カージオイドなど2015/10/05 23:12

◆カージオイド
カージオイド
レストランの伝票ケースの中に、ハート型の線が見えることに気づいた。円柱の縁が斜めになっていることや素材の厚みは関係がなく、円柱の内側の反射光がつくるもので、r=1+cosθで表されるカージオイド曲線だ。

◆八面半八面体(Octahemioctahedron)
八面半八面体
正三角形8面と交差する正六角形4面からなる一様多面体の12枚組みを思いつき、じっさいに組んでみたら、なかなかきれいにできた。

クサグモの巣
クサグモの巣
クサグモと思われるクモの巣が見事だった。クサグモの卵嚢には、幕構造建築みたいなものもあるらしいが、実物は見たことがない。

ギョームガイなど2015/10/13 22:45

◆ギョームガイ
ギョームガイ
オウムガイと「業務外」が似ているので、アイコンをつくってみた。

◆野球オフシーズン
クライマックスシリーズのタイガースに関しては、前田大和選手のファインプレーで満足した。去年と同じ感想である。この成績で日本シリーズにでるのもどうかと思うし、野球観戦に削がれる時間が減るので、むしろほっとしている。

◆「萩の月」の5個パック
「萩の月」5個入り
仙台土産の定番に「萩の月」というお菓子がある。その5個パックが写真のようになっていたのが面白かった。個別の箱の絵柄には縦型と横型があるが、これは裏表でそうなっているのである。個別の箱の比率は、(若干の誤差はあるが)7:5で、全体では15:12、つまり5:4という比率である。

◆八面半八面体
八面半八面体 他
先日の「八面半八面体」を、正方形用紙12枚組み(写真右)にしてみた。モデルの特徴であるモジュールのつながりかたの面白さが伝わりにくいかとも思い、1:2の長方形用紙で、中を抜いたモデル(写真左)もつくってみた。前例がありそうな気もしてきたが、悪くない。用紙形は1:√3で足りるが、1:2としたことで、内部の「ひっかけ」ができて、強く組むことができる。

◆『ユニット折り紙カルテット』
連休は、『数学セミナー』の原稿と『折紙探偵団』154号の『ユニット折り紙カルテット』の図を描いていた。『...カルテット』は、正二十面体と正十二面体をベースにしたモデル。隔月誌での、布施さん、川崎さん、川村さんとの4人での連載なので、8ヶ月に1回の担当である。

◆ニュートリノ
ニュートリノの質量の話に関して、古い知識で「暗黒物質と関係があるの?」と天文学者に訊いたところ、暗黒物質の候補としては、ほぼ除外されたとのことであった。そうだったのか。
コンビニ・ニュートリノ
ニュートリノと言えば、かつて神岡町(現・飛騨市)に同名のコンビニエンスストアがあった。客との「相互作用」が薄かったようで、閉店したらしい。

◆一億火の車
震災のときは戦時中の作家の日記などを読んでいたが、最近は、古典的な社会評論が読みたくなる。

『日本思想史における問答体の系譜』(『忠誠と反逆』丸山真男)を立ち読みしたのをきっかけに、中江兆民の『三酔人経綸問答』を読んだところ、一種の予言の書になっていて驚いた。国粋主義者のカリカチュアとして描かれているだろうと予想していた「三酔人」のひとり「豪傑君」も、のちの石原莞爾を思わせるリアルさがあった。というより、石原莞爾もこれを当然読んだと思われる。

中江兆民の号は「億兆の民」からきているとのことである。これまで地球上に存在した人類の累計は1千億ぐらいと見積もることができるので、「億兆の民」という言い回しは、案外、科学的(?)に悪くない。

「億兆」という表現では、(一億ではなく億兆にした理由はいまひとつわからないけれど、)以下のものを見たことがある。

「屠れ英米われらの敵だ 進め一億火の玉だ」
→「むかし英米我らの師 困る億兆火の車」

戦時標語のパロディでは「贅沢は敵だ!→贅沢は素敵だ!」「足らぬ足らぬは工夫が足らぬ→足らぬ足らぬは夫が足らぬ」が有名だが、この「火の車」は、永井荷風の1941年12月12日の日記に記されているものだ。荷風は「或人戯(たはむれ)にこれをもじり」と書いているけれど、本人によるものかもしれない。

