座屈四角柱と立方体の骨2008/01/02 11:33

座屈四角柱と立方体の骨
 白銀長方形(1:√2の長方形)と体心立方格子をつかったパターンのバリエーションから、さらにいくつかのモデルを思いついた。

 まずは、「座屈四角柱」
 このモデルは、折り始めを平面ではないと考えると対称性が高い。長方形の向かい合う辺と辺が融合した柱面(じっさいは「糊しろ部分」は重ねている。こうすることでより折り紙的にまとまりもよくなる)をスタートと考えるのである。立体としては、正四角柱を秩序的に座屈させたような形態である(2013/1 回反対称に関する誤った記述を削除)。

 もうひとつ、写真右の「立方体の骨」。これは、上記とはまったく違って、ユニット折り紙だ。1:√2の長方形6枚と、√2/2:2の長方形6枚をつかっている。試行錯誤して、一番まとまりがよく、対称性が高いのはこの組み合わせだった。複数枚使うと、対称性を高くするのがほんとうに容易になる。これは、ユニット折り紙の最大の利点だ。似たようなものは以前もつくったが、前例はないと思う。

3対4の敷石2008/01/05 10:29

3対4の敷石
 最近、JR府中本町の階段下が整備された。敷石がちょっと凝った敷き方で、一見して、1:√2かと思ったのだのだが、どうやら3:4の長方形である。いわゆるエジプト三角形(3:4:5)をふたつ組み合わせたかたちだ。厚さが2だと2:3:4になって面白いと思ったが、舗道を剥がして確認するのはやめた(当たり前だ)

コーヒードリップのひとがた2008/01/06 14:48

KALDI COFFEE
 写真は、KALDI COFFEE FARM (カルディコーヒーファーム) という、ちょっとお洒落な、コーヒーを中心にした食材のチェーンショップのコーヒードリップだ。このデザインは前からいいなあと思っていた。見た通り、カップにかけるフックの部分が、ひとのかたちになっているのだ。機能を満足させた上で、ちょこっと遊んでいる。プロダクトデザインの王道と言える。しかも、そこにあるのは、折り紙に通じる「見立て」の精神である。誰の仕事か不明だが、これを思いついたデザイナーのうれしさは、わかるような気がする。

○△□の秘密2008/01/06 14:52

 時間が合うときは必ず視ている番組・『美の巨人たち』(TV東京系土曜22:00)の昨日の「一枚の絵」は、仙厓義梵作『指月布袋画賛』だった。しりあがり寿さんのマンガを連想させる破天荒な画である。観に行かなかったが、仙厓は、秋に特別展もあった。木村良寿さん(折り紙作家)は行ったようで、彼が『指月布袋画賛』のTシャツを着ているのも見た。
 さて。同番組では、有名な書というか画というか、『○△□』も紹介されていたが、これを見ていて、思うことがあった。『○△□』は、さまざまに解釈されてきた書(画)だが、わたしの興味に偏した新説を思いついたのだ。
 まず、□は折り紙を意味する。そして、○は丸石神を意味する。で、紙と石とくれば、△はハサミである。これは、刃の断面なのである。つまり、ジャンケンなのだ。…えーと、言うまでもないが、新説というより、珍説である。そもそもジャンケンが石・紙・鋏になったのは近代になってかららしい。
 いずれにせよ、折り紙をライフワークとして、現在、丸石にはまっているわたしなので、次はハサミ関連のことをやらないとバランスがとれないであろう。

丸石神その122008/01/10 21:56

二世の縁(水木しげる)
 水木しげるさんの作品集『まぼろし旅行記』に、『徳兵衛と丸子石』という作品があることに気がついて、先日チェックしてみたが、河童の体内にある丸子石なるものが薬になるという話で、丸石神には関係がなかった。河童がひとの尻子玉を抜くという話は有名だが、河童の体の中に丸子石なんてものがあるという話は他では聞いたことがない。
 しかし、さすがは(?)水木先生、期待にはちゃんと応えてくれる。同書収録の『二世の縁 新・春雨物語』に、丸石のような図像があったのだ(上図)。さまざまな資料を参照するひとなので、丸石神の写真を見て描いたのではないだろうか。右のような写真かもしれない。ただし、これは丸石神ではない。『八坂村誌』の中に見つけたもので、五輪塔の火輪より上が欠落したものらしい。(それはそれで、五輪塔と丸石神の関連ということでも面白いけれど)
 なお、『まぼろし旅行記』には『へそまがり』という墓石のコレクターの話も載っているが、これに描かれた石塔が奇妙なものだった。下は五輪塔なのだが、半球と宝珠の部分が四段重ねの串団子のような丸石になっているのだ。じっさいにこんな石塔はないだろう。資料を参考にしながらもそれをずらす水木画伯の画法の特徴が見て取れる、とも言える。ちなみに、その墓石コレクターは「幾日も山野をさまよい… 人々に忘れられた無縁仏の墓石など見つけた時は… 嬉しくて便意をもよおすほどです」というひと(なぜ便意?)なのだが、物語の最後には亡者に食べられて白骨になるのであった。

