◆小鳥
先日、山荘の玄関にヤマガラのなきがらがあった。「ヤマガラのなきがら」と、はからずも韻を踏んだかたちだが、きちんと置いてある感じで、たぶん、近所の猫からのプレゼントだろう。猫はそれが本性なのでしかたがないが、埋めて弔った。なんだか小鳥が愛おしくなり、ふっくらした小鳥の折り紙を考えてみた。シンプルながらよい感じの立体感を出すことができ、納得のできである。バランスよく立ってくれたのがうれしい。
この作品には、工程上の意外性として、arctan( √2)=54.73...°を、90×5/8=56.25°とみなす近似がある。「あれ、ここで合うはずがないのに合っている」というのは、-それはじっさいに幾何学的に合っていることも、近似のこともあるが- 、折り紙のたのしみのひとつだ。すくなくともわたしとって。尾羽と畳んだ翼はもうすこし工夫しようとも思ったが、この近似もあって、単純なままにした。
隅谷和夫さんから招待券をいただいていたので、先日、蒲田で開催中の「特撮のDNA」展に行ってきた。隅谷さんは、コレクションの中から4点を展示しているということだった。
かなり前のことになるが、隅谷さんの家に行ったことがある。そこは、映画で使ったものがふつうに置いてある特撮の魔窟であった。
『地球最大の決戦』のタイトルで使われたというキングギドラのウロコでタイトル風にしてみた。
初代ゴジラの撮影で使われたオキシジェン・デストロイヤーである。
「ああ、こんなものつくるんじゃなかった」(目を痛めたときのわたしの写真。かなり前)
生まれる前の映画だが、眼帯をつけると、芹沢博士の気分になる。
子供のころに観た初代ゴジラはほんとうに怖かった。そのモチーフに、核と戦争のみならず、科学者の社会的責任もあることを知り瞠目したのは、後年のことである。
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