フィボナッチ数列とか2013/10/17 00:06

仕事や頼まれごとがたまっているのに、なんだが、とりとめもないことを考えている。

フィボナッチ数列
消費税の3%、5%、8%という並びがフィボナッチ数列だということに気がついたのだけれど、WEBで検索すると、すでにそう言っているひとたちがいるのだった。

なお、フィボナッチ数列とは、1, 1からはじめて、次の要素が前のふたつの要素の和になる数列である。すなわち、以下だ。

1,1,2,3,5,8,13,21,34,55,89,144,...

フィボナッチ数列と言えば、先日読んだ『バナッハ-タルスキの密室 数学者シャーロック・ホームズ』(瀬山士郎)に、
フィボナッチ数列の隣りあう三つの要素a,b,cをとると、b^2とacの差が±1になる
という定理が紹介されていた。『フィボナッチ数の小宇宙』(中村滋)によると、カッシーニ - シムソンの定理というらしい。カッシーニは、土星の環の間隙の発見や、卵形曲線で有名な、あのカッシーニである。

ちなみに、自然数列にも同様の性質がある。隣り合う自然数a,b,cをとると、b^2 - ac = 1となるのだ。フィボナッチ数列も、「自然な」数列ということかもしれない、などと思ったわけである。

で、思いついたのが、次の問題だ。

問い:隣り合う要素a,b,cにおいて、b^2と acの差が1になる数列は、自然数列とフィボナッチ数列のほかにあるか。

以下の答えは見つけたが、他にもあるだろうか。
フィボナッチ数列の奇数番目からなる数列:1,2,5,13,34,89 ,... :b^2-ac=-1
フィボナッチ数列の偶数番目からなる数列:1,3,8,21,55,144,... :b^2-ac=1

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なお、『バナッハ-タルスキの密室』のあとがきで紹介している数学小説・『ペトロス伯父と「ゴールドバッハの予想」』の作者が、なぜかオリヴァー・サックスとなっていたが、正しくは、ギリシア育ちの作家・アポストロス・ドキアディスである。オリバー・サックスは、『レナードの朝』や『妻を帽子とまちがえた男』の著作で知られる神経学者だ。不思議な間違いだ。

トゲトゲ立方体
トゲトゲ立方体
またも立方体作品をつくった。
組み合わせかたが、フラップをひっかけるような方法で、ちょっと変わっている。

ジョークを思い出した。
「タイマイをはたいて…」
「亀をいじめてはいけません」

友がみなわれよりえらく見ゆる日よ
ノーベル賞の季節ということもあって、なんとなく関連記事を読んでいたら、2008年物理学賞の、あの南部陽一郎先生が、プリンストン高級研究所時代のことを振り返って「啄木の『友がみな我よりえらく見ゆる日よ』の心境だった」と述べているのを知った。この言葉は『素粒子物理の青春時代を回顧する』というエッセイにもでてくる(『日本物理学会誌』2002年1月号)。 そのときプリンストンにいたのが、フェルミ、アインシュタイン、オッペンハイマーというひとたちで、ほかのひとたちも極めて優秀だったとはいえ、天馬空を行くような天才にして、この思いか、と驚いた。

しかし、あらためて啄木のこの歌を読むと、どんよりとした自嘲というより、プライドの発露と読めなくもないのだった。

友がみなわれよりえらく見ゆる日よ
花を買ひ来て
妻としたしむ

この歌でも眩しすぎるという、次のような感想もあるだろう。
妻がいるだけで、リア充だ。
友がいるのか。
見ゆる日か。毎日じゃなくて。
花を買う金があるんだ。
偉くみえるのは友だけか。全人類じゃなくて。

表裏同等枕2013/10/17 00:12

表裏同等枕
30年ぐらい前に川崎敏和さんの表裏同等折り作品を見たとき、刺激をうけてつくったのだけれど、長らく忘れていたモデルに、「表裏同等直方体」、別名「表裏同等枕」なるものがある。先日、五等分を使った立方体のユニット作品をつくっていて思い出した。

どうせならじっさいの枕にしてみようと、妻の助けを借りてかたちにしてみた。
妻につくってもらったのは、折り目の位置に縫い目をつけた裏表の色が異なる正方形の風呂敷である。
これを、折り目どおりにまとめ、中に折り畳んだタオルを詰めて両端をピンで留める。
表裏同等折りなのでトリッキーな折りかた(立体の中心に風呂敷の中心がきて、内部はふたつの「部屋」に分かれる)だが、安定していて実用性があるものになった。