双曲放物面と九州旅行2013/05/28 22:57

双曲放物面に関連する文章を書いていて、「そうきょくほうぶつめん」が変換できず、「そうきょくせんほうぶつめん」と入力して「線」を削除することを繰り返した。辞書に登録したけれど、これに関連する文章をほぼ書き終わったあとだったので、今後使う機会は、あまりなさそうだ。

と、思っていたところ、先週末、折紙探偵団九州コンベンションに参加したさい、有明佐賀空港で双曲放物面を使ったモニュメントに遭遇した。「あかりしょうじ」(朝日清公)という彫刻で、オクテットトラスの四面体部分に陶器製のそれがはめ込まれている。金属部分の錆によりやや汚れているのが惜しい。

あかりしょうじ(佐賀空港)

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コンベンションがあると、簡単すぎないが折って面白いという作品を考える機会になる。ほんとうにそうした作品はなかなかできないけれど。

帰路、空港に向かう途中、有明海を案内してもらった。写真は、ムツゴロウと蟹。こういうところで暮らしている彼等には、世界は柔らかいものなのだろう。
有明海

九州に向かう二日前までは長野県の野辺山観測所にいた。25日の佐賀での最高気温は軽く30度を超えていたが、同じ日の野辺山の最低気温は1.7度で、前日の24日は零下になっていた。北海道を含む全国のアメダスポイントで最低の気温になることの多い野辺山でも、この時期の零下はさすがに珍しいが、あらためて日本は広いと実感した。

句読点の話2013/05/28 23:05

連載をしている『数学セミナー』は、句読点が「,」「.」である。同誌にかぎらず、科学関係の出版物では、邦文であっても、句読点を「,」「.」にすることが多い。しかし、ふと気になって、ちょっと調べると、けっこう多いのが「,」「。」であることがわかった。

「,」「。」:『Newton』『日経サイエンス』『パリティ』『科学』
「,」「.」:『数学セミナー』『数理科学』『天文月報』『日本物理学会誌』『応用物理』『情報処理』『天文ガイド』
「、」「。」:『natureダイジェスト』

これは、『公用文作成要領』(昭和27年4月4日付け内閣閣甲第16号内閣官房長官依命通知)において、「句読点は,横書きでは「,」および「。」を用いる。」とされていることに由来するものと思われる。
句読点は、縦書きと横書きで打つ位置が異なり、活字時代にはこれが重要だったことが影響しているのかもしれない。「。」も同じではないかと言えそうだが、じっさいにどうであったかは別にして、「。」は対称性が高いので、正方形の活字を回転することで縦書きでも横書きでも流用が可能である。

ネット上の文書は、ほぼ横書きだが、「,」「.」か「、」「。」のどちらかであり、『公用文作成要領』推奨の「,」「。」は、ざっと見たかぎりでは見つからなかった。 組み合わせ的には「、」「.」も可能だが、これを意図的に使っているひとや誌面は、たぶんない。ただ、MacOSのことえりやWindowsのIMEは、4種とも設定可能である。