「とぐろ巻・菱形十二面体」2008/06/02 00:34

「とぐろ巻・菱形十二面体」
 1対6√2のテープ状のかたちから折った角錐の連なりが、とぐろを巻いてぴったり収まって十二面体になる、というモデル。紙の摩擦やテンションだけでは安定しないので、無理にまとめるのをあきらめて、輪ゴムで留めた。輪ゴムは正六角形になるのだが、これがなんだか気にいってしまった。輪ゴムは1本でもよいが、4本だと対称性が高い。

輪ゴム手鞠2008/06/02 00:45

輪ゴム手鞠
 「とぐろ巻・菱形十二面体」の輪ゴム留めから、球体に対称的に輪ゴムを巻くという遊びを思いついた。これがけっこう面白くてハマってしまった。球面刺繍とでもいうべき「手鞠」と似ているが、輪ゴムを留めるだけなので、手軽に楽しめる。輪ゴムの数は、上段左から3本、4本、6本、6本、7本、9本、6本。この他にも様々なパターンが考えられる。なお、下段右端のみ、輪ゴムが大円(中心が球の中心になる円)になっていない。球は、日曜大工センターで売っていた発泡スチロールで、輪ゴムは少し幅広のものがよい。

輪ゴム留め立方体2008/06/02 01:10

輪ゴム留め立方体
「輪ゴム手鞠」の立方体版。輪ゴム数4がきれいにまとまって、ちょっと面白い。ひとつひとつの輪ゴムは正六角形になっている。

これはマグリットではない2008/06/03 00:25

非核宣言
 写真は、山梨県北杜市の市役所に貼ってあった、山梨県非核宣言自治体連絡協議会の「非核宣言」のポスター。折鶴の平和・反核の象徴性は、完全に定着している。
 よく見ると、折鶴の背中がM字にへこんでいる。これはちょっと変だ。ふつうにつくればそうはならない。
 曇り空の中の鳥のかたちをした青空という図像は、ルネ・マグリットの「大家族」を引用したものだろう。

丸石神その18 &くくり猿2008/06/08 12:13

奈良町
 先々週訪れた奈良。猿沢池から南、通称・奈良町(ならまち)に向かう小道を歩くと、率川(いさがわ)という小川にかかる橋の下に、舟形の小島が見えた(写真左)。赤い前垂からもわかるように、地蔵が祀られているのだが、その島の左右に丸石があった(写真左・手前)。この写真には写っていないが、「舟」の艫(とも)には、五輪塔の風輪と空輪(半球と宝珠)とおぼしきものがあったので、丸石も、同じく五輪塔の水輪を再利用したものである可能性が高い。
 橋から200mのところには、その名も「道祖神社」なる神社もあったが、そこには丸石はなかった。率川の地蔵と道祖神社の関連も不明だ。なお、この道祖神社の祭神は、記紀における「道開きの神」でもある猿田彦である。

 奈良町、すなわち、奈良市街南西の一体は、近世から昭和初期の町並みがのこる地域である。奈良と聞いてイメージする、興福寺・東大寺・春日大社近辺の天平文化の雰囲気とはずいぶん違ったたたずまいを見せている。立派な庚申堂があって、くくり猿(写真右:奈良町資料館:奈良町では「身代わり猿」と称する)を軒に連ねて下げた家も多い。そう。奈良町は、猿沢池から、サルタヒコ、庚申堂と、サルゆかりの土地になっているのだ。奈良の申(西南西)の方角にあるのも偶然ではない、と見た。
 ちなみに、くくり猿(≒這子:ほうこ、さるぼぼ)は、折鶴と似た起源を持った造形ではないか、という岡村昌夫さんの説がある。たしかに、四角形の四隅を寄せるとかたちと、ある種の呪術的な力などが似ている。

