行ったり来たり2014/05/26 22:04

◆行ったり来たり
今月は、東北や九州に行ったり来たりしていた。飛行機を使わなかったので、ずいぶん移動したという気がするが、新幹線も速い。新幹線というシステムは、誰かが言っていた記憶があるけれど、航空機よりやや低速だが、燃費のよい、地上にはりついた航空機みたいなものである。

折紙探偵団九州コンベンションで講習した、『緑の切妻屋根のワン』(犬小屋+犬)という作品は、犬種を変えて、またどこかの講習会でやってみたいと思う。

もうひとつ講習した「亀甲ユニット」は、前例調査中だったのだが、布施知子さんの「三つ割り」(『ユニット折り紙エッセンス』 他)と、基本的に同一であることがわかった。布施さんの作品と重複するという話は、この一ヶ月で二つ目である。

九州では、こんな会話もあった。
Sさん「ハリウッド版のゴジラに折り鶴がでてくるよ」
わたし「そうそう。予告編に出てくるのを見た」

◆天文台通り
天文台下駐在所
国立天文台三鷹キャンパスから都道123号(天文台通り)を南に行ったところにある、「天文台下駐在所」に、北斗七星の意匠があるのに気づいた。丸い穴に大小があるが、北斗七星はひとつだけ3等星で他は2等星と、明るさが揃っているので、穴の大小に科学的意味はないと思われる。

天文台通りには「天文台クリニック」という医院もあって、その不思議な語感が魅力的である。小説家の堀江敏幸さんも、たぶんこのクリニックの看板にインスピレーションを得たのだろう、同じ名前の詩を書いている。(『ろうそくの炎がささやく言葉』(管啓次郎、野崎歓 編)所収)この詩には、「標高一三五〇メートル」というフレーズもでてくるのだが、これが野辺山宇宙電波観測所の標高と同じなのは、意味ありげだ。

藤井太洋さんの、2020年の宇宙開発を扱ったテクノスリラー・『オービタル・クラウド』に、ミウラ折りがでてきた。登場人物の台詞として「軌道ホテルの収納は”ミウラ折り”でしたっけ? 確かイカロスでも使われていたんじゃないですか」とあったが、これはよくある誤解で、イカロスはミウラ折りではない。
ちょうどこの本を持っているときに、ミウラ折りを応用したシリンダ構造の収納展開という成果のある舘知宏さんに会う機会があったので、「こんなのがでてくる小説があるよ」と、関連場面を読んでもらったところ、「じっさいに造りたいですね」みたいなことを話していた。小説自体は、アニメーション映画『サマーウォーズ』(細田守監督)に似たテイストで、とても面白かった。