感想2007/07/28 10:04

 『本格折り紙』の感想が耳にはいり始めた。恬淡(てんたん)としていたいのだが、今日だけ、簡単に。
 わたしが手をまわしたのではないかと疑われそうな絶賛もあるが、やはり「難しい」という感想もあった。それは、作品自体でもあり、図や説明でもあるだろう。しかし、「難しい」と言っていたひとが、「わかった」とひざを打つことになるという、著者にとって最高の喜びもあった。あとがきにも書いたように「わたしの個人的な「ユリイカ!」(わかったぞ!)を多くのひとと共有したい」というのが、本をつくった大きい動機なので、これはなによりうれしかった。
 解説部分については、過剰なものと見るひともいるだろうが、三浦公亮先生からの「かこみの部分がとてもよく、参考になります」というコメントが、ほんとうにありがたかった。逆に、物足りないというひともいるかもしれない。
 今週末には、日本折紙学会の隔月機関誌『折紙探偵団』の最新号も発行される。エッセイを連載中である。ふだんのわたしを知るひとからは想像がつかないだろうけれど、自分の文章が載った雑誌などは、面映ゆくてしばらくは身の回りから遠ざけてしまう。こうしたネットの文章にはあまりそういうことはない。なぜなのだろうか。

コメント

_ めぐろ ― 2007/09/07 21:30

こちらでははじめまして。めぐろです。
本日初めて店頭で”本格折り紙”を拝見しましたが、
技術的な解説に関し偏った書き方をされていて、
率直なところ迷惑を感じています。
円領域分子法の一連の技術的土台は私が単独で開発したものです。
もちろんその基礎には前川さんの開発した技術が入っていますので、
円領域分子法を前川さんに引用されること自体は光栄なのですが、
”本格折り紙”の記述だとまるでLangさんも一値性や円領域自体の
開発に関与したような印象を受けます。
私は、自分が開発したものに自分の名前を引用してもらうことを
求めませんが、このような事実と異なる印象を受ける記述を
書かれるならば、私がオリジナルで開発した技法に関しては
開発者名を明記していただきたいと思います。
もちろん私の開発した技法はどなたがどのように使われても
自由なので、上記は私の単なる希望で、それを要求するものでは
ありません。
ただ、私にとっての折紙の技法開発は、折紙作品の創作活動と
同じ意味を持っています。
一値性や、円領域、樹状図などは、私にとって創作活動の結果で
生じた作品です。
物を作る人間としての守るべきけじめは守っていただきたいと思います。

_ めぐろ ― 2007/09/09 00:03

レスありがとうございます。
先の私の書き込みで、「迷惑を感じている」と書きましたが、
御誠意あるレスをいただき、その思いはなくなりました。
また、「物を作る人間としての守るべきけじめは守って
いただきたいと思います。」
とも書きましたが、今回のご返答で、物を作る人間としての
けじめを守っていただいていることもわかりました。
勝手ながら、先の書きこみの「迷惑を感じている」とした
部分と「物を作る人間としての守るべきけじめは守って
いただきたいと思います。」とした部分は取り消させて下さい。
(私の文章は刺があるようです。決してカドをたてようなどと
思っているわけではありませんのでご容赦いただければ幸いです。)

ただ、自分の技法の引用され方に関して「??」の部分は
やはりあるのです。

この事も含めて以下に書かせていただきます。

>めぐろさんの気持ちは、どういうものなのでしょうか。
>・紹介されたこと自体。

大変光栄に思っています。これからもよろしくお願いいたします。

>・どうせ紹介するのなら、もっとつっこんだ内容にしてほしかった。

”本格折り紙”は「いろいろな人が読む本として、うまくまとめられたのだな。」という感想です。
それと同時に、前川さんの本で、もっとつっこんだ内容を扱っていただければ、それは非常に有意義なので是非やっていただきたいとも期待させていただいております。

>・プライオリティーがいまひとつはっきりしない記述は困る。

特におかしな状況がなければ、私の名前を出してほしいという
要求をするつもりは全くありません。
しかし、「何らかのおかしな状況が起こっているときは、
プライオリティーがいまひとつはっきりしない記述は困る。」
というのが私の書き込みの主旨です。

前川さんは、「LANGさんも同様の理論をほとんど独自に
考えたのものである、と理解していますので、あのような
記述になっています。」
と書かれましたが、そのような事実はありません。
前川さんが書かれたような認識が、事実と全く異なっている
のにもかかわらずに広まっている、ということが現在円領域分子法に
関して起こっているおかしな状況そのものなのです。

>・出版前に連絡してほしかった。

いえ、私の開発した折紙技法はどなたがどのように使われても自由ですし、私に対する連絡など全くお気にかけずに使っていただければ幸いです。

いずれにしましても、前川さんのレスによって、「前川さんが物を作る人間としてのけじめを守っておられるのに、なぜ私の感想とズレが生じてしまったのか」ということの理由がはっきりわかりました。
感謝申し上げます。

_ maekawa ― 2007/09/10 18:58

めぐろさんのおっしゃりたいことの主旨、わかりました。
わたしが「LANGさんも同様の理論をほとんど独自に考えたのものである、と理解」したのは、文献等をあたった上でのことでしたが、調査が足りなかったみたいです。
いずれにせよ、「円領域分子法」や「一値性」といった概念に関するめぐろさんのプライオリティーは明らかなので、増刷の機会があれば、それらのプライオリティーに関する記述を、読者にとってもっと明確にわかるように修正したいと思います。

_ めぐろ ― 2007/09/12 21:29

今回の件で丁寧な御返答をいただき 、ありがとうございます。
前川さんには"本格折り紙"の修正まで言及していただきましたが、
すでに一連の御返答をいただきましたので、特に今現在以上の対処を
とっていただくまでもないことと存じます。

ただ、先に私が書きこませていただきましたことの主旨は
変わりませんので、今後何かの折にでも、いくらかでも
思い出していただければ幸いです。

"本格折り紙"のわずかな部分のことで今回はお騒がせして
しまいましたが、それは置いておいて、折紙技術に関する書で
"本格折り紙"以上の良書は現時点では存在しないものとも
思っております。
"本格折り紙"が是非とも折紙界のベストセラーになりますよう
心からお祈りしております。

失礼いたしました。

_ Joker ― 2007/09/24 21:00

初めまして。Jokerと申します。今日『本格折り紙』を購入し、生まれて初めて「悪魔」を折りました。感激です。その同じ日に前川さんのブログを発見するとは……。ファンです(『美の図学』持っています)。

学生時代は幾何学専攻でした。折り紙は得意ではありませんが、壁紙(テセレーション)を作るのが趣味です。サイトに(うなぎのらくがきというコーナーに)少し載せてあります。お暇なとき、どうぞ遊びにお越し下さい。

_ maekawa ― 2007/09/26 20:57

Jokerさん、サイト見ました。「うごくかべがみ」など、面白かったです。

_ Joker ― 2007/09/26 22:33

こんばんは。
舞い上がってしまい、何を書いたものか分かりません。
とにかく感激です。今後ともよろしくお願いいたします。

_ maekawa ― 2007/10/05 02:51

まちがって、めぐろさんへの最初の返事を消してしまった。バックアップもなし。めぐろさんの回答で文脈は通じるけれど。

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