正四面体とか飛行機雲とか2012/06/06 22:05

◇某月某日
「仕事をしていないときに、よい仕事をする」という表現が思い浮かんだ。前者が「業務」で、後者がより一般的な「動き」といった意味である。

◇某月某日
「時イノシシ表」になっていた。
時"亥"表

◇某月某日
牛が二足走行していた。
牛走運送

◇某月某日
みごとな飛行機雲を見た。飛行機雲というのは、どこか詩的な言葉だ。英語だと、vapor trail(直訳:蒸気跡)、contrail(condensation trail:直訳:凝結跡)と言うようで、なんだか学術用語っぽい。
飛行機雲

◇某月某日
神保町の古書店・明倫館書店の外に山積みになっていた『数学セミナー』から、伏見満枝さんの折り紙記事(『たとう紙の幾何』)が表紙になった1977年3月号を発掘した。『遊びにひそむ数理』という特集の一記事で、ほかの記事も面白い。

◇某月某日
群馬県藤岡市で、「算聖 関孝和先生の墓」という案内標識を見つけ、掃苔(墓参り)した。生年がはっきりしないことと、ちょうどそのころ孝和の実父が藤岡から江戸に移っているので生地は不明だそうだが、藤岡は孝和の「故郷」である。ただ、この墓は、昭和になって東京都新宿区の浄輪寺から分霊したものだという。
妻「数学ができるようにって祈ったの?」
わたし「いまさら無理だよ。計算間違いをしませんようにって」

◇某月某日
群馬県のサービスエリアで、斜方立方八面体の達磨のパッケージのクッキー を見つけた。高崎の達磨にちなむものである。三角形の部分は、正三角形(の穴)、√5:√5:2の二等辺三角形、√5:2:1の直角三角形ふたつからなる三角錐の凹みになっている。
上州だるまちょこちっぷくっきー

◇某月某日
正四面体ベースのモデルがいくつかできた。「正四面体状の枠に捕われた立方体」(右下。6枚組)は、前例がありそうだが、すっきりしてよい。左下の正方形2枚組も、単純だが、コロンブスの卵かもしれない。
正四面体モデル

◇6月6日
金星の太陽面通過は、これで見た。これなら、曇りでも見えるのである。

ウミウシ滑り台2012/06/13 22:56

ウミウシ滑り台
ウミウシみたいな滑り台があった(写真)。色合い的には、フチが黄色で本体が青だと、よりウミウシらしい。
双曲放物面(z=x^2-y^2)のようなかたち(図)とも言える。

「ホウブツソウキョクメン」を変換したら、「法仏箏曲面」とでた。これは、あれだ。雅楽みたいな、しかし、神事というより仏教行事、「舞楽法要」っていうのかな、それで使う面のことだろう、きっと。(ちがいます)

追記(6/14):ホウブツソウキョクメンではなくソウキョクホウブツメンだった。(上記も修正)

流星2012/06/13 22:59

死ぬときはひとりぼっち
一週間ぐらい前。
「ブラッドベリさん亡くなったのね」
「『死ぬ時はひとりぼっち』だったのかな」

書庫には『死ぬ時はひとりぼっち』もあったが、『サイボーグ009』のネタにもなったことで有名な、『万華鏡』(『刺青の男』所収)を読み返した。
大気圏に突入したら、おれは流星のように燃えるだろう。
「ひょっとして」と、ホリスは言った。「だれかにおれの姿が見えないものだろうか」

田舎の道を歩いていた少年が、空を見上げて叫んだ。
「あ、お母さん、見てごらん!流れ星!」
イリノイ州のたそがれの空を、まっしろに輝く一つの星が走った。
「願いごとをおっしゃい」と、母親が言った。「願いごとをおっしゃい」
(『万華鏡』レイ・ブラッドベリ 小笠原豊樹訳)

流星に願い事をする習慣の起源はどこにあるのだろうかと考えた。
多くの文化で、流星は吉兆というより凶兆ではないだろうか。ただ、以前読んだ『あの星はなにに見える?』(出雲晶子著)という本にはこんなことも書いてあった。
アラビアでは、神がジン(悪霊)を撃ち落とすためのものとして流星がある、と。

レンズ雲2012/06/20 21:31

レンズ雲
富士山のやや東側の上空と思われる場所に、きれいなレンズ雲がでていた。(撮影地:野辺山高原)

台風4号が通過したために、富士山の西斜面に沿って強い西風が吹き、その上昇気流によってこの雲が生まれたものと推測される。風速が速かったために、笠雲ではなく、やや東よりのかつ高い位置に発生したのだろう。
高積雲でも層積雲でも、レンズ雲は「地形性雲」だ。気流が丘や山のような障害物にぶつかって押しあげられたときにできるもので、山地ではよくみられる。
(レンズ雲は)流れの速い川で水が大きい岩の上を越えるときに見られる定常波に似ている。水は激しく流れていても、波頭は静止して見える。
(『「雲」の楽しみ方』(ギャヴィン・プレイター-ピニー著 桃井緑美子訳)

オトシブミの揺籃など2012/06/30 12:27

オトシブミの揺籃
オトシブミの揺籃がたくさん落ちていた。文字通りの「葉巻」である。「かれら」の技術がきわめて折り紙的であることは、以前、昆虫学者の鈴木邦雄さんから聞いていたが、本物をつくづく見るのは初めてだ。解きほぐしてみたい誘惑にもかられたが、可哀想なのでやめた。考えてみると、オトシブミが「一枚折り」なら、ミノムシは、「ユニット」である。

先週の土曜日は、折り紙の科学・数学・教育研究集会。会には直接関係ないけれど、3Dプリンタで出力したモノを持っていたひとがいた。熱すると可塑的になる樹脂をノズルから出力して積層していく方式によるもの、ということだった。この方式の簡易な機械は10万円ぐらいからあるらしい。「これ」をやわらかめの樹脂でつくってみたい…かな。