七月七日と十二月十二日2010/07/04 17:36

オルスイさん
 一昨日、職場の野辺山観測所で「全国同時七夕講演会」関連の催しがあった。「全国同時」「七夕」といっても、なぜか、野辺山はこの日なのであった。イベントは、8/21の同観測所の特別公開日のリハーサルも兼ねた、写真家・牛山俊男さんとシンガーソングライター・清田愛未さんのライブで、優雅な時をすごした。

 年寄りじみたいいかただが、ついこの間正月だったような気もするのに、もう七夕かあという感じである。
 七夕は、「紙細工」に関連する民俗も多く、ずっと気になってすこしづつ調べているテーマのひとつなのだが、今年も、新暦で行われている行事を見に行く時間はとれなかった。
 写真は、山梨県の笛吹川流域に伝わる七夕人形(新暦で行われるものが多い)を再現したものである。本来は笹竹に飾り付けるものだ。七夕が終わると、笹竹から外した人形を紙に包み、蔵の鴨居に打ちつけると、盗難除けになるという。留守番をしてくれるので「オルスイさん」という。
 最近、七月七日ではなく「十二月十二日」と書いた札を上下逆さまに貼るという泥棒除けがあることも知った。同日が石川五右衛門の命日だからという。ゾロ目日ということだけだが、オルスイさんの民俗は、これとの習合があるような気がしないでもない。

コメント

_ Ayame OSAKI ― 2010/07/06 11:00

前川さん、こんにちは! 
こちらのブログ、とてもステキなので、いつも楽しみに拝見しておりましたが、
七夕のオルスイさんの記事がうれしく、コメントを書かせていただきます。
12月12日の泥棒よけの習俗も、山梨に伝わるものですか?!
七夕のオルスイさんとつながりがありそうですね。。。

七夕が近づき、7月七夕と8月ア七夕、今年は訪問先の候補が多くて、
どこへ出かけようかと悩んでいます。

_ maekawa ― 2010/07/07 20:56

尾崎さん、ごぶさたしています。

「十二月十二日」と書いた札による泥棒除けは、『魔除け百科』(岡田保造著)ではじめて知ったものです。WEB上で検索してみると、けっこうヒットし、関西の民間信仰のようです。

『まよけの民族史』(斎藤たま著)、『魔よけとまじない』(中村義雄著)、『年中行事覚書』(柳田國男著)、『民間暦』(宮本常一著)などでは、関連の話を見た記憶がなく、じっさいに見たり聞いたりしたこともないです。

七夕研究の成果、たのしみにしています。

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