「アワーグラスキューブ」2008/01/10 22:04

Hourglass Cube
 一枚折りの立方体である。向かい合う二面が砂時計のように漏斗状に凹んでいるので、「Hourglass(砂時計)Cube」と名付けた。4:2+√2の長方形を使っている。幾何学的な整合性や特徴を際立たせるためには、正方形や規格長方形にこだわらないほうがよい場合は多い。モデル自体は、前例がありそうな気がしないでもない。透明フィルム(OHPシート)で折ると影も面白い。

「三分一升(さんぶいちます)」2008/01/10 22:05

三分一升
 新作。命名:「三分一升(さんぶいちます)」。上下にある凹みが立方体の体積の三分の一になっているので、この名前にした。2:1+√2という長方形の二枚組で、折り目はきわめて単純。もっとしっかり組めるモデルや正方形版も考えたが、パズル的なエッセンスの見せ方としてはこのかたちがよい。上下に三分の一の凹みがあるということは、閉じた部分の体積も三分の一である。なお、「さんぶいちます」は、わたしの造語である。一升の四分の一の容量の升を小半升(こなからます)と称するが、三分の一は「三分一」ぐらいしか表現がないはずである。「みぶいち」ではなく、「さんぶいち」としたのは、北杜市長坂町にある、三つの村に分配される「三分一湧水」という名水が「さんぶいち」と読むため。

「正八面体へのひねり」2008/01/10 22:08

正八面体へのひねり
 暇ではないときに限って、折り紙をしたくなるもので、(暇そうに思われてるだろうなあ) ここ数日で、ほかにもいくつか新しいモデルをつくったので、もうひとつだけ紹介しよう。「正八面体へのひねり」と名付けたもので、正方形一枚である。以前もつくったような気がするのだが、色を変えてみたら、けっこう面白かった。

丸石神その13−縄文の丸石2008/01/13 00:50

北杜市埋蔵文化センター
 昨年末に北杜市埋蔵文化センター(北杜市明野町。驚くほど立派な施設だった)で見た先史時代の「丸石」である。
 写真左は、(敷物は考古的な考証が合っていないと思うが)縄文時代の祭祀の復元である。(ちょっと刺激が強い写真かとも思って、小さくした) 丸石と猪の頭骨が一緒に出土したので、このような復元なのだろうか。諏訪大社の御頭祭(おんとうさい。鹿の頭などを供える祭り。現在は剥製を使用)を彷彿とさせる。写真右上は、同センターにあった丸石の出土状況の一例(北杜市須玉町郷蔵地遺跡)で、三角柱の土製品も見える。このように呪術的なものと思われる丸石が出土するのだから、丸石神信仰を古層にまでさかのぼりたくなるのは無理もない。じっさい、断層はあってもつながりもあると考えたほうがよいのだろう。少なくとも、丸い石をある種の神意とみる感情は、先史時代でも今でも共通なものと言えるように思う。
 実用の意味が判然としないものは、呪具、祭具とされるが、写真右下は、実用的な「丸石」である。考古学用語で磨石(すりいし)という石器だ。大きな丸石もじつは実用的な用途があるのでは、という説はないのだろうか。

「立方体の三分割」2008/01/13 00:55

立方体の三分割
 数日前に「正方形や規格長方形にこだわらないほうがよい」旨を書いたそばからだが、最近こねくりまわしているパターンを正方形に適用して、いくつか作品ができた。いずれも、予定調和的な展開図が気持ちよいものである。正方形はやっぱり豊穣なかたちだなあ。
 黒い部分(「Z字キューブ」)は鏡映対称の折り目の2枚組で、閉じた部分の体積は立方体の3分の1になる。同じく3分の1の体積の黄色い部分ふたつがぴったり収まって立方体になる。