似鳥鶏さんの
楓ヶ丘動物園シリーズ(
『午後からはワニ日和』、『ダチョウは軽車両に該当します』、『迷いアルパカ拾いました』、『モモンガの件はおまかせ』)のレギュラーキャラクター・七森さやさんが、筋金入りの折紙者なので驚いて、シリーズを一気読みした。
(レギュラーキャラクターと書くと、シリーズを最初から読むひとに若干のネタバレになるけれど、許される範囲でしょう。なお、年明けには、シリーズ最新刊『七丁目まで空が象色』もでるらしい)
彼女が折るのは、ゴルゴサウルス、ハロウィンの南瓜、淀川長治、イラガの幼虫、『べルサイユのばら』でオスカルを演じた朝海ひかる、アダムスキー型UFO等々だ。
「『べルサイユのばら』でオスカルを演じた朝海ひかる」ってなに? しかも、ふつうの折り紙用紙ではなく、メモ用紙、チラシ、企画書、ティッシュ、伝票など、身の周りにある紙で、会話をしながら折る。逸材である。
2012年から始まったシリーズなのに、ミステリ好きの折り紙作家として、このシリーズに気がついていないのは、不覚であった。似鳥鶏さんは、いわゆる日常の謎やキャラ立ちの話と思わせて、ミスディレクションや伏線の張りかたが巧みな本格ミステリ、という作風なので、かなりの作を読んでいたのだが、なぜか、このシリーズは読み落としていた。
写真は、『午後からはワニ日和』についていた帯で折った、二作目の「主人公」のダチョウ。七森嬢の作風を真似た、ということである。胴体にダチョウの文字が出るように工夫した。
似鳥さんの話づくりは、物語の予定調和をすこしずらしてくるのがよい。たとえば、
『100億人のヨリコさん』。森見登美彦さん的な話かなと読み始めたら、バカSF的な理屈がバーストし、事件自身の論理で話がころがってゆくのである。
◆紅白歌合戦の『紙の鶴』(丘みどりさん)という歌、初めて聞いた。
では、みなさん、よいお年を。
このエントリのトラックバックURL: http://origami.asablo.jp/blog/2019/12/31/9196352/tb
※なお、送られたトラックバックはブログの管理者が確認するまで公開されません。
コメントをどうぞ
※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。
※投稿には管理者が設定した質問に答える必要があります。