『組曲 わすれこうじ』2021/03/07 14:30

たてよこおなじな紙のひとひらから鳥のすがたをたちあげるのはうつくしい発明だが,手ほどきはまず,千ねんむかしの戦士たちの頭部をまもりかつは身ぶんを示したりあいてを威嚇したりするための獣のつのめく装飾を立てた被りもので,鳥よりはずっと手かずも少なく,直線に折っていくだけでよい工程だった.

黒田夏子さんの『組曲 わすれこうじ』の一節。翻訳調、しかも古文を英文にしたものを重訳したような不思議な横書きの文体で綴る話の中にでてきた折り紙である。

紙で折ったものは紙で折ったものであることをさながらにさらしているのが清い

という表現は、シンプル嗜好の折り紙造形の肝だよなあ、と。
鶴の背中はふくらましてもよいと思うけれど。あれは、きれいにくらませれば、無理のない可展面だから。

コメント

_ 堤政継 ― 2021/04/04 22:06

探偵団マガジン読みました。実は佐藤酒造で「久住千羽鶴」と言う日本酒を出しております。川端康成の小説「千羽鶴」から名付けたそうで、美味しいお酒です。ラベルも箱も折鶴(純米大吟醸のみ)一度、検索しては?

_ maekawa ― 2021/04/05 07:27

情報、ありがとうございます。探してみます。

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

※投稿には管理者が設定した質問に答える必要があります。

名前:
メールアドレス:
URL:
次の質問に答えてください:
スパム対策:このブログの作者は?(漢字。姓名の間に空白なし)

コメント:

トラックバック

このエントリのトラックバックURL: http://origami.asablo.jp/blog/2021/03/07/9354581/tb

※なお、送られたトラックバックはブログの管理者が確認するまで公開されません。