π> 3.052012/07/19 21:19

π> 3.05
何年か前に東京大学の入試で、「円周率が3.05以上であることを証明せよ」という問題があったらしい。三角関数の半角公式などを使って、正八角形や正十二角形の周囲の長さを計算するのが正攻法だろう。正八角形の周囲をその対角線で計ると、3.061...になる。

この計算は、三角関数の公式を使わなくてもできる。折り紙好きならおなじみの三角形、22.5度の鋭角を持つ直角三角形は、短辺を1とすると、長辺は1+√2になり、斜辺は√(4+2√2)になる。ここで使うのは、二等辺三角形の性質やピタゴラスの定理だけだ。正八角形はこの三角形を16個集めたかたちである。つまり、これは中学生でも解ける問題である。

ただ、ここから導かれる8/√(4+2√2)>3.05という不等式が正しいことを示すための手計算は、それなりの手間がかかる。√2<1.42といった近似値を使うと、すこし楽になるが、この近似値をきちんと示すことも必要だ。

もっとエレガントな解答はないかと、考えてみた。

整数のみの計算にするために、5:12:13と3:4:5の直角三角形を使ってみた。すると、半径13の円と、8つの点が円に接して4つの点が円の内側にある、図のような変則的な十二角形がよい案配になった。(8点が円に接するのは、黄色い直角三角形の斜辺が13になるので明らかで、4点が円の内側にあり、外に凸なのは、12*12<9*9*2<13*13なので明らかである)

この十二角形の周囲の長さは80になる。 手計算は簡単で、
π>40/13=3.07..>3.05となる。