表紙が折り紙の小説をふたつ+α2015/05/16 10:20

『紙の動物園』
前にこのブログでもふれた、『紙の動物園』を含む、同題の作品集が刊行された。リュウ氏が比較されることが多いテッド・チャン氏の愛読者で、折り紙者なので、当然買いである。チャン氏は別格だとの思いは変わらないが、この『紙の動物園』も粒ぞろいの作品集だ(まだ全編は読んでいないけれど)。

表紙の絵(牧野千穂さん)を見て、虎は小松英夫さん、鹿はわたし、牛はグエン・フン・クオンさんの作品を写したものであることが、すぐにわかった。アヒルは、確信はないが、津田良夫さんだろうか? Web等で見つけた画像をもとにして描いたものなのだろう。ちょうど小松さんに会う機会もあったので、彼にも確認してもらった。

『迷宮』
表紙が折鶴(佐々木美穂画)なので読んだ。現場が折鶴で飾られた「折鶴事件」と呼ばれる殺人事件が、物語の中心におかれている。結構はミステリ(しかも密室)なのだが、世界に現実感が持てない離人症的な感覚を持った人物たちによる、暗鬱なファム・ファタール(運命の女性)の物語だった。中村さんの作を読むのはこれが初めてだ。かれは、ドストエフスキーが好きで、影響を受けているということである。たしかに、ドストエフスキーもミステリとしても読めるところがあるなど、共通性を感じた。しかし、ド氏には、どこか滑稽なところがあるけれど、この小説には、そうした面はなく、とても息苦しい。

という本も、6月末にでるらしい。題名は、矢野徹さんの『折紙宇宙船の伝説』へのオマージュだろう。

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