三十二面体など2012/07/03 22:34

三十二面体(シャッフル&ゴルフ)
さきの日曜日、長野県筑北村の社会福祉協議会主催イベントで、折り紙講師をしてきた。かつて職場が同じだったひととの縁である。

デイケアセンターが会場で、そこに、写真のようなものがあった。注目したのは、「ボール」が三十二面体(切頂二十面体)だったことだ。「シャッフル&ゴルフ」というものらしい。

この「ボール」にちょっと似たもので、プールの底に沈めて潜水訓練の目印に使うゴムの正二十面体を持っている。名前はなんというのだろうかと、ウェブで検索すると、マルチサイドダイブボールなるものがでてきた。これは、正二十面体ではなく、フラーのいう、2 frequency icosahedronである。

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3連戦3連敗に5点差逆転負け、果ては、9回2アウトから2ラン逆転振り逃げ負けと、阪神タイガースの負けかたが、懐かしいダメっぷりになっている。

172012/07/08 09:44

ヒッグス粒子確認のニュースで「17種の素粒子のひとつ」というものがあった。素粒子って17種だったっけと思って確認すると、反粒子は別にして、レプトンが、電子、ミューオン、タウオンとそれに対応するニュートリノで6、ハドロンのもとになるクォークが、U,D,T,B,C,Sで6、力を媒介するゲージ粒子が光子、ウィークボソン、グルーオンと重力子の4つで、さらにヒッグス粒子であわせて17ということのようだった。

ウィークボソンやグルーオンには種別があるし、重力子は標準モデルには直接かかわってこないはずで、重力まで統一的に説明するためにはさらに粒子が必要になるだろうから、17種という言い方は適切とはいえないんじゃないの、と思ったわけなのであった。

なぜ17という数に反応したかというと、2次元のタイリングパターンが17種であることを連想したからで、素粒子の対称性とこれに関係があるの?と一瞬思ったからであった。

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17と言えば、先日、和算の問題を解いていたときにでてきた答えが102だった。17×6である。これは5, 12, 13というピタゴラス数(a^2+b^2=c^2)の5と12から得られる値だった。「きれいな答え」をださせる問題に感心した。

年齢との連想だと思うけれど、11,13,17,19といった「ティーンエイジ」の素数は、なんか爽やかな感じがして、でてくると、「?!」と思うってひとは、けっこういるんじゃないかなあと思う。17年ゼミとか俳句十七音、十七条の憲法が「爽やか」かっていうと、なんとも言えないけれど…。
(後記:そういえば、定規とコンパスによるガウスの正17角形の作図というのもあったな)
なお、素粒子の数は、『銀河ヒッチハイクガイド』的には42種であることを期待したい。

(7/12:ヒッグス粒子をゲージ粒子に含めていたような記述を修正)

円周率の999999と77772012/07/13 20:47

円周率の999999と7777
円周率好き(?)には有名なことなのだろうが、円周率に現れる三つ以上の「ぞろ目」を調べると、ちょっと面白いことがある。

まず、111、555、000ときて、次が、小数点762桁からの999999なのだ。9の6つ並びである。100万分の1の確率で現れるであろうものが800桁ぐらいにででてくるのだ。

なお、円周率の計算が700桁以上なされたのは第二次世界大戦後になってからなので、この9の並びを見ることができたのは、けっこう最近のことになる。最初にこれを見たひとであろう、1947年に808桁まで計算したD.F.ファーガソンは、たぶん自分の計算間違いを疑っただろう。

1588桁までには、この999999の他に、000(2回)、111(2回)、555(3回)の3つしかでてこず、222、333、444、666、777、888はない。

19世紀に、論理学のド・モルガンの法則で有名なオーガスタス・ド・モルガンが、600桁までを見て「7が少ない」ということを指摘しているという。こうした偏りは、さらに桁を増やすと減って行くのだが、500億桁以上計算したのちにも偏りはあり、ほんのわずかながら最も多いのは5だという。なお、ド・モルガンが参照したのは、同時期にウィリアムス・シャンクスが計算して発表した707桁までのものと思われるが、これは、1945年、ファーガソンによって、527桁以降の誤りが発見されることになったものである。
(参考:『πの神秘』(デビッド ブラットナー著 浅尾敦則 訳))

というわけで、7が少ないようにも思えたのであるが、次にでてくる「ぞろ目」は、1589桁からの7777という7の4つ並びなのであった。ちなみに、1589は227×7と7で割りきれる。さらにこの227は、49番目の素数と、妙に7に関係する。

以上、「数秘術的」なものというか、数学的な論理性はない(だろう)けれど、面白い。

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AppleのMobileMeの終了で、知り合いの鳥海太郎さんのページが引っ越した。URL転送サービスもないようなので、検索にかかりやすくするための一助として、ここに新アドレスを書いておく。 鳥海太郎の版画 TARO TORIUMI (http://www.yasakanet.ne.jp/~ttaro)

うねる陳列棚2012/07/16 15:50


うねる陳列棚

山梨県北杜市小淵沢にある「休日研究所」というお店で、面白い陳列棚を見た。平行六面体が4つ重なったかたちなのだが、ムービーのようにうねうねと動くのだ(コマ数を極端に落としているが、じっさいはもっとなめらかだ)。

