「三分一升(さんぶいちます)」2008/01/10 22:05

三分一升
 新作。命名:「三分一升(さんぶいちます)」。上下にある凹みが立方体の体積の三分の一になっているので、この名前にした。2:1+√2という長方形の二枚組で、折り目はきわめて単純。もっとしっかり組めるモデルや正方形版も考えたが、パズル的なエッセンスの見せ方としてはこのかたちがよい。上下に三分の一の凹みがあるということは、閉じた部分の体積も三分の一である。なお、「さんぶいちます」は、わたしの造語である。一升の四分の一の容量の升を小半升(こなからます)と称するが、三分の一は「三分一」ぐらいしか表現がないはずである。「みぶいち」ではなく、「さんぶいち」としたのは、北杜市長坂町にある、三つの村に分配される「三分一湧水」という名水が「さんぶいち」と読むため。

「正八面体へのひねり」2008/01/10 22:08

正八面体へのひねり
 暇ではないときに限って、折り紙をしたくなるもので、(暇そうに思われてるだろうなあ) ここ数日で、ほかにもいくつか新しいモデルをつくったので、もうひとつだけ紹介しよう。「正八面体へのひねり」と名付けたもので、正方形一枚である。以前もつくったような気がするのだが、色を変えてみたら、けっこう面白かった。

丸石神その13−縄文の丸石2008/01/13 00:50

北杜市埋蔵文化センター
 昨年末に北杜市埋蔵文化センター(北杜市明野町。驚くほど立派な施設だった)で見た先史時代の「丸石」である。
 写真左は、(敷物は考古的な考証が合っていないと思うが)縄文時代の祭祀の復元である。(ちょっと刺激が強い写真かとも思って、小さくした) 丸石と猪の頭骨が一緒に出土したので、このような復元なのだろうか。諏訪大社の御頭祭(おんとうさい。鹿の頭などを供える祭り。現在は剥製を使用)を彷彿とさせる。写真右上は、同センターにあった丸石の出土状況の一例(北杜市須玉町郷蔵地遺跡)で、三角柱の土製品も見える。このように呪術的なものと思われる丸石が出土するのだから、丸石神信仰を古層にまでさかのぼりたくなるのは無理もない。じっさい、断層はあってもつながりもあると考えたほうがよいのだろう。少なくとも、丸い石をある種の神意とみる感情は、先史時代でも今でも共通なものと言えるように思う。
 実用の意味が判然としないものは、呪具、祭具とされるが、写真右下は、実用的な「丸石」である。考古学用語で磨石(すりいし)という石器だ。大きな丸石もじつは実用的な用途があるのでは、という説はないのだろうか。

「立方体の三分割」2008/01/13 00:55

立方体の三分割
 数日前に「正方形や規格長方形にこだわらないほうがよい」旨を書いたそばからだが、最近こねくりまわしているパターンを正方形に適用して、いくつか作品ができた。いずれも、予定調和的な展開図が気持ちよいものである。正方形はやっぱり豊穣なかたちだなあ。
 黒い部分(「Z字キューブ」)は鏡映対称の折り目の2枚組で、閉じた部分の体積は立方体の3分の1になる。同じく3分の1の体積の黄色い部分ふたつがぴったり収まって立方体になる。

「なまなり立方体」2008/01/13 00:58

なまなり立方体
 立方体になりかけという意味で、「なまなり立方体」とした一連のモデル。ほかにも数種できたが、まとまりのよいものを数点。
写真左上:正方形1枚。表裏同等である。きっちりしているけれどややこしいという感じが面白い。
写真中上:正方形1枚。裏から見ると(写真右上)、欠けている部分が多いことがわかる。
写真下:写真中上をちょっとだけ変えて2枚組にしたものを2種。

「4回折りユニット」2008/01/13 00:59

4回折りユニット
 正方形を4回折っただけの単純なかたちがユニットになることを発見した。あまりに単純なので、再発見、つまり前例がある可能性が高いが、個人的にはコロンブスの卵である。
 屋根みたいなかたちが六つなので「六屋根多面体」と名付けたもの(写真左上)は、折り目の比率を1:√2としたモジュール12枚で組んである。屋根の棟にあたる部分がスリットになるなど、組み上がりはすこし弱いが、組み方を工夫すると糊は不要だ。4枚組は、正四角柱に組むと、高さと正方形の辺の比率が自由になる。
 ここで問題。同じ大きさの紙を使った場合、体積最大になるのはどのような比率か? 答え:予想通り、三等分の比率を使ったもの、すなわち立方体が体積最大である。微分入門の教材にいいかも。