あなたの好きな四角形は? ― 2008/06/15 17:41
写真上が調査に使った図(『フィボナッチ数の小宇宙』)で、写真左が、1860年にドイツの心理学者・グスタフ・フェヒナーの行った調査の結果である。できすぎなくらいに黄金比にピークがあることがわかる。
そして、写真右が、2001年に中村滋氏が日本人250人(たぶん学生が中心)を対象にした調査の結果である。これが、じつに興味深い。正方形と、白銀比、黄金比にピークがあるのだ。(なお、このグラフには表示されていないデータもある。フェヒナーと中村滋氏のアンケートは、ベストとワーストを選ぶかたちになっているが、牟田氏のグラフはベストの数のみを示しているのだ。中村氏の調査において、正方形は、ベストも17.7%だが、ワーストも18.9%になっている)
いずれにせよ、じつに面白い結果である。母集団が折り紙を趣味とするひとたちであった場合、結果がまったく異なるものになることも予想される。そこでは、正方形が圧倒的に好まれるはずだ。
アンテナつきのラブレター ― 2008/06/15 17:58
むろん、触角は省略しても、蝶らしさは表現できる。また、別の特徴に注目することもある。たとえば、ナバホ族のあやとりの蝶は、螺旋状の口吻を強調している。たしかに、あのぐるぐる巻きも実に「蝶的」である。
触角、口吻…。しかし、やはり、翅こそが蝶の蝶たる特徴である。これに関して、ジュール・ルナールの『博物誌』を見なおしていて、ちょっとした発見をした。
蝶。二つ折りの恋文が、花の番地を捜している。(岸田国士訳)『博物誌』の中でも有名な文章である。これは、蝶の飛翔動作、つまり、ひらひらと花から花という動きが、詩想の基本だとずっと思っていた。それも間違いではないだろう。しかし、あらためて挿絵(ピエール・ボナール)を見ると、蝶の翅のかたちがハート型にも見えるということに気がついた。このハート型が、恋文という連想を生んだという面もあるかもしれない。すくなくとも、ボナールの絵は意図的にハート型に描かれているのではないだろうか
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