地球星座2008/11/18 00:34

地球星座
 名古屋コンベンションに参加する前、長崎市と五島列島に行っていた。いつ仕事をしているのか自分でも謎である。していない気もするが、気のせいであることを強く望む。
 さて。写真は、長崎平和公園にあるポール・グランランド氏の彫刻「地球星座」である。七つの大陸を表現する七人の人間ということだが、ここではそのテーマ性よりも幾何学を考えてみたい。
 よく見ると手足は繋がっていないところもある(繋げることは可能である)が、これを対称性をもって繋ぐにはどうすればよいか。7人ということから、連想するのは14という数字だ。立方八面体(△8、□6)やケルビンの多面体(□6、六角8)、切頭立方体(△8、八角6)は、14の面を持つ。菱形十二面体もきれいな立体だが、これは立方八面体の双対なので頂点の数が14になる。しかし、これらの適用は、ちょっと考えただけで挫折した。14と7の違いは大きく、どうもうまく使えないのである。
 7という数はそのまま面の数として考えるべきなのだ。人体を4つの頂点を持つ四角形と考えれば、立方体(六面体)を想定し、内部にもうひとつ四角形を入れるということが考えられる。しかしそれでは、球面に人体を配置し七つの大陸を象徴するという方針から外れてしまう。そこで、基本構造は六面体とし、その一面をふたりでまかなうようにする。写真は撮影角度があまりよくなく、「頂点」が重なってわかりずらいところもあるのだが、大きくみれば、この彫刻もそうなっていると見ることができなくもない。作者はああでもないこうでもないと試行したのだろうなあ。