TVドラマなど2013/05/02 00:32

なんで漢字なのだろう
科学考証に知ったひとの関わっていることもあって、『宇宙戦艦ヤマト2199』を観ているが、このリメイク版のヤマトでは、ディスプレイ表示に漢字が多く、どういうテクノロジー史の結果なのだろうかと考えた。200年後に漢字(繁体)がよく使われているという設定は興味深いが、ふつうに考えると、こういう表示は英語になっていそうだ。ただ、そう言えば、と思いいたったこともある。職場のデジタル分光相関器の注意書きに、スペイン語もあったということである。
分光相関器

ノア
日本折紙協会のマスコットが、警視庁特車二課第二小隊の巡査となる、もしくは、地球連邦軍第2連合艦隊第13独立部隊で艦長をする、というネタを思いついた。

負ければ賊軍
『獅子の時代』以来、ん十年ぶりに大河ドラマ『八重の桜』を毎週観ている。会津がでてくる話にしか興味がないのか? じっさい、幕末では断然、会津や五稜郭のほうに肩入れしている。『八重の桜』における坂本龍馬の端役扱いを「やるなあ」と思ったひとには、『武揚伝』(佐々木譲著)もおすすめしたい。龍馬は使い走りの端役、勝海舟を口舌の徒として描くことが徹底している小説である。佐々木譲さんのこの描写がどこからくるのかが心配になるぐらいの書きっぷりである。
わたしがなんで旧幕府側にシンパシーがあるのかというと、たぶん、安部公房さんの『榎本武揚』の影響だ。そして、ふと思えば、妻の両親は福島の出身で、わたしの自宅は新撰組ゆかりの調布にあるのだった。ただ、以前、『明治を生きた会津人-山川健次郎の生涯』(星亮一著)を読んだ妻は、会津戦争後に放棄された財物を獲得した周辺住民というエピソードに触れて、「うちの先祖はこっちのほうかも」と言っていた。

9回の回転対称
九芒星
TVドラマの『ガリレオ』も観ている。つっこみどころは多々あるけれど、それよりもなによりも、第1回の新宗教のマークが九芒星(九点星:太ったほう:図右)だったことに最も強く反応して、自分が図形マニアであることをあらためて自覚した。
九芒星と言えば、先日はいった飲食店の器も9回の回転対称だった(写真右)。このブログでも、9回の回転対称図形に関して何回かふれているけれど、紹介していないものでは、昨年和算の資料を見にいったときに市内を散歩していて気がついた福島市のマンホールのマークというものがある(写真左)。これは、福島市の市章(9個のフと4個のマで「ふくしま」を表すダジャレ系のマーク)からきている。
ちなみに、正九角形は、定規とコンパスの有限回の使用では作図不能である。

理学部的
ドラマで理学部(物理・化学)らしさを演出をするなら、「サチる」(飽和する。桁が足りなくなる←saturate)、「コンパラ」(ほとんど同じ←comparable)、「コンタミ」(漏れ込む←contaminate)といったジャーゴン(隠語)を使う、キムワイプ(紙製のウエス)でものを拭くなどすると、らしいのになあと思う。

大本営発表
『暗黒日記』(清沢洌著)1945年4月20日の記述を読んで、あらためて驚いた。

「四月二十日(金)
沖縄戦が景気がいいというので各方面で楽観説続出。株もグッと高い。沖縄の敵が無条件降伏した説を僕も聞き、瞭(引用者注:筆者の長男)も聞いてきた。中には米国が講和を申し込んだというものがある。民衆がいかに無知であるかが分る。新聞を鵜呑みにしている証拠だ。」

直前には、九州で大和が沈んでいるし、沖縄のいくつかの拠点は制圧されている。大和の沈没も米軍の宣伝ビラ以外には知る方法はなかったらしい。

新作
折り紙講習の機会があったので、講習作品の工程を試行錯誤し、いろいろと紙をいじくるうちに、まったく別の創作にシフトし、けっこうよいものができた。
キリン。既存の構造を生かしたシンプルとコンプレックスの中間ぐらいの作品。
イルカ。『本格折り紙』に載せたものを考える前にできていた構造を復活させ改良したらよいかたちになった。
キリン

イルカ

狛江市の折り畳み地図2013/05/07 23:15

狛江市の折り畳み地図
東京都狛江市(建設環境部環境管理課)製作の公園地図・KOMAPの畳みかたが面白い。ミウラ折り的なのだが、折り畳んだときにできるひだが向かい合わせになっている。このひだがすれ違って平面に収まるのである。

折り紙で牡丹を折って見せる子の2013/05/13 22:19

『短歌があるじゃないか』(穂村弘、東直子、沢田康彦著)を読んでいて、折り紙がでてくる歌に遭遇した。作者の本下いづみさんは、絵本作家として有名なひとである。

昨日は母の日だったし、牡丹は夏の季語なので、季節感もぴったりだ。

折り紙で牡丹を折って見せる子の粘る青っ洟ママンは拭くの
本下いづみ


穂村 これはジャパニーズな感じが面白かったです。突然最後に「ママン」が出てくる。
 ジャパニーズモダン(笑)。
沢田 《折り紙》《牡丹》《青っ洟》で、色彩があります。
 気取りながら《青っ洟》を拭いているところが笑えます。子供が《折り紙》しているときみたいに集中すると、口が半開きになってよだれやら鼻水やら垂れ流しになるんで、リアルだと思いました。《折り紙》《牡丹》と上品な感じできて、《青っ洟》で落とす。
穂村 このずれがいいんだね。ふつうでは折れないようなものを《折って》るけど、《青っ洟》を垂らしている。

