雑記2012/09/10 22:05

某月某日 15度鳳凰
鳳凰
角度が15度の倍数の折り目を使った鳳凰ができた。ひさしぶりに、幾何立体ではないモデルだ。とはいっても創作のモチーフはきわめて幾何学的である。じっさいの鳥の羽根はこんな構造ではない。幾何学的なかたちをそのままなにかに見立てるたのしさが中心にあってできた造形だ。15度折り目をやったひとならわかる、45、60、75の不等辺三角形という、どこかずれているようできっちりしている三角形が味である。
幾何学的なかたちをそのままなにかに見立てることがうまくいったと思っているのは、七面鳥(サブフラクタル)、孔雀(ミウラ折り)、ペンギン(円錐)、ニワトリとヒヨコ(デルタ多面体)などで、今回の鳳凰を含めて、なぜかみな鳥類である。思えば、折鶴もまたそうだ。鳥類は獣よりひとからの距離があるので、幾何学的形状の見立てによる違和感がすくない、ということもあるのだろうか。

某月某日 諏訪に丸石道祖神?
以前、図書館で見た『石仏調査ハンドブック』という本に載っていた「道祖神塔(丸石の道祖神)(年不明)長野県諏訪市小和田南」とキャプションのついた写真の道祖神を確認しにいった。甲斐の民俗である丸石道祖神が信州諏訪にあったら、それだけで発見なので、前から気になっていた。しかし、みつけることができなかった。何度か同じ場所をうろうろする不審者のような行動をしたのち、立ち話をしている地元のひとに「つかぬことをお訊きしますが」と訊いてみたのだが、思いあたるものはないということだった。八十代のカクシャクとしたお爺さんで、そのひとと話をしていたひとが「町内のことでこのひとが知らないことはないよ」という長老だったので、写真のキャプションの間違いで、やはり諏訪には丸石道祖神はないのだろう。なお、諏訪地方ではちいさな祠の周りにもちいさな柱が四本建っていた。つまり、ミニ御柱で、これには感心した。

某月某日 折鶴のシール
窓のシール
折紙探偵団コンベンションのオークションで競り落とした、マルシオ・ノグチさん提供の折鶴のシールを、はめごろしのガラス窓に貼ってみたら、これがなかなかよかった。

某月某日 折り紙の重心
『折紙探偵団』の原稿をふたつ書いた。ひとつは、書いている途中で思いついたことがあり、後半の内容が、当初想定していたことから大きく変わった。折り紙モデルの重心に関する話である。発展性があるテーマかもしれないという期待がすこしある。

某月某日 理論物理学教程
神保町の古書店で『ランダウ・リフシッツ理論物理学教程 弾性理論』を手にとって棚に戻した。20年以上読まねばと思っている本なのだが、すぐには読まない(読めない)し、古書価も高い。一生読めないような気もしてくる。

某月某日 八ヶ岳の鹿
八ヶ岳の鹿
山梨県道28号線(北杜八ヶ岳公園線)を長野県方面に向かい、八ヶ岳高原大橋を渡ってほぼ坂を登りきると、左側に牧草地がある。ここは、通称「鹿牧場」という。じっさい、棲んでいるんじゃないかというぐらい、高い確率で野生の鹿がいる。増えすぎて、食害に困っているとも聞く。

某月某日  すこしは働いた
ずっと遅れていたプログラムの修正ができて、データを処理したが、まだおかしいところがあるかもしれない。(なんてことをわざわざブログに書くと、仕事もしていますといういいわけみたいな感じになる)

某月某日 小笠原流と人体文様付有孔鍔付土器と蛇籠
南アルプス市ふるさと文化伝承館小笠原流のこころとかたちという展示を観にいった。南アルプス市の旧櫛形町は、武家の礼法を伝える氏族・小笠原家の発祥の地なのである。この展示も面白かったが、同館の縄文遺物の展示もよかった。とくに鋳物師屋(いもじや)遺跡から出土した人体文様付有孔鍔付土器に惹かれた。愛嬌のあるひとのかたちのレリーフがついた土器である。興味深いのは、その指の数が3本であることだ。同じ遺跡の円錐形土偶などもそうで、館のスタッフのひとにも説明してもらったが、縄文土器の人物の指は、3本、4本、6本などまちまちだそうだ。ここで思い出されるのが、数概念を「1、2、3、たくさん」、「1、2、たくさん」とする言語があることだ。この土器の指の造形は、単に「さきがたくさん枝分かれしている」ということであり、何本という数の概念とは結びつかないということを示していそうである。ただ、縄文人の数の概念は、粘土板につけられた刻みなどからきわめて発達していたという話も聞いたこともあり、それとの関係はよくわからない。
蛇籠
南アルプス市の東部は、富士川水系の御勅使川(みだいがわ)の氾濫が歴史をかたちづくってきた土地である。ということで、堤をつくるための「蛇籠」も展示されていた。「蛇籠工法」は、中村哲さんのペシャワール会が、アフガニスタンの水路整備でもつかっているものだが、ここに展示されていた伝統の竹の蛇籠(中に砕石をいれて積む)は、末端が閉じたカーボンナノチューブにそっくりで、工芸品としても美しい。円筒状の六角の籠目の端を閉じるためには、五角形の穴があるのが幾何学の示すところで、じっさいそうなっている。

某月某日 ゆるキャラ化した半跏思惟像
半跏思惟像
北杜市高根町で見た半跏思惟像が、摩滅もあって、ゆるキャラのオーラを発していた。

某月某日 こんなところに五芒星
神楽殿の五芒星
北杜市高根町の伊勢大神社の神楽殿にのこっていた紙垂が陰陽道的な五色だった。(ただし、西は、ふつうみどりではなく白だとも思う。みどりは五色の吹き流しや幕などで黒のかわりに使われることが多い) こうした紙垂はほかでも見たことがあったのだが、見上げると、天井に五芒星があってちょっとびっくりした。

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