アヒルの悪魔とか2012/09/23 20:07

アヒルの悪魔
某月某日
国立天文台のとある部屋にあったアヒルの悪魔が面白い(尾は黒いけれど)。FreeBSDのキャラクターか?

某月某日
いろいろと怠けている。

某月某日
「abc予想」が証明されたということがニュースになっていた。すこし前、「ゴールドバッハの弱い予想」の証明にすこし近づいたという記事が『日経サイエンス』の7月号にあったけれど、それとは別に、こんなブレイクスルーが進行していたとは。
数学ファンとしては不覚だが、abc予想の内容はよく知らなかった。検索してみると、予想自体はわたしでも理解できるもので、「操作はわかるがとんでもなく難しく深い」という一番わくわくどきどきするものであった。しかも、今回その証明に使われた数学がほとんどまったく新しいものらしい。

この予想がなりたつとフェルマーの最終定理も簡単に導かれるということなので、確かめてみた。オイラー他によって別に証明されていることを使うと、ほんとうにあっさりフェルマーの最終定理が示される。『Science』の記事ABC Proof Could Be Mathematical Jackpot(Barry Cipra)にあるジャックポット(スロットマシンの大当たり)という表現が相応しい感じだ。なお、この記事の中でコメントしているのが、上記のゴールドバッハの弱い予想の証明に近づいたというテレンス・タオ氏で、「abc予想の証明を確かめるのは、ペレルマンやワイルズ(ポアンカレ予想とフェルマーの最終定理)よりもすっと時間がかかる」「究極に難しい分野」と言っている。

証明を発表した望月新一さんが16才でプリンストン大学入学、22才で学位ということも話題になっているが、上述のタオ氏も、16歳で大学卒業、20歳で学位、25歳で教授、31歳でフィールズ賞の、うひゃーという天才である。折り紙界にもそういうひとがいる。14才で大学入学、20才で学位を得てMITの教員、27歳で教授というエリック・ドメインさんだ。エリックさんは、なんだかいつもたのしそうにしているひとである。

秋彼岸
「暑さ寒さも彼岸まで」は、「死ねば、暑い寒いもない」という意味とも解釈できる。

次の話は、秋彼岸ではなく、春彼岸だが、そのころになると、妻は必ず「毎年よ彼岸の入りに寒いのは」という句を口にする。
毎年よ彼岸の入りに寒いのは この句思うもまた毎年よ
これはつまり、「反復の概念が反復される」ということ(?)である。ちなみに、「毎年よ」は子規の句だが、これは子規の母の口癖をそのまま句にしたものという。

某月某日
映画の『天地明察』(冲方丁原作 滝田洋二郎監督)で、会津藩邸の庭が、近代の作庭家・重森三玲作の東福寺方丈北庭(市松の庭)みたいになっていた。史実の考証、天文の考証はどうなの?という描写はほかにも多いので、この庭も史実に基づいたものではないのだろう。東福寺方丈東庭が「北斗七星の庭」であることから思いついた演出と思われる。

17世紀後半に京都でも江戸でも皆既日食も金環食もなかったでしょということを筆頭に、明らかにフィクションであるさまざまを除いて、最近「算額」を考えることが多いので、あらためて気になったこととして、以下があった。

他の和算を扱った小説にもでてくるが、小絵馬の算額(数学の問題等を記した絵馬)はじっさいにどれぐらいあったのだろうか、ということである。現在遺っている算額は、「額」というぐらいで、今日絵馬という言葉から連想する小絵馬ではなく、大きな扁額である。だからと言って、当時、算法を記した小絵馬がなかったということにはならない。小絵馬は、主に流行神の祈願に用いるものだが、江戸初期にすでにあったのも事実であり、そうしたものが後の世に遺りにくいのもたしかではある。『算法勿憚改』(延宝元年 1673年 村瀬義益(映画で佐藤隆太さんが演じていたひと))という本に、「扨又(さてまた)時のはやり事にや惣て(すべて)爰(ここ)かしこの神社に算法を記掛侍る(しるしかけはべる?)事多し」という記述がある。「吊」の意味もある「掛」という文字を使っているので、小絵馬の可能性もありかとも思ったのだが、漢字の使い分けなどあてにならず、「掛額」という表現もあり、けっきょくは、よくわからない。

とか言いつつ、映画はたのしく観た。ただ、つくりごとの部分はそれでよいので、星空をもっと気合いをいれて撮ってほしかった。できれば、CGで描くのではなく、ほんものを撮ってほしかった。ひとが、畏怖しながらも宇宙に対峙する画を観せてほしかった。

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