『数学セミナー』こぼれ話2015/10/20 22:51

『数学セミナー』に連載中の『折って楽しむ折り紙セミナー』は、折り紙モデルの工程図(いわゆる折り図)とエッセイという構成だが、工程図のスペースが足りなくなって、エッセイを削ることが何回かあった。削ったほうが、冗長にならずによいのだが、直近の10月、11月号で削ったものは、ちょっと紹介してみたい。

◆10月号
カゴメ格子
イジングモデルの「カゴメ格子」(元ネタ:庄司一郎1951、命名:伏見康治)
(図を載せるスペースがなくなったので、省いた)

エッセイでふれた、「イジングモデルと折り紙には,より本質的な類比もあるのではないか」という話は、第18回折り紙の科学・数学・教育研究集会での舘知宏さんの研究がヒントになったものである。

イジングモデルというのは、記事にも書いたように、「統計力学において,格子点の状態を二値化して,隣接点の相互作用を考え(て、相転移などを探る)」モデルである。

いっぽう、舘さんの研究は、折り紙テセレーション(繰り返しパターン折り紙)において、全体を変形させるためには、大局的な変形が必要になったり、相転移的な動きがある、という内容である。

イジングモデルに関しては、つい最近、『相転移と臨界現象の数理』(田崎晴明、原隆著)という立派な教科書も出版された。著者の田崎晴明さんのウェブ上の日記によると、「『カゴメ教授はご健在か?』と訊かれたひとがいる」(カゴメ格子のエキゾチックな単語を人名と思う)というのが,関係者の定番の笑い話だという。

「ダビデの星」の近似
この図は、エッセイに書いた、以下の内容を説明するための図である。
(これも、図を載せるスペースがなくなった)
「主要な折り目は,十二角形の構造なのですが,正十二角形からわずかにずれたかたちなので,きれいに正方形に内接させることはできないのです.結果として,完成モデルには,計算上,正面から見て裏がでる部分がわずかにあります.」

◆11月号
「凹十二面体」の面と大十二面体の外側にでている面
これは、『The Fifty-Nine Icosahedra』(H. S. M. Coxeter, P. Du Val, H. T. Flather, J. F. Petrie)を参照した、「凹十二面体」(excavated dodecahedron)の面と、大二十面体の外側にでている面の図である。
(これまた、図を載せるスペースがなくなった)

「凹十二面体」の組合わせ

「凹十二面体」
上は、6個組の「凹十二面体」の工程図を描くさいにつくったCGをgifアニメにしたものである。

準正多面体と半正多面体2015/10/22 22:19

『彩菊あやかし算法帖』(青柳碧人著)を読んだ。江戸中期の常陸の国、狐狸妖怪が算術の勝負を仕掛け、才気煥発な娘が迎えうつ、という連作小説である。この説明でも明らかなようにファンタジーなので、和算の考証に関する野暮なつっこみはしない。たのしく読み、続編も期待している。ただ、数学に関してひとつだけ重箱の隅をつついておきたい。

『彩菊と逢魔が手毬唄 』の地の文に出てきた切頂二十面体を指す「準正三十二面体」という名である。これは誤りである。この誤りを広めてしまったかもしれないという、宮崎興二さんの話もあるので無理もないのだが、よくある間違いなのだ。

準正多面体は、面が正多角形で、頂点だけではなく辺も区別がつけられない(頂点推移的、辺推移的)な立体で、正多面体でないものをいう。切頂二十面体(サッカーボール)は、正五角形と正六角形が接する辺と、正六角形どうしが接する辺の2種があるので、準正多面体ではないのだ。それは、準正多面体を部分集合に含む半正多面体に属する。準正多面体は、面が交差しない多面体では、立方八面体と、二十・十二面体しかない。