ひび割れ模様2009/01/15 01:32

ひび割れ模様
 生物の模様と言えば、生物化学者・近藤滋氏が、アラン・チューリングの反応拡散波による模様形成の理論を実証したというニュースが何年か前にあった。
 近藤氏は数年前に再刊された『キリンのまだら―自然界の統計現象をめぐるエッセイ』(平田森三著)にも解説を寄せていたが、そこで、キリンの模様がひび割れ現象の結果であるという説は直接は否定されたが、チューリングの理論に、いわば止揚されたのである、という旨のことを書いていた。
 なお、手元にこの本がないので、細部は確認していないが、マスクメロンの模様というのは、じっさいに「ひび割れ」だということも書いてあったはずである。
 写真は、7・8年前に撮って、わたしのPCの中にあったマスクメロンのアップと、うちにあった貫入模様(ひび模様)の茶碗(茶渋もついているねえ)、そして、東京目黒区某所の道路(Google Mapから)のパターンである。これらのパターンに共通する特徴は、線がほぼ直角になっているということである。

コメント

_ kawacho ― 2009/01/15 21:38

http://www.complexification.net/gallery/machines/substrate/index.php

ひび割れ模様を自動的に生成して描写するコンピューテーションアートです。
毎回結果が違うので楽しめると思いますー

_ Joker ― 2009/01/15 22:55

 大学時代、友人が色々な距離(例えば、京都距離とか)で、ボロノイパターン作って遊んでいたことを思い出しました。ただ、ひび割れは、あとからできたひび割れが、さきにできたひび割れにぶつかって止まるので、ボロノイ分割とはちょっと機構が違うんですよね。

 反応拡散。初耳でした。この間水族館へ行き、河豚の背の模様の多様さに感動したばかりなのですが、エアを噛んだビニルシートでこういうパターン見たことあるなあとか、高校時代ビデオフィードバックフラクタルの実験をして遊んでいたとき、縮尺1/1付近でこういうパターンになったよなあとか、色々思いながら、でもどういう訳で河豚がこの模様を採用したのか分からずに、不思議に思っていました。
 http://www.bio.nagoya-u.ac.jp/seminar/z3.html
 ここの魚の模様がまさにそれです。反応拡散で説明がつくのですね。ベロウソフ・ジャボチンスキー反応の、アルキメデス螺旋っぽい模様も再現できていて、意外なつながりに驚きました。
 http://www.bio.nagoya-u.ac.jp/~z3/research/rd_sim.htm
 ここでも、ちょっと遊んでみました。

 かつてビデオフィードバックフラクタルについては色々遊んだのですが、そこから派生して、こんな遊びもやっていました。ビデオとテレビ二台ずつ用意して、ビデオAとテレビBを、ビデオBとテレビAを向かい合わせ、接続はA同士、B同士と繋ぐ。部屋を暗くして、ライターなどで光を入れると、人魂ができる。この人魂、テレビ画面の前に手をかざして、つかんで動かすふりをすると実際に動くので、面白かったです。余談でした。

_ maekawa ― 2009/01/16 13:00

 Tarbellさんのコンピュータによるひびわれ絵、美しいですねえ。パウル・クレーをほうふつとさせます。

 ビデオフィードバック(合わせ鏡のビデオカメラ版)は、たしか、ズーム機能を使うのがミソなんですよね。わたしの世代は若い頃にビデオというものが身近にありませんでした。80年代後半にハンディビデオを買ったのですが、ズーム機能がなくて、ビデオフィードバックの話を聞いたときも試すことができず、残念だったという思い出があります。

 どちらも、テクノロジーの普及が「アート」にも影響を与えた、という話なのかもしれません。

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