ジオデシック四面体など2019/06/24 22:01

◆停電と雹
野辺山の雹(6/23)
観測所の仕事を終わって山荘に帰ると、山梨県の広域15万戸が15時半から1時間ほど停電していたということで、電子機器の時計が点滅していた。交通信号も広い範囲で消えていたそうだ。3.11をすこし思い出した。長野県の野辺山は別系統の中部電力なので、停電はなかったが、16時過ぎに激しく雹が降った。野菜や果物にかなり被害があったのではないか。雨上がりにはみごとな虹がかかっていた。
八ヶ岳山麓の虹

◆ジオデシック四面体
土曜日の、第26回折り紙の科学・数学・教育研究集会で司会をした。
前回(昨年12月)は、前夜に母が亡くなって、会の運営を西川誠司さんに頼み欠席したので、なんというか、復帰した感じになった。前日の金曜日に、父母の霊園のあれこれを手伝ったこともあって、半年たったのか、との思いもあった。

発表では、西本清里さん、堀山貴史さん、舘知宏さんの「ジオデシック四面体」(正四面体に正三角形グリッドの折り目を加えることで得られる多面体)にでてきた数字が、ラマヌジャンのタクシー数であったことに昂揚した。三乗数の和が出る構造なので、不思議はないとも言えるのだが、タクシー数であるというわたしの指摘を、堀山さんが面白がっていたので、この件は、まだ発展があるかもしれない。堀山さんは、その場でプログラムを組んで、Tax(3)=87539319も、Tax(4)=6963472309248も、「ジオデシック四面体数」(ジオデシック四面体の面の数)であることを確認していた。タクシー数のエピソードは知っていても、案外、数そのものは覚えていないひとが多いのであった。

91は、タクシー数ではないが「ジオデシック四面体数」である。この数が立方数の和(3^3+4^3)であることは、再認識した。ほんの2週間前にこのブログに、加藤文元さんの『宇宙と宇宙をつなぐ数学』の感想で、91と1729のことを書いたばかりというのは不思議な感じだ。

というわけで、土曜日は、折り紙の学術研究の集まりだったのだが、日曜日は、幼児や小児相手の折り紙の講師で、狭いようで広い折り紙の世界は面白いのであった。わたしが『オリガミの魔女と博士の四角い時間』の博士の「知り合い」だということを知った少女から「わたしをしょうかいしておいて」とも言われた。滝藤さん、子どもの好感度高いぞ。

◆三本の直方体B
三本の直方体(折り紙)
先週、上野で堀内正和さんの彫刻をひさしぶりに観たことをきっかけにつくった『三本の直方体B』の折り紙モデルを、長さも実物の比率にそろえて、マット銀紙でそれらしく折ってみたら、なかなかの金属感がでた。「堀内正和さんの彫刻に折り紙を思う」という話は、以前もエッセイに書いたことがあるが、また、まとまった話もしてみたい。

◆『方形の円』
幻想小説・『方形の円』ギョルゲ・ササルマン著、住谷春也訳)を入手、36編のうち、何編かを読んだ。「ル=グインも驚嘆! カルヴィーノ『見えない都市』に比肩する超現実的幻想小説集」という惹句で、各編に著者による図形のアイコンが印され、カバー裏や表紙に円積問題の図が描かれているとあっては、SFファン(ゆるいけれど)の図形マニアとしては、手にとらずにはいられない。ギョルゲ・ササルマンという名前もインパクトがささるまん。

原題の『Cuadratura Cercului』(ルーマニア語)は、いわゆる「円積問題」のことで、ル=グインさんの英訳も、それを示す『Squaring the Circle』であるが、『方形の円』という邦訳の題もカッコイイし、カバーのレタリングもよい。なお、円積問題というのは、解決(否定的解決)に2000年かかった「定規とコンパスで、円と同じ面積の正方形を作図せよ」という問題である。πが超越数なので、代数的には有限項ではもとめられないのだ。
『方形の円』(Cuadratura Cercului)

『方形の円』

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