『数学セミナー』に連載中の『折って楽しむ折り紙セミナー』は、折り紙モデルの工程図(いわゆる折り図)とエッセイという構成だが、工程図のスペースが足りなくなって、エッセイを削ることが何回かあった。削ったほうが、冗長にならずによいのだが、直近の10月、11月号で削ったものは、ちょっと紹介してみたい。
◆10月号
イジングモデルの「カゴメ格子」(元ネタ:庄司一郎1951、命名:伏見康治)
(図を載せるスペースがなくなったので、省いた)
イジングモデルというのは、記事にも書いたように、「統計力学において,格子点の状態を二値化して,隣接点の相互作用を考え(て、相転移などを探る)」モデルである。
いっぽう、舘さんの研究は、折り紙テセレーション(繰り返しパターン折り紙)において、全体を変形させるためには、大局的な変形が必要になったり、相転移的な動きがある、という内容である。
イジングモデルに関しては、つい最近、
『相転移と臨界現象の数理』(田崎晴明、原隆著)という立派な教科書も出版された。著者の
田崎晴明さんのウェブ上の日記によると、「『カゴメ教授はご健在か?』と訊かれたひとがいる」(カゴメ格子のエキゾチックな単語を人名と思う)というのが,関係者の定番の笑い話だという。
この図は、エッセイに書いた、以下の内容を説明するための図である。
(これも、図を載せるスペースがなくなった)
「主要な折り目は,十二角形の構造なのですが,正十二角形からわずかにずれたかたちなので,きれいに正方形に内接させることはできないのです.結果として,完成モデルには,計算上,正面から見て裏がでる部分がわずかにあります.」
◆11月号
これは、
『The Fifty-Nine Icosahedra』(H. S. M. Coxeter, P. Du Val, H. T. Flather, J. F. Petrie)を参照した、「凹十二面体」(excavated dodecahedron)の面と、大二十面体の外側にでている面の図である。
(これまた、図を載せるスペースがなくなった)
上は、6個組の「凹十二面体」の工程図を描くさいにつくったCGをgifアニメにしたものである。
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