立方体シリーズ ― 2008/11/17 12:35
N「そうそう。折り紙関連のことはしているのに、じっさいに折るのは久しぶり」
とまあ、これでいいのかという某折り紙創作家同士の会話であるが、名古屋コンベンションの講習作品の資料をつくった派生物として、M氏(ってつまりわたしだが)も、この3日ほどで新作をつくったのであった。一連のシリーズものだけれど。
「組みあげると薗部式カラーボックスにしか見えない、ぎっしり詰まって何もはいらない箱 その2」(写真左上:長いタイトルだ)と「四枚組・体積のない立方体」(写真右上)、「二枚組…じゃなくて、二枚置き・ユニット立方体」(写真下)などである。最後のものは会場でできたもので、N氏(って西川誠司さんだけれど)との合作みたいな感じである。そしてこれは、コンベンションの全体会で近くの席に座っていた初参加の小学6年生Yくんが、見ただけで再現(いわゆる「にらみ折り」)していたのであった。すばらしい。たぶん、「正方形の対角線なので√2がどうのこうの」という知識はないのにできてしまうのである。ほかにも初参加の中学1年生・Kくんなど、折り紙新々世代も後続着々で、折り紙の将来は明るいのである。理科・数学離れとか言っているけれど、そっち方面の未来も暗くはない。たぶん。
なお、折紙新世代にして箱根細工職人(見習い)のKさんは、「前川さんの創作パターンが読めたかも」みたいなことを言っていた。「読めたぞ。ふっふっふ」というほどたいしたもんじゃなくて、見え見えだけれど。
地球星座 ― 2008/11/18 00:34
さて。写真は、長崎平和公園にあるポール・グランランド氏の彫刻「地球星座」である。七つの大陸を表現する七人の人間ということだが、ここではそのテーマ性よりも幾何学を考えてみたい。
よく見ると手足は繋がっていないところもある(繋げることは可能である)が、これを対称性をもって繋ぐにはどうすればよいか。7人ということから、連想するのは14という数字だ。立方八面体(△8、□6)やケルビンの多面体(□6、六角8)、切頭立方体(△8、八角6)は、14の面を持つ。菱形十二面体もきれいな立体だが、これは立方八面体の双対なので頂点の数が14になる。しかし、これらの適用は、ちょっと考えただけで挫折した。14と7の違いは大きく、どうもうまく使えないのである。
7という数はそのまま面の数として考えるべきなのだ。人体を4つの頂点を持つ四角形と考えれば、立方体(六面体)を想定し、内部にもうひとつ四角形を入れるということが考えられる。しかしそれでは、球面に人体を配置し七つの大陸を象徴するという方針から外れてしまう。そこで、基本構造は六面体とし、その一面をふたりでまかなうようにする。写真は撮影角度があまりよくなく、「頂点」が重なってわかりずらいところもあるのだが、大きくみれば、この彫刻もそうなっていると見ることができなくもない。作者はああでもないこうでもないと試行したのだろうなあ。
「立方体三等分積木」 ― 2008/11/22 00:55
三角形の面積が「底辺×高さ÷2」であることはみな知っているが、錐体、つまり円錐や角錐の体積の公式は案外知らない(忘れている)ひとが多い。これは「底面積×高さ÷3」で、それを学ぶ教材としてもよいかもしれない。
「コロンブスの立方体」 ― 2008/11/22 01:00
「いままで気がつかなかった」理由のひとつは、無駄なく立方体の骨組みにするためには、紙のかたちを4:4+√2にする必要があるからだろう。(穴がふさがっているのは、4:6+√2)
最近のコメント