十球パズル2010/03/02 23:48

十球パズル
 以前、「月見団子の積み方」で触れた、「ピラミッドパズル」という商品がある。一直線に連結した4個の球からなるパーツふたつ、一直線に連結した3個の球からなるパーツ4個で、1辺4個の球になる正四面体をつくるものだ。

 先日、針金や立方体の木片とともに東急ハンズで買ってきた木の球で、同種のパズルをつくった。連結した2個の球×5で1辺3個の球になるの正四面体をつくるものである。

 解答そのものは易しいが、じっさいに試してみて、摩擦の少ない面で安定させる解答というものがあることがわかった。鏡像を同じとすれば、原理的には解答はひとつなのだが、正四面体の4面がどれも同じになるわけではないので、安定させるには、どの面を下にするかが重要になる。なんでもじっさいにやってみると、発見があるものだ。

 このパズルでは、結晶学でいう最密充填構造の「美しさ」が実感できる。このような積み方が、最密(最もぎっしり球を詰め込むことができる)であることは、ケプラーが予想したものだが、証明は400年後の1997年、T. C. ヘイルズ氏によってなされた。問題の設定から証明までの長さは、フェルマーの最終定理を超えている。