楓ヶ丘動物園シリーズ2019/12/31 21:45

似鳥鶏さんの楓ヶ丘動物園シリーズ『午後からはワニ日和』、『ダチョウは軽車両に該当します』、『迷いアルパカ拾いました』、『モモンガの件はおまかせ』)のレギュラーキャラクター・七森さやさんが、筋金入りの折紙者なので驚いて、シリーズを一気読みした。
(レギュラーキャラクターと書くと、シリーズを最初から読むひとに若干のネタバレになるけれど、許される範囲でしょう。なお、年明けには、シリーズ最新刊『七丁目まで空が象色』もでるらしい)

彼女が折るのは、ゴルゴサウルス、ハロウィンの南瓜、淀川長治、イラガの幼虫、『べルサイユのばら』でオスカルを演じた朝海ひかる、アダムスキー型UFO等々だ。
「『べルサイユのばら』でオスカルを演じた朝海ひかる」ってなに? しかも、ふつうの折り紙用紙ではなく、メモ用紙、チラシ、企画書、ティッシュ、伝票など、身の周りにある紙で、会話をしながら折る。逸材である。

2012年から始まったシリーズなのに、ミステリ好きの折り紙作家として、このシリーズに気がついていないのは、不覚であった。似鳥鶏さんは、いわゆる日常の謎やキャラ立ちの話と思わせて、ミスディレクションや伏線の張りかたが巧みな本格ミステリ、という作風なので、かなりの作を読んでいたのだが、なぜか、このシリーズは読み落としていた。
楓ヶ丘動物園シリーズ
写真は、『午後からはワニ日和』についていた帯で折った、二作目の「主人公」のダチョウ。七森嬢の作風を真似た、ということである。胴体にダチョウの文字が出るように工夫した。

似鳥さんの話づくりは、物語の予定調和をすこしずらしてくるのがよい。たとえば、『100億人のヨリコさん』。森見登美彦さん的な話かなと読み始めたら、バカSF的な理屈がバーストし、事件自身の論理で話がころがってゆくのである。

◆紅白歌合戦の『紙の鶴』(丘みどりさん)という歌、初めて聞いた。

では、みなさん、よいお年を。

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