うねる陳列棚の構造

これは、図のように、単純な回転からできていいる。辺は剛体で、棚面にも変形はない。1、3、5段目は空間での位置も変わらない。

π> 3.052012/07/19 21:19

π> 3.05
何年か前に東京大学の入試で、「円周率が3.05以上であることを証明せよ」という問題があったらしい。三角関数の半角公式などを使って、正八角形や正十二角形の周囲の長さを計算するのが正攻法だろう。正八角形の周囲をその対角線で計ると、3.061...になる。

この計算は、三角関数の公式を使わなくてもできる。折り紙好きならおなじみの三角形、22.5度の鋭角を持つ直角三角形は、短辺を1とすると、長辺は1+√2になり、斜辺は√(4+2√2)になる。ここで使うのは、二等辺三角形の性質やピタゴラスの定理だけだ。正八角形はこの三角形を16個集めたかたちである。つまり、これは中学生でも解ける問題である。

ただ、ここから導かれる8/√(4+2√2)>3.05という不等式が正しいことを示すための手計算は、それなりの手間がかかる。√2<1.42といった近似値を使うと、すこし楽になるが、この近似値をきちんと示すことも必要だ。

もっとエレガントな解答はないかと、考えてみた。

整数のみの計算にするために、5:12:13と3:4:5の直角三角形を使ってみた。すると、半径13の円と、8つの点が円に接して4つの点が円の内側にある、図のような変則的な十二角形がよい案配になった。(8点が円に接するのは、黄色い直角三角形の斜辺が13になるので明らかで、4点が円の内側にあり、外に凸なのは、12*12<9*9*2<13*13なので明らかである)

この十二角形の周囲の長さは80になる。 手計算は簡単で、
π>40/13=3.07..>3.05となる。

円周率近似値の日2012/07/22 00:39

円周率の近似の図
円周率に関する書き込みが続いているけれど、はからずも、今日・7月22日は、「円周率近似値の日」である。ヨーロッパ式の日付表記で、22/7となり、これを分数としてみると、3.142...と、円周率の近似値になるからである。(「今日は何の日」といったページに載っている) この近似値は、アルキメデスが求めたものらしいが、アルキメデスの計算とは別に、これを表す図を描いてみた。

○図左上:直径28の円になるべく沿わせて、頂点が格子点上に乗るように、周囲の長さが88になる十二角形(みどりの線)を描いた。88/28=22/7なので、π≒22/7を表す図になっている。ただ、一部、円がかなりはみ出している。そこで、同じ格子で、はみ出した部分も円弧に近づけて十六角形にしてみた。(図右上)

○図右上:この十六角形の面積は、頂点が格子点にあるので容易に計算でき、616になる。高さと幅は28である。円の面積πr^2から、π≒616/(14*14)となるが、616は、なんと、14でうまいことに割り切れて44になる。すなわち、この図は、面積によってπ≒22/7を表す図になっている。これはきれいだ。

○図左下:さらに、円周率の近似値として知られる、π≒√10=3.162...を表す図を描いてみた。みどりの線が周囲の長さ8√5の八角形で(1:2の長方形の対角線の長さは√5だ)、赤の線が直径4√2の円である。8√5/4√2=√10なので、π≒√10を表す図になっているというわけである。これもなかなかきれいな図だ。

○図右下:π≒√2+√3=3.146...を表す図も描いてみた。1:√2の長方形を、図のように敷いて、それを使って八角形を描く。その周囲の長さは4(√2+√3)になる。赤い線は、長方形の短辺を定規にして描いた、直径4の円である。

エッシャー風折鶴ステンドグラスとピックの公式2012/07/23 23:37

エッシャー風折鶴ステンドグラス
妻に製作を頼んでいたエッシャー風折鶴連続模様のステンドグラスが完成した。妻のステンドグラス製作経験は1年に満たず、期間は4ヶ月ぐらいかかったけれど、これは、なかなかのものじゃないだろうか。

「エッシャー風折鶴」(デザイン:前川淳 製作:前川純子(すみこ))

デザイン自体はかなり以前のもので、基本は、図のように、4×6の長方形を、格子点を基準に、出っ張らせたりへっこませたりしてつくったものである。

格子点を結んだ多角形と言えば、昨日の書き込み・「円周率近似値の日」にもそういった図形がでてきたが、こうした図形に当てはまる「ピックの公式」というものがあって、これが面白いので、紹介しておこう。意外性があって、実用性もあるのだが、それほどは知られていない式である。

ピックの公式
頂点が等間隔の格子点にのる、穴のない多角形の面積は、つぎのように求められる。
内部に含まれる格子点の数をP、辺にのる格子点の数をQとすると、面積Sは、S=P+Q/2-1である。

この式の発見者・ゲオルグ・アレクサンダー・ピックは、ユダヤ系のオーストリア人数学者で、アインシュタインと親交があったというひとだ。長生きはしたが、1942年7月26日に強制収容所で亡くなっている。明々後日が70年目の命日になる。

折鶴のかたちの面積をピックの公式で計算すると、内部に含まれる格子点が15、辺にのる格子点が20で、15+20/2-1=24と、もとの4×6の長方形と同じであることが確認できる。(なお、ピックの公式は、しきつめられる多角形のみのものではないので、そこは誤解なきよう)