(『千代紙 折紙』芝木好子著  『杏の花」1977より)

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