針金細工・多面体(多辺体)-つづき-2010/02/13 13:19

針金細工・多面体(多辺体)
 昨日、帰宅途中に日曜大工センターに寄って、針金を買ってきた。そして深夜まで、針金細工の立方八面体(正二十四辺体?:写真左上)をつくりながら、以下のことを考えた。

◇その1:面を充填する曲線
 これらの細工をするときに、暗黙裡に、ふたつのルールを課していた。まず、閉じたパスとすること。そして、線を交差させないこと、つまり、平面的グラフにするということだ。後者によって、この一筆書きは、ドラゴン曲線、コウモリ曲線(伏見先生の絵参照)に類する、平面を充填する曲線の球面版になっていたと言える。

 いままでわたしは、これらの曲線に関して頭の中で整理されておらず、ドラゴン曲線とヒルベルト曲線を混同していたこともあったが、針金細工体験により、それが整理された。

 面を充填する曲線と称される曲線には、すくなくとも、以下の二つのタイプがある。
(1)面の格子点を一回だけ全部通るタイプ。
(2)面の格子の線を一回だけ全部通るタイプ。
 前者は、ペアノ曲線、ヒルベルト曲線、シェルピンスキー曲線といったもので、ペアノ曲線はそれらの総称として使われることもある。これらは、ハミルトングラフの問題に対応する。
後者は、ドラゴン曲線、コウモリ曲線などである。これらは、オイラーグラフの問題(一筆書き)に対応する。針金細工は、後者にあたる。
(以上、認識に、誤りはないはず)

◇その2:数え上げの問題
 写真に載せた針金多面体(多辺体)は、それぞれその一例であり、針金の経路は何種類かある。それを数え上げる方法は、いくつか考えられるが、以下のようにすると、わかりやすく、じっさいに細工するときにも都合がよい。たとえば、正八面体。

・線が交差していないので、平面に展開が可能である。
・正八面体を、正四面体の頂点を切り落とした「切頂正四面体」として考える。
・正四面体の展開図は二種類である。(右下図参照)
・よって、「針金正八面体」つまり、切り落とした部分を穴とする「切頂正四面体」の展開図も二種類である。(右下図参照)

 立方八面体も「切頂立方体」と考えて、立方体の展開図である11種ということになるはずである。

◇その3:その他の立体
 ほかにつくりやすいかたちには、斜方立方八面体 (□18、△8)がある。
 また、本来一筆書きできない立体に線を加えて一筆書き可能にすることが考えられる。きれいなものは思い浮かんでいないけれど。

 以上、突如ハマった、針金細工多面体(多辺体)の小研究でありました。