ハノイの塔2009/03/01 23:37

ハノイの塔
 妻が知り合いの木工作家から、以前販売した木の玩具を値下げしたので、おまけです、ということで「ハノイの塔」を貰ってきた。
 積み重なった円盤を別の場所に動かすという有名なパズルである。ただし、円盤はひとつづつ動かし、そのとき、小さい円盤が上になるように置かなければならない。
 きわめて有名なパズルなのだが、じつは、じっさいにやるのは初めてだった。ただ、最小回数が、円盤の数をnとして、Σ2k(k=0,n-1)、つまり2n-1になるということはなんとなく知っていた。円盤の枚数が9なので、511回になる。
 方法はすぐにマスターできたが、こういうパズルは目の前にあると、なんとなくやってしまうものである。しかも511回というのはけっこう時間がかかる。で、円盤の枚数はそのままで、新しいルールをひとつ考えてみた。円盤をふたつの場所に互い違いに積む(写真下)のである。考え方としては一緒だが、短い時間ですむ。219回になる、はずである。27+26+24+23+21+20と、Σ2k(k=0,7)から25と22を引いた値である。
 このパズル、だれか有名な数学者の考案だったよなと、ネットで調べると、フィボナッチ数の一般化で有名な数学者・リュカによるものだということだった。

例外的目玉ガードパイプ2009/03/02 00:08

大塚駅前駅
 報告3や、報告2報告1で、研究の一端を示してきた、「目玉型ガードパイプ」であるが、その研究に大きな一石を投ずる物件が発見された。
 都内において、「目玉タイプ=国道、イチョウタイプ=都道、その他=区道など」という法則がほぼなりたつのではないかということは、ガードパイプ研究界(約1名)の定説である。しかし、まさに今日2009年3月1日(おっと、もう昨日か)、きわめて特異な物件が発見されたのである。まとめると、
(1)都内である。
(2)国道ではない。
(3)道ですらない。しかし、都の財産である。
 それは、都電荒川線・大塚駅前駅の上りと下りを仕切る部分、および、歩行者通路と軌道を仕切る部分にあった。愕然とした。用もないのに、電車を降りてしまったほどである。この衝撃的な発見に比べれば、報告2で示した世田谷区上北沢の例などは可愛いものである。都内における「目玉タイプ=国道」という法則は崩れ去ったのであろうか。それとも、相対性理論登場後のニュートン力学のように、一定の条件化で生き残る理論なのであろうか。予断を許さない。

 しかし、立派な電車の駅なのに、「大塚駅前」という駅名はなんなんだ。都電荒川線、JRに卑下し過ぎなんじゃないか。それとも、荒川線は電車じゃないのか。駅ではないのか。この軌道、実は国道なんですということだったら、驚きだが。

ハノイの塔その22009/03/02 21:34

ハノイの塔その2
 棒が3本あるので、1カ所から3カ所に移すのもありだな、と気がついた。というより、2カ所ではなく、こちらを先に思いつくのが普通である。
これは、27+25+23+21で170回、2カ所に積むよりも計算式もすっきりしている。

菱餅の幾何学2009/03/03 22:47

菱餅の幾何学
 以前、菱餅が菱形であることの由来と、その頂点の角度は何度が「正しい」のかについて調べて、発表したことがある。
 調べれば調べるほど、それは錯綜し、♦円と菱形と直線からなる、宮中正月料理の菱葩(ひしはなびら:写真の菱葩餅参照)に関する話、♦吉野裕子氏による、菱形が女性を象徴するという話、♦正方形を「角立て」にした水の神と山の神の御幣の話、♦小笠原家の家紋である三階菱と、武田家の家紋である武田菱の関係についての話、♦三月三日を重三(ちょうさん)と称することと、伊勢・飯南地方や遠州(静岡西部)の三角餅の話、♦破邪の剣や蛇の頭の形象化としての菱形という話、♦植物のヒシの持つ霊的な力と、菱形という呼び名がヒシの葉のかたちからきたのか実からきたのかという話、♦中国創成神話の男女神の持ち物であるコンパスと定規、および、男雛女雛の持ち物である笏と扇に関する、宮崎興二氏の、反転した方と円の象徴性の話、♦そして、紋章上絵師の作図の話など、素材があふれかえった。
 じっさいの習慣は、さまざまなものの複合なのだろうが、図形バカとしては、「円(男)と正方形(女)から美しく作図できる図形としての菱形」ということを考えた。そして、45度135度の菱形と、70.52..度と109.47..度(マラルディの角度!)の菱形が、円と正方形の子である菱形としては相応しいと結論したのであった(図参照:なお、左上図は今回思いついた)。前者は折鶴の菱形、後者は、家紋の武田菱の菱形である。
 しかし、こんにち、じっさいによく見る菱餅は、60度120度なのであった。人形メーカーのつくる雛飾りの菱台も、すくなくとも最近のものは、60度120度や、53.13..度と126.86..度(tan(53.13../2)=0.5)のものが多数派である。先日、妻がスーパーマーケットで買ってきた菱餅(写真)も60度120度であった。正三角形がふたつ合わさったかたちである。しかし、我が家の菱台は、じつにすばらしいことに、45度135度なのである。その菱台の上に置かれた、真空パックされた60度120度の菱餅は、すこし居心地が悪そうだ。

菱持ち知恵の板2009/03/04 23:20

菱持ち知恵の板
 先日考えた「菱持ち知恵の板」を、ボール紙でつくって遊んでみた。タングラムや清少納言知恵の板より、造形のバリエーションは少なくなる印象があるが、けっこう楽しめる。パズルとして面白いのは、「長方形」と「杯」だろう。
 本家のタングラムや清少納言知恵の板にはない、このパズルの特徴として、板の中に同じもの(合同のもの)がない、ということがある。

菱持ち知恵の板その22009/03/06 00:23

菱持ち知恵の板その2
 今日も、野球を観ながら、「菱持ち知恵の板」で、いくつかかたちをつくってみた。「水滴」と「菜切包丁」がお気に入りだ。
 なお、昨日の図の「L」を「曲尺」に、「Apple Computer」を「Apple Inc.」に、名前を変更した。「曲尺」は、つい先だってこのブログで話題にしたので、当然この名であった。「Apple Computer」は、会社名からずいぶん前に「Computer」がなくなっていたのを忘れていた。