姫路科学館の「火星儀」工作の詳細2018/04/24 12:35

ひとつ前の記事に書いた姫路科学館のイベントの詳細です。
・場所:姫路科学館
・内容:折り紙技法による火星儀製作
・日程:4月28日、5月6日、それぞれ13:10と14:30の2回
・各回先着10名、開館時から先着順、参加費無料
・図版製作:安田岳志@姫路科学館、図版協力:前川淳
(なお、わたしは、残念ながら現地にはいません)

ひとつ前の記事の写真の火星儀は、NASAのバイキングのデータによるものだが、惑星気象科学の先駆者・宮本正太郎さん(1912-1992)による「宮本火星儀」を元にしたバージョンもある(写真下)。1964年のマリナー4号に始まる飛翔体観測より前の、地上という井戸の底からしか観測ができなかった時代のものだが、なんというか、とても「火星らしい」。極冠(北極と南極にある氷結した二酸化炭素と水)は地上からも白く見えるのにそう描いていないが、これは、季節変化があるためだろう。
火星儀(宮本正太郎版)

上の写真で、火星儀の下にあるのは、『宮本正太郎論文集』の『The Great Yellow Cloud and The Atmosphere of Mars』(1957)という論文である。1956年に発生した大黄雲(大規模な砂嵐)の観測を記したものだ。大黄雲は、地球から観測される火星全体がぼんやりとなってしまうほどの巨大な大気現象で、10-20年に1度ぐらいに起きている。前兆現象は捕えられるが、カオス的な現象なので、予測は困難だという。