消波ブロックのことなど2012/04/26 12:48

正方形用紙の二枚組の「テトラポッド」のよいものができた。ほかにも数点新作。最近、帰宅してから、毎日折り紙をしている。

ところで、テトラポッドというのは、不動テトラという会社の商品名で、一般名称は消波ブロックである。そして、消波ブロックには、さまざまなかたちのバリエーションがある。以前、舘知宏さんから教えてもらった日本消波根固ブロック協会(にほんしょうはねがためブロックきょうかい)(なんか、すごい名前だ)のサイトにあるブロック立体図一覧(抜粋)(PDF)が、面白い。

今回の折り紙モデルのような、四面体状の「四方錐ブロック」のほかにも、多数の面白いブロックがある。わたしが実物を見た記憶があるのは、「中空三角ブロック」や、「六脚ブロック(A形)」だが、ほかにもいろいろだ。

▲突起が5個の「ペンタコン」。ゴンではなくコンである(コンクリートのコンだろう)。四角錐台三つと、三角錐台がふたつという構造だ。

▲三本の角柱がXYZに配置された「三柱」は、ペンローズの三角形みたいにも見える。

▲「ガンマエル」は、座標で示すと(0, 0, 0) (1, 0, 0) (1, 1, 0) (1, 1, 1)という構造で、 名前の由来はギリシア文字のガンマ(Γ)と英字のLだろう。

▲「三基ブロック(C型)」は、四角柱に三角柱が4つくっついたものだが、向かい合った三角柱の向きが異なるところに味がある。

▲「アクモン」「ドロス」「シーロック」は、プロパジエン(CH2=C=CH2)などのアレンの分子構造になっている。アクモンとかドロスの命名の由来は見当がつかない。

そして、どんな世界にもマニアはいるもので、「消波ブロックマニアのサイトです」という沿岸防衛体研究所なるサイトもあった。日本消波根固協会の「ブロック立体図一覧(抜粋)」には掲載されていなくて、このサイトに載っていた「グラスプ  Pタイプ」もいい。これはエタン( CH3−CH3)の分子構造だ。

テトラポッドのポッドはiPodのpod(さや)とは違って、gastropod(腹足類)のような、脚を意味するpodであろう。トライポッドというと「三脚」のことになる。しかし、SF好きが「トライポッド」で思い浮かべるのは、H.G. ウェルズの『宇宙戦争』(ふたつの世界の戦争)にでてくる火星人の兵器だ。さらに、SFの古典で三本脚と言えば、ジョン・ウィンダムの『トリフィド時代』の肉食歩行植物「トリフィド」がある。これは、トリポッドではなくトリフィドだ。
というふうに連想が広がって思い出したことがある。『トリフィド時代』が、大流星群を見たひとたちが盲目になるということから話が始まっていたことである。5月21日には金環日食がある。肉眼や、サングラスだけで太陽を見るのはたいへん危険なので気をつけましょう。