平田一式飾(ひらたいっしきかざり)2007/07/22 21:27

 昨日は個人的に盛りだくさんな一日だったが、イベント的日常は続いていて、昨晩から夜行寝台に揺られて12時間、今日は、島根県出雲市平田に行った。「平田まつり」の主行事は昨夜終了しているのだが、この日まで展示されている「一式飾」を見に行ったのである。
 「一式飾」とはなにか。ひとことで言えば、見立ての見世物である。写真をよく見てほしい。この龍は、すべて既製の陶器でできている。鼻先はガマガエルの置物、鼻の穴はレンゲ、角は燭台、眼は小鉢の裏、鱗は小皿、髭は碍子(?)、等々である。これすなわち、「陶器一式」という。他にも自転車部品一式、裁縫一式などがあった。
 平田一式飾。それは、江戸時代に流行った見立て見世物が、ほとんどそのまま伝わっている、世にも珍しい民俗行事なのだ。この町のひとたちは、二百余年もこんなに面白いことやっているのだ。うらやましいし、偉い!
 22日は、基本的には「祭りの後」の日なので、見学者は少なかった。小雨が降り続き、天気があまりよくなかったこともある。そんな中で、熱心に街角に点在する展示を見ていたわたしと妻は、讀売新聞の記者の取材を受けた。そして、東京からこのために来たと言うと、かなり驚かれたのであった。