折紙探偵団関西コンベンション2015/03/30 20:50

先週末、折紙探偵団関西コンベンションで、作品の講習のほか、全体会での講演をしてきた。「15回という区切りの回なので、昔話をしてください」のようなリクエストもあったので、「わたしの折り紙の歩み」と題した話をした。

講演のスライドをつくるさい、古い写真や新聞記事、メモやノートをひっくりかえしたのだが、これがたのしかった。恥や、それと表裏にあるてらいの感覚は薄く、自分のことを語るというより、親戚の子供を自慢しているような気分だった。

画像は、そのときのスライドから、「折り紙熱の推移グラフ(個人の感想です)」と、「前川定理はスティグラーの法則の例か?」の2枚。前者は、全体のアウトラインとしてつくってみたら謎データになった。(太陽の相対黒点数と並べてみました。意味はありません)

折り紙熱の推移グラフ(個人の感想です)

前川定理

講演の「結論」では、「折り紙は、宇宙物理学者の池内了さんのいう『新しい博物学』の素材の典型なのではないか」ということを述べた。池内了さんの「新しい博物学」は、たとえば、天文現象を記録した歌人・藤原定家を、天文学者としても認識してみようという、いわゆる文理融合の試みである。折り紙も、数学、科学、歴史、美術の窓となって、さまざまな世界につながる、という話である。

392015/03/31 23:57

大阪さくさくワッフル
先々週、職場でもらった「大阪さくさくワッフル」という菓子が美味しかったので、先日わたしも買ってきた。クリームブリュレのパリパリの部分のような食感がよいが、表面に「39」(さく)の隠し文字模様があるのも面白い。昨年の暮れに売り出されて評判になっている、とのことである。

で、39という数だが、『数の事典』(David Wells著、芦ケ原伸之、滝沢清訳)では、「最初の特徴のない数」とされる可哀想な数である。しかし、それなりに面白さはある。3^1+3^2+3^3=39なんてのはきれいだ。

元阪神タイガースの矢野捕手など、キャッチャーによく使われる背番号でもある。ネット上には、メジャーリーグ初の黒人捕手ロイ・キャンパネラに因むという説があったが、キャッチャーの背番号に27が好まれる(1ゲームのアウトの数)のと同様に、3アウト×9という意味もあると思われる。

『数字マニアック』(D.ニーダーマン著、榛葉豊訳)という本によると、クリスマス・リボン問題というものがあって、そこにも39があらわれる。3辺の和が等しく、かつ体積が等しい直方体をつくる自然数の組を複数求めよ、という問題である。それが3組ある場合の最小の値が39なのだ。

4+15+20=39, 4*15*20=1200
5+10+24=39, 5*10*24=1200
6+8+25=39, 6*8*25=1200

ただ、ギフトボックスのように、リボンを十字掛けにした場合、結び目を除くリボンの長さは3辺の和の倍数ではなく、縦*2+横*2+高*4になるので、なぜこれを、クリスマス・リボン問題と呼ぶのかには疑問が残る。