牡丹という花は、季節を合わせるためや、豪奢な感じをだすために虚構として選んだのかもしれないけれど、小さな子が折る牡丹の折り紙というのは、はたしてどんなものかと、考えた。折紙者にとってのリアリティーはそういうところにある。

で、結論。
これは、いわゆる折り紙というより、運動会の入場門につけるような、「紙花」ではないか。
ティッシュペーパーのような薄い手芸用の紙を数枚重ねた状態で蛇腹に折って、真ん中を輪ゴムかセロテープで留める。紙を引きはがすように広げるとできあがりという、あれだ。あれは、牡丹ぽい。

絵になるツバメなど2013/05/19 19:44

絵になるツバメ
談合坂SAのツバメ
談合坂サービスエリアの標識の上にとまったツバメが、絵としてできすぎだった。
ツバメを見ると、少年時代に読んだ、オスカー・ワイルドの『幸福な王子』を思い出す。

太陽折り紙プロジェクト
前に紹介した「太陽の構造を理解するための折り紙」は、アメリカ海洋大気庁(NOAA)・宇宙気象予報センター(SWPC)内、Education / Outreach(教育普及活動)-Materials for The Classroom(教材)-"Origami Project for the Sun "(http://www.swpc.noaa.gov/info/Origami.pdf)にあった。

ポリゴン
ポリゴン彫刻
先日、山梨県笛吹市藤垈の公園で 見た彫刻が、いわゆる「ポリゴン」だった。
「ロク 村山由花 1991」「ぞう 蜂須るり 1991」
こういう造形を見ると、折り紙みたいだと思う。

菓子袋を閉じる折りかた2013/05/19 20:00

こういうもの(http://twitpic.com/c5z2qq)があって、これは面白いと思ったのだが、じっさいに試してみると、袋の素材や大きさにもよるようで、けっこう難しい。別の方法を考えてみた。

その1
菓子袋を閉じる折りかた-その1

その2

菓子袋を閉じる折りかた-その2

双曲放物面と九州旅行2013/05/28 22:57

双曲放物面に関連する文章を書いていて、「そうきょくほうぶつめん」が変換できず、「そうきょくせんほうぶつめん」と入力して「線」を削除することを繰り返した。辞書に登録したけれど、これに関連する文章をほぼ書き終わったあとだったので、今後使う機会は、あまりなさそうだ。

と、思っていたところ、先週末、折紙探偵団九州コンベンションに参加したさい、有明佐賀空港で双曲放物面を使ったモニュメントに遭遇した。「あかりしょうじ」(朝日清公)という彫刻で、オクテットトラスの四面体部分に陶器製のそれがはめ込まれている。金属部分の錆によりやや汚れているのが惜しい。

あかりしょうじ(佐賀空港)

◇◆◇
コンベンションがあると、簡単すぎないが折って面白いという作品を考える機会になる。ほんとうにそうした作品はなかなかできないけれど。

帰路、空港に向かう途中、有明海を案内してもらった。写真は、ムツゴロウと蟹。こういうところで暮らしている彼等には、世界は柔らかいものなのだろう。
有明海

九州に向かう二日前までは長野県の野辺山観測所にいた。25日の佐賀での最高気温は軽く30度を超えていたが、同じ日の野辺山の最低気温は1.7度で、前日の24日は零下になっていた。北海道を含む全国のアメダスポイントで最低の気温になることの多い野辺山でも、この時期の零下はさすがに珍しいが、あらためて日本は広いと実感した。

句読点の話2013/05/28 23:05

連載をしている『数学セミナー』は、句読点が「,」「.」である。同誌にかぎらず、科学関係の出版物では、邦文であっても、句読点を「,」「.」にすることが多い。しかし、ふと気になって、ちょっと調べると、けっこう多いのが「,」「。」であることがわかった。

「,」「。」:『Newton』『日経サイエンス』『パリティ』『科学』
「,」「.」:『数学セミナー』『数理科学』『天文月報』『日本物理学会誌』『応用物理』『情報処理』『天文ガイド』
「、」「。」:『natureダイジェスト』

これは、『公用文作成要領』(昭和27年4月4日付け内閣閣甲第16号内閣官房長官依命通知)において、「句読点は,横書きでは「,」および「。」を用いる。」とされていることに由来するものと思われる。
句読点は、縦書きと横書きで打つ位置が異なり、活字時代にはこれが重要だったことが影響しているのかもしれない。「。」も同じではないかと言えそうだが、じっさいにどうであったかは別にして、「。」は対称性が高いので、正方形の活字を回転することで縦書きでも横書きでも流用が可能である。

