松露饅頭のパッケージ2014/06/10 22:32

松露饅頭のパッケージ
もう1ヶ月近く前になるのだけれど、佐賀で、大原松露饅頭の5個入りを買った(写真左)。パッケージが面白い。

松露饅頭というのは、人形焼きのようなカステラ地の饅頭で、そのかたちはきれいな球状である。

パッケージの基本的な構造は、球を正方形状に4個並べ、その上にもうひとつ球をおいた四角錐状のかたちを包むというものである。これを解析(?)してみた。(以下、計算間違いはないはず…)

四角錐の側面として、まず考えられるのは正三角形である。側面をこのかたちにすると、中で球の遊びがなく、ぎっしり詰まったものになる。しかし、詰まってはいるのだが、四角錐の体積から5個の球の体積を引いた隙間の体積が最小となるのは、このときではない。

4個の球が底面に接して並び、側面が二等辺三角形となるという条件で、隙間の体積が最小になる値を計算すると、側面の二等辺三角形の頂角は、sinθ=3√(2898-130√17)/178となるθで、54.9955...度である。球の体積/角錐の体積は、側面が正三角形のとき約0.4407であるのにたいして、約0.4453である。

じっさいのパッケージは、頂角45度の二等辺三角形である(写真右上)。これは、展開図のわかりやすさにもよると思われる。このとき、球の体積/角錐の体積は約0.4292である。

牛乳パックの体積2014/06/19 12:50

ツイッターで流れてたので知ったのだが、以下は面白かった。
(ちなみにツイッターのアカウントは持っていない)

「牛乳パックの3辺を掛け合わせても1Lにならないのですが、ちゃんと1L入っているのですか?」(森永乳業)

可展面による立体の最大体積の問題である。同種の問題には難問も多いが、これは、拘束条件が明確なので、計算してみた。前提として、面の伸び縮みはなしである。そのときの注意点は以下である。

・胴部分がふくらむといっても、樽のかたちではない。(もとの四角柱に比べて、へこむ部分もある)
・高さはもとの四角柱に比べて低くなる。

じっさいに計算をはじめると、けっこう面倒なものになったので、単純化して、1:1:2の直方体で、中央部分が正八角形となる場合の変形(図)で計算した。
もとの四角柱の約1.02倍になった。じっさいの比率は約1.05なので、計算は妥当と思われる。

(やることが多いのに、昨晩はこれにかなり時間を費やしてしまった)

『紙の動物園』2014/06/21 02:11

『紙の動物園』
『S-Fマガジン』2013年3月号に、『紙の動物園』(ケン・リュウ著 古沢嘉通訳)という、折り紙がでてくる小説が掲載されていることを見つけて、昨日読んだ。

「ぼくの母さんは中国人だった。母さんがぼくにつくる折り紙は、みな命を持って動いていた」という惹句が表すように、折り紙が重要なモチーフとして使われている。移民や母と子の思いのすれ違いというテーマが、心に染みる物語だ。
2011年ヒューゴー賞ショート・ストーリー部門、ネビュラ賞ショート・ストーリー部門、世界幻想文学大賞短編部門賞の三冠を獲得している。

そして…だ。丹地陽子さんの描く、折り紙の虎(作中重要な役割を持つ)のイラストレーションである。どこかで見たものだなあ…って、わたしの作品じゃないか! 『ビバ!おりがみ』(1983)に載ったもの(写真)を参考にしているのが、まず間違いない。

さらに、ちょっとした符合なのだが、『紙の動物園』という題は、この『ビバ!おりがみ』が出版されたころに考えたことがある。動物作品を集めた折り紙の作品集をつくるなら、『折り紙動物園』ではなく『紙の動物園』がよいと思ったのである。これは、文学青年的なてらいによるものだ。つまり、テネシー・ウィリアムズの『ガラスの動物園』からの連想である。

リュウ氏の『紙の動物園』は原題は、The Paper Zooではなく『The Paper Menagerie』である(menagerieは巡回サーカスなどの動物ショー)。そして、ウィリアムズの『ガラスの動物園』も、『The Glass Menagerie』である。彼がウィリアムズを意識してつけた題であるのは明らかである。『ガラスの動物園』も切ない家族の物語だ。

という、わたしにとって、いくつかのことがゆるく絡みあったような話なのであった。