『折紙歌合 拾遺 其の二』など2019/02/21 20:23

新作が、2/23(土)22:45-23:00に放映される。 NHK Eテレ。
今回は、布施知子さんの「うさぎ」のようだ。

◆『折紙歌合 拾遺 其の二』
『折紙探偵団 171』『折紙歌合- 折り紙が詠み込まれた短歌と俳句 -』を書いてからも、名づけて「折々の歌探索」を続けている。このブログや『折紙探偵団 173』のエッセイでもすこし触れたが、いくつか紹介しよう。

をさな子に鶴の折り方示しをりあはれ飛べざるものばかり生む 安田百合絵

『折紙歌合』で紹介した、赤尾兜子さんの句「帰り花鶴折るうちに折り殺す」も連想するが、優しい視線も感じることができる歌である。

折鶴の天より降(くだ)るこゑは地にあふれて白き木蓮となる 春野りりん

こちらは、服部真理子さんの「白木蓮(はくれん)に紙飛行機のたましいがゆっくり帰ってくる夕まぐれ」と類想だが、どちらもとてもよい。

折ればより青くなるからセロファンで青い鶴折る無言のふたり 兵庫ユカ

セロファンの折鶴といえば、広島の佐々木禎子さんが千羽鶴を折るきっかけになった、愛知淑徳高等学校の少女たちによる見舞いの千羽鶴(五千羽、あるいは、四千羽)がそうで、禎子さんもセロファンで折っていたことが知られる。折鶴は、紙の重畳が秩序だっているので、半透明の素材で折っても美しい。青い折鶴ということでは、次の歌もそうだ。

わたくしをすべてひろげて丁寧に折りなほす青い鶴となるまで 荻原裕幸

自分自身を広げて折りなおすという発想は、ありそうでなかった。そう、ひろげられるように、折り紙作品は、なるべく糊付けしないほうがよいのである。