丸石神その12 ― 2008/01/10 21:56
しかし、さすがは(?)水木先生、期待にはちゃんと応えてくれる。同書収録の『二世の縁 新・春雨物語』に、丸石のような図像があったのだ(上図)。さまざまな資料を参照するひとなので、丸石神の写真を見て描いたのではないだろうか。右のような写真かもしれない。ただし、これは丸石神ではない。『八坂村誌』の中に見つけたもので、五輪塔の火輪より上が欠落したものらしい。(それはそれで、五輪塔と丸石神の関連ということでも面白いけれど)
なお、『まぼろし旅行記』には『へそまがり』という墓石のコレクターの話も載っているが、これに描かれた石塔が奇妙なものだった。下は五輪塔なのだが、半球と宝珠の部分が四段重ねの串団子のような丸石になっているのだ。じっさいにこんな石塔はないだろう。資料を参考にしながらもそれをずらす水木画伯の画法の特徴が見て取れる、とも言える。ちなみに、その墓石コレクターは「幾日も山野をさまよい… 人々に忘れられた無縁仏の墓石など見つけた時は… 嬉しくて便意をもよおすほどです」というひと(なぜ便意?)なのだが、物語の最後には亡者に食べられて白骨になるのであった。
「アワーグラスキューブ」 ― 2008/01/10 22:04
「三分一升(さんぶいちます)」 ― 2008/01/10 22:05
「正八面体へのひねり」 ― 2008/01/10 22:08
丸石神その13−縄文の丸石 ― 2008/01/13 00:50
写真左は、(敷物は考古的な考証が合っていないと思うが)縄文時代の祭祀の復元である。(ちょっと刺激が強い写真かとも思って、小さくした) 丸石と猪の頭骨が一緒に出土したので、このような復元なのだろうか。諏訪大社の御頭祭(おんとうさい。鹿の頭などを供える祭り。現在は剥製を使用)を彷彿とさせる。写真右上は、同センターにあった丸石の出土状況の一例(北杜市須玉町郷蔵地遺跡)で、三角柱の土製品も見える。このように呪術的なものと思われる丸石が出土するのだから、丸石神信仰を古層にまでさかのぼりたくなるのは無理もない。じっさい、断層はあってもつながりもあると考えたほうがよいのだろう。少なくとも、丸い石をある種の神意とみる感情は、先史時代でも今でも共通なものと言えるように思う。
実用の意味が判然としないものは、呪具、祭具とされるが、写真右下は、実用的な「丸石」である。考古学用語で磨石(すりいし)という石器だ。大きな丸石もじつは実用的な用途があるのでは、という説はないのだろうか。
「立方体の三分割」 ― 2008/01/13 00:55
黒い部分(「Z字キューブ」)は鏡映対称の折り目の2枚組で、閉じた部分の体積は立方体の3分の1になる。同じく3分の1の体積の黄色い部分ふたつがぴったり収まって立方体になる。
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