あなたの好きな四角形は?2008/06/15 17:41

『フィボナッチ数の小宇宙』(中村滋著)&『アートのための数学』(牟田淳著)
 『アートのための数学』(牟田淳著)に、長方形の縦横比(アスペクト比)のどれが好まれるのかという調査結果のグラフが載っていた。もとのデータは、『フィボナッチ数の小宇宙(ミクロコスモス)』(中村滋著)のものである。
 写真上が調査に使った図(『フィボナッチ数の小宇宙』)で、写真左が、1860年にドイツの心理学者・グスタフ・フェヒナーの行った調査の結果である。できすぎなくらいに黄金比にピークがあることがわかる。
 そして、写真右が、2001年に中村滋氏が日本人250人(たぶん学生が中心)を対象にした調査の結果である。これが、じつに興味深い。正方形と、白銀比、黄金比にピークがあるのだ。(なお、このグラフには表示されていないデータもある。フェヒナーと中村滋氏のアンケートは、ベストとワーストを選ぶかたちになっているが、牟田氏のグラフはベストの数のみを示しているのだ。中村氏の調査において、正方形は、ベストも17.7%だが、ワーストも18.9%になっている)
 いずれにせよ、じつに面白い結果である。母集団が折り紙を趣味とするひとたちであった場合、結果がまったく異なるものになることも予想される。そこでは、正方形が圧倒的に好まれるはずだ。

アンテナつきのラブレター2008/06/15 17:58

蝶
 触角のある蝶を無理のない工程でつくるというモチーフに突然かられた。図鑑的に正確と言えないところもあるのだが、すっきりとしたものができた。蝶をデザイン化、記号化するときに、触角(アンテナ)は外せないという感覚を持つひとは多いはずだ。幼児のちょうちょの絵も触角がついているし、蝶の別名・「胡蝶」の「胡」も、たしか、ひげということだ。しかし、折り紙の蝶では触角を省略したものが多い。それが、ちょっと物足りなかったというわけである
 むろん、触角は省略しても、蝶らしさは表現できる。また、別の特徴に注目することもある。たとえば、ナバホ族のあやとりの蝶は、螺旋状の口吻を強調している。たしかに、あのぐるぐる巻きも実に「蝶的」である。
 触角、口吻…。しかし、やはり、翅こそが蝶の蝶たる特徴である。これに関して、ジュール・ルナールの『博物誌』を見なおしていて、ちょっとした発見をした。
蝶。二つ折りの恋文が、花の番地を捜している。(岸田国士訳)
 『博物誌』の中でも有名な文章である。これは、蝶の飛翔動作、つまり、ひらひらと花から花という動きが、詩想の基本だとずっと思っていた。それも間違いではないだろう。しかし、あらためて挿絵(ピエール・ボナール)を見ると、蝶の翅のかたちがハート型にも見えるということに気がついた。このハート型が、恋文という連想を生んだという面もあるかもしれない。すくなくとも、ボナールの絵は意図的にハート型に描かれているのではないだろうか

第4回折り紙の科学・数学・教育研究集会2008/06/25 12:08

第4回折り紙の科学・数学・教育研究集会
 日曜日、第4回折り紙の科学・数学・教育 研究集会で、世話人をつとめた。今回も充実した内容で、川崎敏和さんが中心になって、折り紙の研究に関する投稿論文集の企画も動きだした。
 発表のひとつ・上原隆平さんの「複数の箱を作ることのできる展開図の研究」を紹介しておきたい。複数と言っても、現在見つかっているのは、2種類の箱が可能な展開図である。なお、これは、折り目が格子に沿っており、かつ立体は凸多面体であるという条件による。斜めの(自由な)折り目を許すと、3つ以上のものもある。ただ、それを計算機にのせて数え上げるのがたいへんなのは、想像に難くない。また、直感的には、格子に沿った折り目でも、凸多面体の箱(つまり直方体)という条件を外すと、3つ以上のかたちが可能であるような気もする。

「ぎっしり詰まった箱」他2008/06/29 12:28

「ぎっしり詰まった箱」他
 またもや、似たようなモデルですが。
 上:「賽は分けられた その3」 正方形2枚。最初の比率の折りだしがすこし難しいけれど、予定調和的な構造にうっとりしてしまった。
 下左:「三分一升その2」 正方形1枚。高さを1とすると、幅は√2、したがって、直方体の体積は2、凹んだ部分の体積は2/3で、その比率が3対1になる。「三分一升」のお仲間。
 下右:「ぎっしり詰まった箱」:1対√2長方形6枚。閉じるとただの立方体になる。 こちらは、「何も入らない箱」のお仲間。

「体積のない立方体」他2008/06/29 12:29

「体積のない立方体」他
 さらに、似たようなモデルですが。
 左:「体積のない立方体」 正方形1枚。閉じた空間がないので、体積がない、ということである。角錐のくぼみが6つになっている。
 右:「デュアル・ディアボロ・キューブ」 1対√2長方形2枚。側面のかたちをディアボロ(輪鼓)に見立てて、デュアル(ふたつの)と韻を踏んで(?)みた。