ネット上の文書は、ほぼ横書きだが、「,」「.」か「、」「。」のどちらかであり、『公用文作成要領』推奨の「,」「。」は、ざっと見たかぎりでは見つからなかった。 組み合わせ的には「、」「.」も可能だが、これを意図的に使っているひとや誌面は、たぶんない。ただ、MacOSのことえりやWindowsのIMEは、4種とも設定可能である。

とりとめもなく2013/05/31 00:58

VLBI
『宇宙戦艦ヤマト2199』は、SFアニメーションらしい荒唐無稽さを残しつつ、随所に科学考証の半田利弘さんの示唆によるものだろうなあ、というところがあるが、先日放映された第8話の、8光年離れた場所から在りし日の青い地球を観測する「VLBI望遠鏡」は,明らかにそれだった。

VLBIというのは超長基線干渉計のことで、複数の位置から観測した情報を使って画像を合成する技術である。野辺山で活躍していたNMAや、チリのALMAがそれだ。

つまり、ヤマトの地球観測は、離れた位置でデータを連続的に取得し、それから画像を合成したものと思われる。ふつうは同時に別のアンテナで観測し、同時刻のデータを干渉させるが、移動して別の時刻に取得したデータを干渉させ画像を合成することも可能だ。

で、分解能を簡単に検算してみた。
8光年離れたところから見た地球は、8光年≒8×10^16mで、地球の直径は約1.3×10^7mなので、視直径(視野角)が2×10^-10rad≒0.03ミリ秒ぐらいになる。

いっぽう望遠鏡の分解能は、波長/ベースラインの長さで決まる。可視光の波長は500nm=5×10^-7mぐらいなので、可視光で地球が識別可能なベースラインの長さは3000mぐらいになる。これを100ピクセルぐらいの分解能でイメージングするためには、300kmぐらいとなる。ヤマトがワープ航法をしていないときの速度がどれぐらいになるかはわからないが、たとえば、高度200kmの人工衛星の速度は7.8km/秒で、これよりはるかに速いはずである。すなわち、300kmのベースラインを持つデータは、短い時間で得られるという計算だ。

天の川
先日出ていた会議で、こんな会話があった。
「この機能、次の観測シーズンでも使うんですか?」
「サジA(サジタリウスA*:銀河中心)のあれがあるからねえ」

「サジAのあれ」というのは、この夏から秋に予想されている、銀河中心周辺のガスが銀河中心のブラックホールと反応する現象のことだそうだ。シミュレーション計算の結果である。(プレスリリース

天の川銀河ということでは、『natuteダイジェスト』5月号でこんな記事を読んだ。古代エジプトで神聖とされた昆虫・スカラベ(フンコロガシ)の話である。球を転がすことから太陽の運行に結びつけられたと言われるこの虫が、最近の研究で、夜間に直進するために天の川の光の帯も目印にしていることが判明した、というのだ。古代エジプト人もこれに気がついていたのかもしれない。この記事だけでは、季節とか時刻とか、よくわからないところもあるが、壮大な宇宙と小さな昆虫の対比が詩的だ。(ScienceNewsline.jp内にも翻訳記事

とまあ、天文学者もスカラベも注目する天の川だが、都会生まれの都会育ちだと、生まれてこのかた天の川を見たことがないというひとも多いと思う。可能であれば、きれいな星空は、年に何回かは見たほうがよい。それはたぶん、精神の健康によい。

先日見た有明海のムツゴロウや蟹も、泥の中から外に出て、星空を見上げたりするのだろうか、なんてことも思った。

とりとめもなく-2-2013/05/31 01:03

サイコ
富士山を映した画面に、ヒチコックの『サイコ』のシャワールームの時の音楽(キーン、キーン、キーンというもの)がかかる。カメラがひいていくと、西湖が映る。というネタを思いついた。

折り紙モデルの普遍性
新しい折り紙のモデルができたときに、「誰かが既に思いついているのではないか」という思いが強いものほど「これは普遍性が高いぞ」という思いも強い。と、当たり前のことを言ってみる。

森林環境税
会社の確定申告を手伝っていて、山梨県の法人県民税に森林環境税というものが加算されていることに気がついた。目的税であるのにもかかわらず、法人と個人のすべてにかけられるということに違和感があった。

こうした例は多いのだろうかとすこし調べてみて、違和感の輪郭が、すくなくともわたしの中では明らかになった。そもそも税には「特定の収入と特定の支出を結びつけない」という原則がある。「ノン・アフェクタシオンの原則」というらしい。しかし、ときに目的税は正当化される。最大の理由が、その受益者負担的性質である。典型的なものが入湯税や入猟税などだ。

森林環境税は、環境はすべてのひとが受益者なので、すべての個人・法人を対象とした、という理屈と考えられる。しかし、それは拡大解釈というか、「ノン・アフェクタシオンの原則の例外事項としての目的税」という観点では、倒錯した論理に思える。

山梨県内で最近よく見かける、松くい虫対策のアカマツ林の皆伐採は、この税金の導入によるもなのだろう。その作業が、森林環境の保全に真に有効であることを望んでいる。