七角形と言えば2007/10/08 10:49

 ちょうど7年前になるが、初めて行ったイギリスで(正確には、まず行く前にガイドブックで写真を見て)、50ペンスと20ペンス硬貨に感動した。なにに「感動」したかというと、それらが正七角形であることに対してである。その硬貨は、いまでもひとつずつとってある。正七角形と書いたが、正確には、「ルーローの七角形」で、このことに、さらに感じ入った。辺が直線ではなく、反対側にある頂点を中心とする円弧になっているのだ。ちょっとふくらんだ七角形である。こうすることによって「定幅図形」になっている。円と同様、どこをとっても幅が一定の図形である。定幅図形にしないと、自動販売機の内部などでつっかえることがあるので、そうすることは重要なのである。The Royal Mintというコイン販売店の説明によると、1969年から七角形になったようだが、デザインに関与したひとの名前はわからなかった。かつて、かのM.C.エッシャーがオランダの紙幣をデザインしかけたことがあった。イギリスの七角形コインにも、数学センスのあるひとがからんでいるはずである。
 なお、正七角形は、定規とコンパスだけでは正確に作図できないが、折り紙で、ふたつの点をそれぞれふたつの線上に同時に合わせる折り方(阿部恒さんが編み出した方法。不自然な折り方ではない)を用いると、正確な作図が可能である(初めてそれを示したのは故・藤田文章さん)。

 ところで、昨日テレビで紹介されたことで、このブログのアクセス数や、本の注文が急激に増えている。ありがたいけれど、落ち着かない気持ちだ。