「静かなブーム」? ― 2017/12/28 23:00
(The Paper Magician チャーリー・N・ホームバーグ著、原島文世訳)
100年前のロンドンを舞台にした折り紙魔法ファンタジーで、ディズニー映画化権取得ともある。まだ読んでいないのだが、表紙のイラストのモデル(少なくともツバメ)は、シッポ・マボナさんの作品だ。
折り紙はいつの時代も「静かなブーム」なのだが、フィクションで折り紙を扱うブームは、やはり来ているような気がする。なお、『KUBO』と『ブレードランナー2049』は、まだ観ていない。
◆「かっこつきの言葉」
「静かなブーム」とかっこつきの言葉を使ったが、最近読んだ小説の、以下のくだりは笑った。
あの「扉」は「出口」だ。
これでよし。
答えがわからないものごとを相手にするときは、「」に入れてしまえばうまく行くものなのだ。
一枚折り(√2用紙)だと安定しないだろうと思っていた構造が、試して見たら思いのほか安定した。剛体折りができない構造なので、むしろそれがセルフロックとなって安定するのである。なんでもっと早くやっていなかったのか。パズルとしても悪くない。
◆シェイクスピアがデバッグについて述べたとされる文章
今日、担当していたプログラムに潜在的なバグを見つけた。修正できたが、焦った。
以下は、シェイクスピアがデバッグについて述べたとされる(!)文章である。
(『Practical C Programming』(Steve Oualline)による)
Bloody instructions which, being taught return to plague the inventor.
血だらけの命令は、その考案者に災難として返ってくる。
(出典は『マクベス』)
問:動物などの作品と、幾何学的な作品で違いはありますか?
答:あまり違いはありません。かなめはアイデアです。たとえば、即興で動物をつくる場合などでは、既知の基本形を使って特徴をぱっと見せることができればよいと考えますが、きちんと作品にしたいと思ったときは、デフォルメや見立てにどう新しいアイデアを盛り込むかを考えます。アイデアの重要性という意味で、具象的な造形と幾何造形に違いはありません。
この回答をしたときに、頭に浮かんでいた「ぱっと見せることができれば」の造形は、家人へのウケだけをねらって即席でつくったパンダの赤ちゃん(写真)であった。生まれたばかりのパンダで一番意外なのは、尾の長さである。
なんでこの話を思い出したかというと、パンダの「第一形態」の名が、TVニュースのインタビューでの少女の命名により「ピンクピン太郎」である、ということを数日前に知ったからである。
インタビューといえば、最近、
『折り紙工学、複雑な立体を1枚で表現する技術の可能性』(DIAMOND Online)という舘知宏さんのインタビュー記事を読んだ。その中に「舘の折り紙との出合いは、小学2年生のときにさかのぼる。本で折り紙作家、前川淳の「悪魔」という作品を目にし、魅せられた。」とあった。すでに聞いていた話だが、舘さんのような優秀な研究者のきっかけのひとつになったというのは、素直にうれしい。
舘さんの見た本は『ビバ!おりがみ』の新装版(1989)だという。元の本の初版は1983年なので、34年前、舘さんがちょうど生まれたころになる。昭和だ。わたしとしては、ついこの間のような気もするのだが。
30年になると、忘れてしまっていることも多い。先日もそんなことがあった。一ヶ月ぐらい前、
凧形二十四面体に関して、「以前つくった記憶はあるのだが、メモが見つからない。...昔つくったのものとは、違うような気がする」と書いた。
これが、『おりがみ新世紀』(笠原邦彦さん、1989)に載っていることを小松英夫さんから指摘されたのである。奇妙な近似を使っていて、記憶どおり、細部は違っていたのだが、本に紹介されたことを忘れているというのは、困ったものである。いずれ、旧作を新作ですと言いそうだ。
このエントリのトラックバックURL: http://origami.asablo.jp/blog/2017/12/28/8756915/tb
※なお、送られたトラックバックはブログの管理者が確認するまで公開されません。
コメントをどうぞ
※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。
※投稿には管理者が設定した質問に答える必要があります。